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膝をかかえて、空を見上げて
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さむーいふゆがきたのれす。
れも、おもったほどさむくなかったのれす。
ということもあって、
見帰り沼の コトコ
は安心して冬の寝子島にやってきた。
「とー、またしょーがくしぇーのかっこ、してみたれす」
水色のランドセルに黄色い帽子、手には上履き入れ、スカートから大きなオタマジャクシの尻尾がのぞいているけどそこはご愛敬だ。
といっても、コトコは遊びに来たわけではない。
「あにょばしょに、いってみうれす!」
それは以前、夏の日に人間の男の子に会った場所。
男の子はカタツムリが冬眠するということを知らず、ウインターシーズンは『でんでん虫の国』なる王国に避寒に言っていると主張していた。
少年は『桐太(とうた)』と名乗っていた。それ以外は、なにもわからない。住んでいる場所も。
よくわからないが悪い予感がして、もう少し具体的に言うならばあの子に会わなければならないという気がして、コトコは島にやってきたのである。
コトコが目星を付けた場所は、以前とは光景が一変していた。
「うー、このへんらったはずれす」
おはにゃも、くしゃも、じぇーんぶかれちゃったれすね――。
人間なら建物の所在で道を覚えるのだろうが、コトコにとってのランドマークは草花だ。冬になりその多くが枯れてしまったので、まったく見知らぬ土地にしか見えなかった。
とぼとぼ歩く。舗装された道はコトコになにも教えてはくれないし、ブロック塀も声をかけてきたりはしない。
ところが意外なものが、コトコに道を示してくれた。
「あっ!」
みつけたれす、と指さす。
「ぴかぴかしてうの!」
コトコのいう『ぴかぴか』、それはカーブミラーだった。そびえ立ち太陽光を反射している姿は、見間違いようのない目印である。
「ここれ、まちがいないれす!」
かくしてコトコは、
比嘉 桐太
(ひが・とうた)と出会った場所を見つけ出したのである。
木造の古びたアパート、数十年前の世界からタイムスリップしてきたような建物だが、コトコにそんな感傷はない。彼女の心を動かしたのは、その軒先に座る少年の姿だった。
「れんれんむしのにーに!」
えっ、と桐太は顔を上げた。
「とー、またにぇいわれたからきたれす!」
ぶんぶんとコトコは手を振ったが、桐太は弱々しく応じただけだった。
「たしか、夏の……」
「はいれす! きょーは『とーみん』してうれんれんむし、さがしゅれすお!」
「そうなの?」
桐太は浮かぬ顔だが、コトコは彼の手を取る。
「とー、いーぱいしらべちぇきましちゃかりゃね! いくれす!」
桐太に真実を知らせたい、そんな責任感でいっぱいだった。
近くの公園、砂場にも滑り台にも、誰ひとりとして姿はない。でもコトコは遊具には目もくれない。
「れんれんむしのとーみん、みたいれしょ?」
ここではじめて桐太の目に、キラッと光が宿るのがわかった。
「冬眠? あれは作りばなしだろ?」
だが枯葉が積もっているあたりに、コトコはしゃがみこんだ。
「さがすのれすお! おちたはっぱっぱのしたに、いるらしーれすけろ!」
「スカートからなんか出てるよ!?」
さすがに目についたらしい、桐太は指さすのだが、
「しっぽれす。きにしないきにしない」
平然とコトコが返したので、そういうものかと思ったようで、それ以上追求しなかった。それよりも桐太が反応したのは、
「あたー!」
ガサガサと落ち葉をかきわけ、コトコが上げた声だった。
「ほりゃ、れんれんむし! とーのゆーたとーりれすお!」
なるほど葉の裏の地面に、隠れるようにしてカタツムリの殻が張り付いている。
「これ、とーみん! れんれんむしのとーみん!」
「これ死んでるんじゃないの?」
桐太は半信半疑の様子だったが、三つも四つも見つけるに至って認めるしかなくなったようだ。
「……冬眠、みたいだね」
ふへん! とコトコは勢いよく鼻息を吹いた。
「おみそしまったれすか!」
「おみそ? ああ、おみそれしました……なんて言わないよー」
ぺろっと桐太は舌を出した。
「とっくに知ってたもんね。ぼく、あれから図書館でしらべたもん!」
「モガー!」
なんと桐太は調査したというではないか。でもまあ、コトコに刺激を受けて調査する気になったわけだから、知識を得たのはコトコのおかげと言っても過言ではないだろう――と、そこまで具体的に考えたわけではないが、とりあえずコトコは機嫌を直し、
「れんれんむし、あちゅくても『とーみん』するんれすお」
カタツムリのついた葉っぱを元に戻したのだった。
「あちゅくても、さみゅくても『とーみん』すうのおもしろいれす。とーもあっちゅいと、うごくにょやーれすから、きもちわかうれす。
れんれんむしのにーにはのーれすか?」
「ぼく? ぼくは……」
ここでプヒーと表現したくなるようなラッパの音が響き渡った。
軽トラックがゆっくり移動している。『石焼き芋』と書かれた提灯がさがっており、ラッパに続いてアナウンスも聞こえた。甘い香りも流れてくる。
「いしあきーも? おいしそーにゃにおい、すうれす」
スーハーと香りを吸い込んでいたコトコだが、我慢できなくなったのか、トラックに向かって駆け出した。
「かうれす-!」
「買う、って。ぼくお金ないよ」
しかし心配は無用だった。ポケットに手を入れたコトコは、手品みたいにそこから、キラキラ光る硬貨を取り出したからだ。
「おぢちゃ、こえれいーぱいくだしゃい!」
いーっぱい、とはいかなかったが、分けて食べられる程度には買うことができた。
公園のベンチに戻って、新聞紙でくるんだ芋をふうふうと吹く。
「いっしょにたべうれす!」
「いいの? ありがとう」
芋はきれいに焼けていて、皮なんてパリパリで折り紙みたいだ。ホクホク湯気の出ているやつを、熱い熱いと言いながら食べる。
「いっしょごはん、おいしーれすね?」
「うんっ」
でもどうして、と桐太は言った。
「会いに来てくれたの? ぼくがもうすぐ、引っこすから?」
「ひっこし、れすか?」
「お母さんが自殺、しそうになってね。心の病気のひとのセンター、ってところに入ることになったんだ。ぼく、しばらく下の階のおねえちゃんと住んでたんだけど、お姉ちゃんは親せきでもなんでもないから、ぼくも『しせつ』っていうところに行くことになったんだ」
ぼくさびしくないよ、と桐太は言ったが、嘘をついていることくらいコトコにもわかった。
「しせつで友だち、作るんだ。本もいっぱいあるそうだよ。お母さんもいつかセンターから出られるし、そうしたらまたいっしょに住めるよ」
「しせつ……?」
桐太の言っていることが、コトコにはあまりわからなかった。
でも……このままじゃいけない、という気がした。
あっ、と小さく声を上げてコトコは立ち上がる。
「にーに、とー、かえうじかんれす」
「うん。バイバイ。おいもをありがとう。そういえば、名前なんていうの?」
「とここ」
「こここ?」
「ちなうれす、こちょこ!」
「ととと?」
「モガー! ちなう! こえ、こえ、とーのにゃまえ!」
コトコが上履き入れのワッペンをめくり上げると、そこには『みぬまことこ』と書いてあった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年02月03日
参加申し込みの期限
2020年02月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年02月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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