風呂の日？｜リアクション

風呂の日？

　白真白は薬局に訪れた。必要な物を手早く買い物かごに入れる。ハードコンタクトレンズ用の洗浄液のボトルに目を留めた。
「これは義眼にいいんだよね」
　手に取ってレジへと向かう。清算の合間に目が横に流れた。詰まれた箱の値札を見て僅かに表情が動いた。
　その様子に気付いた店員はにっこりと微笑む。
「お客様、そちらの入浴剤は二十六日の風呂の日を記念して、大変、お求め易い値段になっております。お一つ、いかがでしょうか」
「そうね。じゃあ、これも」
「お買い上げ、ありがとうございます」
　店員は並べられた箱を加えた。
　支払いを済ませた真白はビニール袋を提げて薬局を出た。
「わ、寒いって！」
　着ていたパーカーのフードを被る。兎の耳が垂れ下がり、イヤーマフラーのようだった。それとは別に首に巻いていたマフラーをしっかりと結び直す。自身がプレゼントというように蝶結びにした。
「早く帰ろう」
　フリルの付いたスカートを撥ね上げて走る。
　シーサイドタウンの実家に帰り着いた。誰もいないかのように全ての窓が暗い。真白は気に留めず、玄関の鍵を開けて家の中に入っていった。
「なんか寒いわ」
　足早に歩いて風呂場に直行した。手に提げていたビニール袋は洗面台に置いた。
　真白は浴室に踏み込むと透かさず浴槽に栓をした。早速、湯を注ぎ込む。
　脱衣場に戻って服を脱ぎ始める。ブラジャーを外すと解放感に喜ぶかのように胸が弾んだ。現れた谷間に指を差し込む。
「こんな日でも汗が出るのよね」
　少しの愚痴を零してスカートを下ろす。ショーツを脱いでおむつ姿になった。横のテープを外してゆっくりと剥ぎ取る。
　一度、おむつの中を見て渋い表情となった。専用のごみ箱のペダルを踏んで、開いたそこに丸めた状態で落とす。
「ふぅ～、なんかすっきりした」
　ツインテールのリボンを解いた。長細いタオルを手にして浴室に入る。
　立った状態で入念にシャワーを浴びた。足先でそっと椅子を引き寄せて座った。タオルにボディーソープを掛けて手早く泡立てる。
　泡に塗れたタオルを胸の谷間に押し込んだ。丁寧に擦って下に抜ける。今度は持ち上げるようにして擦った。二つの丸い隆起は様々に形を変えて、大きく弾んで元に戻る。
　身体を隈なく洗ってシャワーで洗い流す。
「さっぱりしたわ」
　真白は長い髪に取り掛かる。頭を下げた状態で髪全体を濡らす。掌に受けたシャンプーを頭に塗り付けて爪を立てないようにして指先で洗う。徐々に手を下ろし、両手で挟んだ髪を擦り合わせた。毛先まで手を抜かない。
　最後はシャワーで綺麗に洗い流した。同じような工程でリンスを済ませ、長い髪を束ねて頭の上で結んだ。
「そうよ」
　一言で脱衣場にいくと買ってきた箱を開けた。適当に中の袋を引き抜く。北の名湯の表記に笑みが浮かぶ。
　いそいそと戻って浴槽に中身を注ぎ込む。
「どうかな」
　手で湯を掻き混ぜるとオレンジ色に変わった。
　真白は湯に浸かる。その状態で大きく息を吸い込んだ。
「硫黄かな。身体に良さそう」
　両手を緩やかに湯にくぐらせる。豊かな胸は湯面に浮いて戯れるように揺れた。
「お湯の中だと、軽くていいんだけどね」
　真白は浴槽に背中を預けた。天井をぼんやりと眺める。手足を伸ばして湯の中に溶け込むような時間を過ごした。
「……こんな温泉なら、行ってみたいなぁ」
　長風呂を大いに楽しんだ。身体の芯から温まったところで髪の結び目を解いて上がった。
　バスタオルで全身を拭いた。新しいおむつを当てたあと、薄いベールのようなベビードール姿となった。
　真白は洗面台に置かれたドライヤーを手にする。
「長い髪はあとが大変なんだよね」
　苦笑しながらも軽い手付きで髪を乾かしていった。

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あとがき

担当マスター：黒羽カラス
ファンレターはマスターページから！

　空が青くて、風の冷たい日はやっぱりお風呂ですよね。
　シナリオの日曜日は二十六日ではないのですが。
　それでも地域の人達はがんばりました！
　旺盛なサービス精神で人々に素敵な笑顔を届けました。

　この記念日は根付くのでしょうか。
　私にもわかりませんが、心に与える一服の清涼剤として、
　折を見てシナリオで書いてもいいかもしれません。

　今回もお付き合いいただき、ありがとうございました。
　シナリオに参加したことで皆さんの心身がリフレッシュ、
　となれば嬉しい限りです。

　ご参加、本当にありがとうございました。

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