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【クリスマス】あなたに会いたい、雪降る聖夜
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●ステッラ・デッラ・コリーナ~花二輪
シャンシャン明るいベルの音を背に、
青山 絢
は足早に輝く街を通り過ぎる。
男の子との待ち合わせのために急いでいるわけではない。
同居人で従姉妹の
水谷 真優理
が忘れ物をしたので届けるべく、彼女の職場であるステッラ・デッラ・コリーナへと急いでいるのである。
(真優理さん、忘れ物なんて珍しい)
今日はクリスマスイブ。
ステッラ・デッラ・コリーナのようなホテル業は書き入れ時。
ホテルに来るお客様方にとっては年に一度、人生を変えるかもしれない夜だ。
ホテルで働く者たちとしても、心尽くしのおもてなしでお客様の人生を支えたい。
そんな仕事し甲斐のある日である。
真優理も例に漏れず多忙で、今夜は仕事で職場に泊まりの予定であった。
ならば友達のところに行こうかと支度していた矢先、スマホにかかってきた一本の電話。
「絢ちゃんごめん! まだ家? よかった! 実はさ、持って来てほしいものがあるんだけど……」
仕事に必要なUSBメモリを忘れた、なんて。
普段はともかく、仕事ではしっかりしている方なのに。
(さすがにクリスマスは忙しくていろいろ飛んじゃうのかな)
真優理は寝子島のリゾート地である星ヶ丘でも最大規模のホテルであるステッラ・デッラ・コリーナで、宿泊客のあらゆる要望、案内に対応するコンシェルジュの仕事をしている。
職場では隅々にまで行き届いた心配りができる仕事ぶりで評価は高いようだ。
絢は以前、用事があってステッラ・デッラ・コリーナを訪れた際に何度か真優理さんの仕事ぶりを見たことがあったが、それは尊敬に値するものであったと記憶している。
社会人としては仕事への責任感が強いプロフェッショナル。――それが、真優理の表の顔。
けれど、一方で絢だけが知っている。
真優理はプライベートだとかなり残念なアラサー女子だということを。
(しかも私への愛が溢れすぎて時折暴走気味になる困ったお姉さんでもあるのよね……)
きちりと整った仕事の顔と、家での表情豊かで天真爛漫な顔とを交互に思い浮かべているうちに、ステッラ・デッラ・コリーナにたどり着く。
普段でも煌びやかで厳かなホテルのロビーは、今宵はいつも以上に荘厳で一分の隙もなくクリスマス一色に飾り立てられており、絢は感嘆せずにはいられない。
(何度かこのホテルを訪れたことかがあるけど、やっぱりすごい……)
吹き抜けのロビーに三階くらいの高さのクリスマスツリーがあり、金や銀のオーナメントが品良く飾り付けられていて、高級ホテルにふさわしい佇まいを醸し出している。
絢はしばしうっとり見上げていたが、そうだ、と目的を思い出しフロントへ向かった。
「すみません。水谷真優理をお願いできませんか?」
フロントで真優理を呼び出してもらい、しばらくツリーを見上げながらロビーで待つ。
数分後、コンシェルジュの制服に身を包み、きちりと仕事モードの真優理がよく磨かれた床をハイヒールでコツコツ鳴らして現れた。
「絢ちゃん!」
「真優理さん、お疲れさま。はい、頼まれたもの」
真優理は手渡された封筒の中身が確かに必要なUSBメモリであることを確認すると、ホッとしたような表情になって微笑んだ。
「ありがと」
「どういたしまして」
用を済ませてそのまま帰ろうとする絢の手を、真優理はぱっと掴む。
「絢ちゃんまだ時間ある?」
「? なくはないけど……」
「よかった。ちょうど休憩に入れるから、お礼にここのレストランで夕食をご馳走させて」
真優理が連れて行ってくれたのは、寝子島の夜景を一望できる憧れの最上階のレストランであった。
「真優理さん、いいの? こんな高そうなところ……」
「いいのいいの。私ちゃんと稼いでいるんだから。それに仕事で絢ちゃんとクリスマスを楽しめないって思ってたのに会えたのも嬉しいから。ある意味私へのご褒美よ」
「そういうこと恥ずかしげもなく言っちゃうところが真優理さんというかなんというか……」
照れればいいのか呆れればいいのか、従姉妹としては複雑だ。
ウェイターが運んでくるのは、生ハムと有機野菜の前菜から始まるクリスマスだけの極上ディナー。
絢は未成年だし真優理はこのあとも仕事があるのでシャンパンとはいかないものの、よく似た色合いのノンアルコールドリンクで乾杯。
メインディッシュは香草の乗ったローストチキンで、心の底から、
「おいしい」
の言葉がこぼれる。
ああ寧ろ、それ以上の言葉は不要とすらいえよう。
この美味しさを、この時間を、絢と二人で楽しめる喜びに、真優理は感じ入ってしまう。
デザートは、ガトーショコラアイスクリーム添え。
コーヒーとともに頂きながら、真優理は将来のことに話題を振った。
「絢ちゃん、将来(さき)のことって考えてる?」
「そりゃあ、少しは、ね……」
「やっぱり芝居の道?」
絢は一瞬逡巡したのち頷いた。
絢が女優志望なのはわかっていたが、変わっていないようだ。
なら。
すこし受け身のところがある絢だから。
大人として、すこし導くことも必要かもしれない。
真優理は絢にだけ見せる素の顔を封印し、社会人の顔で問う。
「高校を出たら演劇学科のある大学へ行くのか、大手劇団が運営する演劇学校へ入るのか……って考えたりしている?」
「それは……考えないわけじゃないけれど、具体的なところはまだ……」
「おいおい考えて、調べたりしてゆくといいかもしれないわね。それにもう一つ……避けては通れないことがあるのも、分っているわよね? あなたの保護者は名目上まだあの人だから……」
絢は数年前に母と死別している。
問題は生きている父だ。母が亡くなって間も無く父は別の女性と再婚してしまった。しかもそのとき相手の女性は妊娠していたという事実が示す裏切りが理解できぬほど絢は子どもではなかった。
今、父と離れ、真優理を保護者のようにして暮らしているのにはこのような訳があるのである。
(父親には娘に対する責任があると、私は思う……)
そして絢も、父と対峙せずに自らの道を進むことはおそらくできないだろう。
演技という、自らの内と向き合う仕事をしたいと願うなら、尚のことだ。
「今すぐに決めるべきではないにしろ、いずれ向き合うことになると思うわ……」
絢の顔が曇る。こういう顔を見たいわけではない。
だが今、言葉をかけておくことで絢はきっと準備ができる。
未来の絢を守るために、敢えてかける厳しい言葉。
「よく考えなさい」
大丈夫。
絢なら向き合える。
父という大きな壁を乗り越え、夢を掴むと。――父とのことが、きっと糧にすらなると。
飲み干したコーヒーは苦い。
けれど気が引き締まる。
絢の頭を撫で、微笑んでみせる。
彼女にだけ見せる素の顔で。
「私は絢ちゃんのこと、信じてるよ」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
5人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
47人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年04月18日
参加申し込みの期限
2020年04月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年04月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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