携帯戦記カプセルギア　第五話「対決！シルエット・オブ・ギア」｜リアクション

携帯戦記カプセルギア　第五話「対決！シルエット・オブ・ギア」

【藍より青し】

　公園のあちこちで黒いカプセルギア――シルエット・オブ・ギアと子供達との戦いが始まりました。
「皆、黒いメイジンダーは私が何とかする！　皆は自分自身や友達のギアを守るんだ！」
　MEIJINがノーマルヘッドのマスク越しに大きな声で叫ぶと、子供達からは「はーい！」と元気な返事が返ってきます。
　公園にいるほとんどの子供達にとって、これは楽しいイベントの一部でした。
　しかし、カプギアにまつわるいくつもの事件に関わってきた子供達にとって、これはただのイベントではありません。
　事件に関わった少年少女達は、こうした事件が、暴走や、攻撃の実体化などの危険な事態に発展しかねないことを知っています。
　そんなに彼らにとって、これはまさに自分自身との真剣勝負なのです。
　そのはずでしたが……。
「わあ。ラズちゃんのシルエットかねぇ」
　うさぎのぬいぐるみをモチーフにしたギア――ラズちゃんはシルエットになっても可愛らしく、持ち主である曖浜瑠樹くんも思わず和みかけます。
　しかし、そこにワラワラと黒いチェスの駒型のギアまで一緒になって現れ、瑠樹くんもびっくり仰天。
（……って、和んでる場合じゃないよぉ……！）
　慌ててA.I.C.O.を立ち上げて、瑠樹くんはラズちゃんのシルエットと配下のチェスの駒に立ち向かいました。
　ラズちゃんのシルエットは、ジグザグにぴょんぴょんと飛びまわりながら、わっかビームを発射！
　可愛いらしい見た目とは裏腹に、非常に攻撃的かつアクティブに瑠樹くんのラズちゃんに攻めかかります。
「な、なんか、オ、オレのラズちゃんより速くてビームもおっきい気がするよぉ……！？」
　慌ててラズちゃんに回避行動を取らせつつ、瑠樹くんは考えます。
（チェスの駒の数を減らしたいけど、シルエットのラズちゃんも強いねぇ……。性能が向こうの方が上なら、弱点を突かないと駄目かなぁ……）
　そこで、瑠樹くんは相棒のラズちゃんの弱点を思い出そうとします。