【終業式】サンタは通知表泥棒？｜リアクション

【終業式】サンタは通知表泥棒？

　図書室へ向かう廊下で、修は見覚えのあるツインテールの後姿を見つけました。
「あおい」
「あ、修君。どうしたの？」
「俺は一寸勉強にね。あおいは？」
　会いたい願いが叶って嬉しい修ですが、クールに微笑みました。
「私は、ちょっと見たい雑誌があって」
「それじゃ行き先は同じだな」　
「通知表、どうだった？　……って修君なら聞くまでもないかな」
　あおいに成績の話を振られて、修は軽く頷きます。
「俺？　ぼちぼち、変らず、かな。成績下ると転校させられるんで、実は死活問題なんだ」
「えーっ？」
　冗談めかして修は笑い、あおいも笑いましたが、実は本当のことでした。
「あおいは？」
「うん、まあまあだったよ」
「それは良かった」
　あおいが良い結果なら、自分のことのように嬉しい修です。
「でも宿題多いよね。数学とか英語とか」
「ああ、わからないことがあるなら教えるよ。今からでも休みに図書館でも良い」
「ありがとう。……でもさすがに今から宿題はやりたくないかな」
「いつでも言ってくれ」
　頷いたあおいが、思い出したように言いました。
「……そういえば、怪盗サンタの話聞いた？　通知表を盗むって予告状出した……」
「盗まれてもパソコンに評価は残っているから、そこまで困ることはないと思うけどな。一寸、会ってみたかったな。サンタにプレゼント貰えたかもだし？」
　修が笑います。
「プレゼントもらえるサンタならいいけどねえ。先生が職員室にダミーの通知表を置いて、見事にひっかかったらしいけど、逃げられちゃったんだって」
「そうか。新聞部としては写真が撮りたかったな」
　怪盗の話で盛り上がりながら、修は思います。
（冬休みに合う約束がしたい）
「そういえば修君は、冬休みどこか行くの？」
　折よくあおいが尋ねてくれました。
「冬休み？　俺は受験勉強。旅行にも一寸行く予定だよ」
「旅行、いいね。でも勉強もしなくちゃね……初詣で合格祈願しようかなあ」
「俺も初詣は行きたい。……一緒に行かないか？」
　ちょっと考えて、あおいは答えました。
「帰省したら向こうの神社に行くけど……でも寝子島の神社にも行きたいね」

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あとがき

担当マスター：茄子りんこ
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ご参加ありがとうございました。
皆様の頑張りで通知表は守られましたが、Ｍｒ．サンタは逃げおおせてしまいました。
今後もどこかに登場するのか、それはまた別の物語。

らっかみ！　タイムも新しい年を迎えました。
今年もどうぞよろしくお願いします。
ご縁がありましたらまたお会いできるのを楽しみにしております。

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