this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
【クリスマス】あなたに会いたい、雪降る聖夜
<< もどる
1
…
22
23
24
25
26
…
31
つぎへ >>
●ステッラ・デッラ・コリーナ~檻
朝鳥 さゆる
はステッラ・デッラ・コリーナの屋内温水プールのプールサイドで、デッキチェアに気だるげに横たわっていた。十代とは思えぬ大人びた肢体。人生の中で楽より苦の多かったであろうことを感じさせる陰のある眼差しが、さゆるを二十代半ばのアンニュイな美女に仕立て上げている。
一年前クリスマスの夜──豪華客船の『アンダーグラウンド・バー』で
片篠藍人
と生き別れてから、ちょうど1年の時が過ぎた。自分の闇をすべて知っていてくれる人。ずっと追い求めている人。彼のことを思い出すと鼻の奥に血と精液の匂いが甦る。破滅的な気分と快感とを同時に遠く思い出させてくれるのは彼だけ――それを愛と呼ぶのか、さゆるは知らない。
夜空を見上げる。
クリスマスイヴの夜。
雪は白く螺旋状に降っている。
外はきっと凍えるほどに寒いのだろう。
だが屋内施設のこのプールでは逆に暑いくらいだ。
水着姿でも、肌に真珠のような汗が湧いてくるほどに。
年齢不相応な美貌と水着姿が魅力的に映ったのだろう、何人かの男性がひとりかと声をかけてくる。
もしもひとりなら一緒に過ごさないかと下心見え見えの声。
今日じゃなければ応えたかもしれなかったが、今はそんな気になれず、目を閉じて無視をする。
本来なら自分はここにいるはずはない存在。
人目を忍び逃れてきた。
誰から?
執拗に自分を求めてくるあの女──週末ごとに部屋にやってきては一日中さゆるの身体ごと快楽を貪る女、
葉利沢 倫理子
の肉体を乗っ取ったMaliceからだ。
「もう、あたしに近づかないで」
そういって別れたあの日
以来、さゆるはMaliceから身を隠している。
会いたくなかった。藍人のことを持ち出され殺しかけた。あのときのMaliceの恍惚とした表情が焼き付いて離れない。どこか自らに似ていて――胸の深い傷に触る。会わないほうがいい。次は……わからない。
それにさゆるがこのプールサイドにいる目的は、もう一つあった。
ここである人物と待ち合わせをしている。
さゆるが雇った、陽の下で堂々と会うのは控えたいとお互いに思うような種類の人だ。
さゆるはその人間にある依頼をした。
片篠藍人の行方の調査である。
養父母の残した財産がこんなとき役に立った。
その調査報告を受けるのが今日、指定されたのがこの場所だったのだ。
約束の時間まであと5分というところでスマホが鳴った。
番号は今日会う予定になっている相手。なのに5分前に電話?
不審に思って出ると、名乗りもせずに、
『――接触を中止する』
と告げられた。
「何かあった?」
『あんたの周りを嗅ぎまわっている女がいる。念のためだ』
「わかったわ。適当な記憶媒体で星ヶ丘の実家に送って」
電話を切ってため息を吐く。何があったのかはすぐに理解した。
自分を嗅ぎまわる女はただ一人。
Malice。
さゆるがデッキチェアから身を起こし、プールの方を凝視する。
すると間もなく、Maliceが水を滴らせながら目の前のプールから上がってきた。
ターコイズブルーのビキニに身を包んだMaliceは、蠱惑的な目つきで濡れた髪を掻き上げる。
その顔に浮かぶのは、揶揄と悪意の微笑。
「あら、奇遇ね。さゆる」
「奇遇? ……白々しい。あたしの周りを嗅ぎまわってたくせに」
「会いたかったのよ」
「殺されかけたくせに?」
「殺されるくらい愛されてるってことでしょう?」
Maliceはさゆるのデッキチェアに近寄って来て、濡れた手でさゆるの顎先に触れる。
「ちょっと苦労しちゃったわ。あなた、隠れるの上手なんだもの」
自分の目の前から消えたさゆるへのMaliceの執着は一方ならぬものだった。
さゆるが藍人を探すためにしたのと同じように、Maliceは寝子島の裏社会にまで接触して情報を収集し、やがてさゆるが星ヶ丘のステッラ・デッラ・コリーナにいることを突き止めたのである。
そして、ここでさゆるの姿を見つけると、ずっと監視を続けていたというわけだ。
「私の目にはさゆるしか映らないの。あなたの目に藍人しか映らないのと同様にね」
けれどどんなに希ってもさゆるの心は自分のものにはならない。
それ故にどうしても。
「諦めきれないのよね……あなたを」
さゆるは顔を背ける。
忌々しい。
Maliceの望みなど知ったことじゃない。
虚ろな自分にどう叶えられるというのか。
そもそも誰かの望みを叶えてやりたいと思うほど、心などない。
なのにMaliceは耳元で囁き、抉ってくるのだ。
「藍人がいなくなったのって1年前の今日でしょ」
「……!」
「疼くでしょう? 違う?」
Maliceはさゆるの手を取り無言で立ち上がらせた。
そのまま更衣室へ向かい、着替えたのちに向かったのはさゆるが取っている部屋であった。
「何故入ってくるの」
「あなたが入って欲しそうにしているから」
勝手に押しかけたMaliceに、唇を押し付けられる。
「欲しい、でしょう?」
欲しいのはMaliceじゃない。
藍人だ。
彼の行方、彼の情報、彼の匂い、彼の手だ。
なのに――流されてしまう。
悪魔のように舌なめずりする強引なMaliceに。
(Malice、どうして私なの)
疑問が熱に上書きされていく。
人の体の創り出す熱を、さゆるの身体が求めてしまっている。
肌触りも這う手の感触も、何もかも藍人とは違うのに、目を閉じれば藍人のことを思い出す。
抱かれながら他の男のことを考えているなんて知ったらMaliceはまた自分を苛むだろう。
(だからなんだというのだろう……)
そう、されたいのだろうか……。
ひどく、自分を罰して欲しい。
そう願う自分もいる。
虚ろになっていく。
(藍人――どこにいるの? 生きているの……? 私は……)
まだ生きている。
生きてしまっている。
あなたではない人の腕の中で。
会いたい。会って――殺してほしい。穢れたこの魂を
息苦しいほどのキスに溺れて失っていく、この私という魂を――あなたに。
「さゆる」
Maliceは呼ぶ。
この醜い世界に繋ぎ止めるように。
「諦めなさい。あなたを手に入れるのは私よ、愛しい子」
そうして交わり溶けていく。
為す術もなく溺れてゆく。
聖なる夜に堕ちてゆく。
かの手は檻? それとも救済――……。
<< もどる
1
…
22
23
24
25
26
…
31
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
【クリスマス】あなたに会いたい、雪降る聖夜
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
5人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
47人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年04月18日
参加申し込みの期限
2020年04月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年04月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!