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【星幽塔】第一階層 星の明かりの仮面舞踏会
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【トラブル発生!】
たん、たん、たん、たん。たん、たん、たん、たん。四拍子のリズムに乗って、
水上 桜
とアインはステップを。
といっても桜はダンス初心者ですもので、アインのリードにおんぶにだっこです。
「と、と……けっこう難しいじゃない。あなたはお上手なのね?」
「父がたびたび、こうした舞踏会を催すもので。ご婦人方に無様な踊りは見せられませんからね」
ぱちり、仮面の奥でウィンク。紳士的で、なかなか茶目っ気もある人物のようです。
(今のところは、ね……でもまだまだ。フォルカにふさわしい相手かどうか、試させてもらうわ)
そう、目的は彼とダンスに興じることではなく、彼を見極めることなのです。
きらり! 桜の瞳が輝きます。
「きゃあっ!? つまずいちゃったわーーー」
バランスを崩して、おっとっと! もちろんわざとです。彼の反応を引き出し、本質を見るための作戦なのです。
「おっと」
「わ……」
ふわり。アインは躊躇いもなく桜の背へ手を添えて、力強く支えてくれました。
「失礼、足がもつれてしまいました。私もまだまだですね」
「えっ? 今のは私が……」
ぴ、と人差し指を立て、しーっ。周囲にはもちろんたくさんのダンスに興じる人々がおり、彼らの目からアインは桜をかばってくれたのでした。
(へえ。やるじゃない)
厳しい桜審査も、今のところは合格点! といったところ。
(けど、まだまだ裏の顔は分からないわよね?)
ちらと見上げれば、宙にはふたりの少女ゴーストがぷかぷかぷかり、浮かんでおりました。
ゴーストですけれど、物には触れます。けれどなぜだか、壁は通り抜けることができました。
「ヘンなの!」
「ふふ、でも楽しいですねメリィちゃん!」
「うんうん! たーのしー!」
メリィ・ランページ
と
リリエル・エーテライト
はふわりふわりと浮かび、時に身を翻し、時に逆さまになって、時にポルターガイストよろしくグラスを浮かべてみたり……しばしゴースト・ライフを堪能しました。せっかくの機会ですし、楽しまなきゃソンですものね!
とはいえ本日は、お仕事であります。
「それじゃ、お城に住んでいるゴーストさんのフリをして、情報収集しましょう!」
「おーっ! がんばリリエル、だね♪」
「はいっ♪」
ふたりはトレイにお料理やらお酒やらを乗せると、びゅーん! 古城の中を飛び回り、給仕しながら噂話に耳をそばだてます。メリィは時おり、おっとっと! とグラスの中身をこぼしそうになったりしておりますけれど、リリエルはBarアストラルで配膳をすることもあり、お手のものです。
あっちへワインを配り、こっちにローストビーフを配り、くるくるくると飛び回っておりますと。
「は~っ。素敵よねぇ……アインさま」
「ほんとほんと」
「「!」」
件のお相手、アインについての噂に遭遇!
「リリエル、こっちこっち」
「はいっ」
すすすすす。ふたりは壁の向こうに潜んで、耳だけを出して聞き耳を立てます。なんて便利なゴーストボディでしょう。
噂をしているのは、どうやら妙齢のご婦人方のようです。
「きりりと凛々しいお顔。鋭い眼光……ああ、捕食されたい」
「でもチャーミングなところもあるのよね、彼。お話が面白くて、全然退屈しないの」
「さりげない気配りも高ポイントよね~」
「ダンスもお上手なの!」
「でも、ちょっとドンカンなのが玉に瑕かしら……気づいて、私たちの想い~!」
「そういえば、聞いた? アインさま、近頃どこぞの女にお熱だそうよ」
「ええーっ、うっそー!? ショック~!」
……とまあ、かしましいこと。
ともあれ話を聞くに、どうやら彼は多くの人々に慕われる好人物であるようです。
先ほど桜とダンスに興じていた様子や、噂を総括すれば、
「うん。なんか、イイ人そうだね?」
「そうですね!」
ふと。
「あ、いたいた! ねえ、ちょっと来てくれない?」
ふたりを呼んだのは、ダンスを一曲踊り終えた桜でした。
「お疲れさまです! どうしたんですか?」
「私もいろいろ情報を集めて回ってたんだけどね……ちょっと気になる連中がいるのよね」
桜の案内でホールを出ると、廊下の片隅に、なにやら数人の男たちが集まっています。いずれも仮面をつけていて、舞踏会に招かれた客のようです。
ただ、男たちはなんだかこそこそとしていて、周りを気にしつつ、ぽそりぽそりと密談を交わしているようにも見えました。
「あ、怪しいです……!」
「でしょ? 今のあなたたちなら、なにを話してるか盗み聞きできるかなって」
「そーいうことなら、あたしが行ってくるね!」
言うが早いか、メリィはぴゅーん!
ゴーストボディを活かして床下に潜み、ぴょこんっと耳だけを出しました。すると、
「……そろそろだな。手筈は完璧だな?」
「もちろんだ、抜かりはない」
「よし。マクブライドの野郎、目にもの見せてやるぜ」
「情けはかけるな。あいつはやりすぎたんだ。せめて、ひと思いに殺してやれ」
「……!!」
交わされる不穏な言葉。メリィはリリエルと桜のもとへ、慌てて飛んで返ります。
どうやら、トラブルの予感……!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
コメディ
SF・ファンタジー
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
6人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年03月25日
参加申し込みの期限
2020年04月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年04月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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