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【クリスマス】あなたに会いたい、雪降る聖夜
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●エピローグ~あなたに会えて嬉しい
25日の朝。
若き小児科医の
志鷹 若菜
はいつものように寝子島総合病院に出勤する。
クリスマスは病院にとってもすこしだけ特別な日だ。
いつもなら早足で過ぎる廊下。
でも今日は掲示板に貼られたプリントの前ですこしだけ足を止める。
小児病棟で行われるプラネタリウムの鑑賞会のお知らせだ。
これは外出できない闘病中の子供達へ、聖夜に美しい星空を贈りたいという思いから、若菜自らが提案した移動式プラネタリウムの鑑賞会だった。
若菜の脳裏に、入院中の子どもたちの顔が次々に浮かび、自然と口元がほころぶ。
(闘病中の子供達、それを支える親御さん、共に働くスタッフ達が少しでも癒やされ、心に残る一日となりますように)
袖を通し慣れた白衣を纏い、緩く波打つ黒髪を邪魔にならないようにまとめ上げる。
朝の回診と外来診療を行い、鑑賞会が開始したのは午後。
(ああ、よかった。皆わくわくした顔をしている)
まだ鑑賞会は始まっていないのに、若菜はもう、この企画を提案した自分を褒めたい気持ちになっていた。
プラネタリウムの開始に先んじて、サンタに扮したスタッフたちとともに子ども達と親御さんへ、星型とサンタが描かれたクッキーをプレゼントすると、病など忘れたかのようなきゃっきゃと甲高い笑い声が部屋の中に満ちる。
「わかな先生、ありがとー!」
若菜はサンタ姿のスタッフたちと顔を見合わせて微笑んだ。
この喜びをプレゼントしたかったのだ。
素直に、楽しい嬉しいと感じる時間が、この子たちにとってどれほど貴重なものかを若菜は知っている。
「さあみんな。プラネタリウムがはじまるよ」
声をかけるとスタッフの一人が部屋の灯りを消した。
暗くなった瞬間、子どもたちが不安げにざわりとしたのも束の間、部屋中に満天の星が投影されると、
「わあ……!」
と歓声が広がった。
「お星様!」
「キレイ!!」
ひとつめは星座の物語。
今は冬だから、日が暮れてから夜が明けるまでの冬の星座を紹介してゆく。
それから、神話にあるハチドリの物語が始まった。
星空が消え、暗闇に包まれた部屋に一羽のハチドリが現れ、柔らかい声が語り出す。
あるとき森が火事になりました。
動物たちが我先にと逃げる中、ハチドリだけがそこに残って、くちばしに一滴ずつ水を含んでは、燃え盛る森の上にと落していきました。
動物たちはハチドリを馬鹿にして言いました。
『そんなことで森の火が消えるとでも思っているのかね』
ハチドリは答えました。
『私は、私にできることをしているだけ』
子どもたちはしんとして夜空の物語に釘付けになっている。
ハチドリがくちばしに含んだ水のしずくで星々に輝きを与えると、真っ暗だった夜空に明かりが戻ってゆく。
宝玉のような綺麗な羽に星の光を纏い、優雅に星空を飛んでゆき――夜が明けた。
若菜は夢から醒めたように息を呑んだ。物語の中に入り込んでいた。
『私は、私にできることをしているだけ』
その台詞が胸に残っている。
(私もそう)
私は、私にできることをしているだけ。
(ハチドリは幸運を象徴し、苦痛や悲しみを癒やす鳥と聞いた事がある。小児科には病や怪我だけではなく、心に傷を負った子もいる。私もそんな子供達と大切な人の心の夜空に明かりを灯し、癒やせる。そんな存在になれたらいいな……)
鑑賞後は病室から出られない子の元へ行き、同様に星空を見せてあげ鑑賞会は無事終了。
スタッフたちと成功を喜び合いながら廊下を歩いていると、弟で救急医でもある
志鷹 佑都
の姿を見かけた。
その手には売店の袋。
(もう15時過ぎだけど今からお昼なのかな……お疲れさま、佑都)
◇
若菜の双子の弟である佑都の目の下には隈ができていた。
24日の朝から連続勤務中で救急外来、病棟急変対応で当直中は殆ど睡眠が取れず、雪が積もり始めてからは事故や怪我が多発し、日が変わって25日になってからは搬送者が普段よりも増え、早朝から急患の診療に追われていたためだ。
イブもクリスマスも現実味がなく、どこか遠い国のおとぎ話のように思えてしまう。
救急外来、ICUで重症患者の治療を終え、気づけば15時を過ぎていた。
院内の売店でおにぎりとサンドイッチを買って来て、休憩室にて、同い年で同期の友人である男性医師や一つ年下の女性看護師と、遅めの昼食を摂る。
遠いおとぎ話だったとしても、クリスマスだ。
友人と看護師は話題は自然と子供の頃のクリスマスの思い出話に花を咲かせはじめる。
「な、サンタっていつまで信じてた?」
「小学生までかしら。私、サンタさんに電話までしてたのよ」
「親がサンタのフリして電話に出てたのかい?」
「そう。でも私、全然気づかなくて」
「ふふ、君らしいね」
二人の会話に混じると、友人が水を向けてきた。
「そういう佑都はクリスマスの思い出は?」
「そうだな……」
思い出を遡るのに時間がかかる。
「社会人になってからはクリスマスを楽しむ余裕はなくなってしまったけれど、子供の頃は家族でツリーを飾って、きょうだいでケーキを作って母の手料理を食べるのがとても楽しみだったな……」
「へえ、素敵ね」
「クリスマスを楽しむ余裕がないってとこが、悲しいよな」
クリスマスなのに三人とも売店のおにぎりやサンドイッチ。手作りケーキには程遠い日常。
「クリスマスを家で過ごすなんて、夢のまた夢」
はは、と笑い合って、束の間の穏やかな休憩を終え、病棟回診へ出る。
それが自分たちの今だ。
◇
佑都が残りの業務をこなしていた21時30分過ぎ、ホットラインが鳴った。
「はい。……はい、患者は30代の妊婦、自宅で突然破水。わかりました」
ナースステーションが慌ただしくなる。
佑都はあれこれスタッフに指示する合間に、ある番号をコールした。
「若菜、急患。……うん、そう。破水してるって。来れる? ……頼む」
程なくして救急車が到着する。
若菜も間を置かず、支度をして現れた。
「佑都お疲れさま。容態は?」
「予定日より早い。しかも逆子だ」
診察後、手術室に入り緊急帝王切開が開始される。
「大丈夫、きっとこの子、聖夜に生まれたかったのよ」
生まれ来る子の望みをかなえてあげようと、執刀医が言った。
佑都が助手を務め若菜も立ち会う。
手術は成功。
若菜がすぐさま診察する。赤ちゃんは無事だ。
「おめでとうございます」
「元気な赤ちゃんですよ。頑張りましたね」
産声を上げた子を母親となった女性の胸の上に抱かせ、佑都と若菜はふたりで女性の健闘を称えるように声をかけると、女性の瞳から大粒の涙が零して微笑んだ。
「やっと会えた……」
聖夜に産まれた小さな命。
この夜に、会いたい人がいて、生まれたがっていた命。
産婦人科医時代に小さな命の死を何度も見てきた。
だからこそこうして命の生まれ出ずる奇跡に、安堵し、なにか運命のようなものへの感謝が溢れてくる。
「無事に生まれてきてくれて、良かったですね。お母さん」
「おかあ……さん」
母となった人の瞳からさらに涙が溢れた。若菜の瞳も、つられて潤む。
「赤ちゃんは少し呼吸が浅いため大事をとってNICUでしばらく過ごすようにしますね」
うなずく母親から、優しく赤ちゃんを抱き上げると、身体を清め保育器へと移す。
その晩遅く、佑都と若菜は保育器の中で必死に生きようとする小さな命を見にいった。
「本当によかった……」
若菜の零す声は安堵の色。
緊張の糸が解けたように止めどなく温かい涙が溢れてくる。
佑都は姉の隣りに立ち、涙の理由と想いを察し、姉の肩を優しく抱いた。
「よい夜だよ、今夜は」
「そうだね……よい夜だね、とても」
あなたに会いたい、雪降る聖夜。
あなたに会えて嬉しい。心からそう思う。
星々のような安らかな光が、今宵生まれた新たな命を、優しく包みますように――。
<了>
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あとがき
担当マスター:
笈地 行
ファンレターはマスターページから!
ご参加ありがとうございました。ゲームマスターを務めさせていただきました笈地です。
みなさんの素敵なクリスマス、堪能させていただきました。
執筆の際、最初のページのあとすぐに最後のページを書いて、
そのあと間を埋めていくタイプなので
今回のラストページを執筆したのは4月末だったのですが
書きながら医療関係の方への感謝の気持ちが溢れてきたのを覚えています。
プレイヤーの皆様で医療などに従事なさってる方がいらっしゃいすまでしょうか。
お身体に気を付けてお仕事頑張ってください。
おっとここで、サンタ姿の桜栄 あずさ理事長と雨宮 草太郎校長から
プレゼント交換会について一言あるそうです。
「ハーイ、元気?
みんなのサンタ、あずさと草太郎よ!
みんなの元にプレゼントを届けたからお楽しみにね~!」
「ほっほっほ、メリークリスマス。チャオ☆」
ということで、参加した方は個別コメントを見てみてね!
今回シナリオに登場したNPCの中から寝子島在住の
野々 ののこさん、七夜 あおいさん、五十嵐 尚輝さん、寝子 サンマさん、浜 マンボウさん
も参加しています。
誰のプレゼントが誰に渡ったでしょうか?
お礼など伝えたい方は、コメントページも利用してくださいね~。
それではまたお会いしましょう。笈地でした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
5人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
47人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年04月18日
参加申し込みの期限
2020年04月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年04月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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