携帯戦記カプセルギア　第五話「対決！シルエット・オブ・ギア」｜リアクション

携帯戦記カプセルギア　第五話「対決！シルエット・オブ・ギア」

【光陰矢のごとし】

　人は時の流れに従って、成長し、変化をしていきます。
　その成長速度は多感な年頃の少年少女ほど早く、そして目まぐるしいもの。
　それは彼らのパートナーであるカプセルギアにとっても同じことが言えます。

「私の敵は以前の愛機ですか」
　大江戸マンモスさんのギア――「ぐれーと☆まんもす」は、幾度かの改良を経て、高速戦闘型の完成形「すたんぴーど☆まんもす」に進化していました。
　対して、今マンモスさんの目の前に現れたシルエットは、もっとも古い形態である無印の「ぐれーと☆まんもす」の状態のまま。
　シルエットは、チェスの駒型のギアを配下に連れてはいましたが、あくまでもメインはシルエットの「ぐれーと☆まんもす」。
　奇しくも、新旧機体同士の決戦となったこの戦いに、マンモスさんのギアマスターとしての闘志は高まります。
（以前、「高機動型ぐれーと☆まんもす」を使ってみて以来、何度も練習を重ね高機動戦闘をものにしました。かつての愛機を倒し、その魂を受け継いだことを証明してみせるですよ！）
　次の瞬間、シルエットの「ぐれーと☆まんもす」が両腕のガトリングガンを連射して、猛然と攻撃を開始しました。
　高火力が武器の「ぐれーと☆まんもす」のガトリング弾は激しいエフェクト音を響かせながら、配下のチェスの駒さえも巻き添えにしつつ「すたんぴーど☆まんもす」に殺到！
　マンモスさんは反応できています。
　すたんぴーど☆まんもすは、ボディのスラスターを噴射してガトリングガンを回避。
かつての愛機だからこそ、「ぐれーと☆まんもす」の射程や、旋回力の限界を彼女はよく理解していました。
しかし、どうやらシルエットは元の機体よりも能力が底上げされている様子。
（油断は禁物。まずは相手の能力の把握に努めますよ！）
　そこで、マンモスさんはひとまず回避行動に専念。
シルエットの性能を見極めつつ、隙を見て左腕の多目的ランチャーからトリモチ弾を発射していきます。
（威力は上がっていても基本は同じ。ならば、弱点も同じはずです）
　それに対し、シルエットはボディのコンテナ部分から無数の小型ミサイルを発射して応戦してきます。
「……！」
　慌ててマンモスさんは「すたんぴーど☆まんもす」の右腕短機関銃でミサイルを迎撃して応戦。
納豆のように糸を引きながら迫るミサイルの雨を、ホバーとスラスターを全開にして気合で回避していきます。
（……ミサイルの雨、自分が食らうとあまりの数に結構ビビりますね）
　しかも、その航続距離や威力は元の「ぐれーと☆まんもす」よりも強化されているようでした。
（……長期戦は不利。ならば、隙を突いて懐に突っ込んで一撃必殺です！）
　戦略は組み上がりました。
　かくして、マンモスさんは反撃の機会を窺い、辛抱強く回避行動を続けます。

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