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膝をかかえて、空を見上げて
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期せずして冬眠の途中で目ざめた小動物というのは。こういう感傷を抱くのではないか――そんな風に思った。
湿り気を帯び、ひたすらに重い目覚めだった。
全身を覆うのは、泥のような苦と快の入り混じった感覚。
深海の底からゆっくりと浮かび上がるような浮遊感。
肌を刺すのは柔らかな日差し。
気怠い。
それはいつものこと。
一度たりとも、目覚めが清々しかったことなどないのだから。
暗い眠りの洞穴から、投げ出されるようにして
朝鳥 さゆる
は目ざめた。
ゆっくりと上半身を起こす。絹のシーツが滑り落ちる。
目覚めた場所はホテルの部屋でも、長らく住んでいる片篠藍人のワンルームマンションでもなかった。
誰かの部屋の、誰かのベッドの上だ。あまり大きくはない。
時間などわからなかった。朝だとは思うが、朝の何時だかわからない。窓の外にフラッシュが焚かれているだけの、真夜中であるかもしれなかった。
さゆるは戸惑ったりしない。見ず知らずの誰かの部屋で目が覚めるのは、彼女にとっては珍しいことでもなかったからだ。
首を巡らせるまでもない。自分ではない温度と匂いには気がついていた。
自分に白い背中を向けて眠るのは……
まみ子
だ。
幼い。自分と同年代、下手をすると幼いとすら思えるまっすぐなライン、けれどもどこか、疲れたような気配をまとっている。
ということは、ここはまみ子の部屋ということか。
さゆるにはよくわからないが、アニメキャラクターのフィギュアと思しきもものが本棚に飾られている。しかも、大量に。そもそも棚の本も漫画やライトノベルのようなものばかりだ。
昨夜さゆるは、部屋を出たのだった。
週末ごとにやってくる女が鬱陶しくて、寝起きしている片篠藍人の部屋から離れた。戸口に『彼女』が立てば、追い返せるという自信がなかったから。
だからといって行く場所があるだけではない。夜の街に出かけ、一夜限りの宿を求めるはたやすかったが、気が進まなかった。
とある公園のベンチでぼんやりと時間を送っているとき、さゆるはまみ子と出会ったのである。
「なにしてるのよ」
煙草とアルコール、疲労と夜の匂いと漂わせそれを隠そうともせずまみ子は言った。ツインテールの髪型、コートの下にロリータ系の服を着ているものの、氷のように冷たい目をしている。
「こんなところで、こんな時間に」
「どんな時間……?」
さゆるには時間の感覚がなかった。
「あなんたみたいな子が、ひとりでいるにはふさわしくない時間!」
怒ったようにまみ子は告げると、さゆるの腕を取って強引にベンチから立ち上がらせた。
「来なさい」
歩き出す。さゆるは引かれるままに従う。
しかしその一方で、言った。
「どうして」
まみ子は足を止めた。言葉を探しているのだろう。しばし足元を見つめていたが、やがて、
「私が、嫌だから」
決心したように告げて、また歩き出した。
連れ込まれたマンションの一室、憑き物を落としてくると言って、まみ子はシャワーを浴びに行った。戻ってくると彼女は、さゆるにもそうるように命じた。
そうしてさゆるは、まみ子に蹂躙された。
まみ子は着替えなど用意していなかった。シャワールームから出てきた真裸のさゆるをベッドに押し倒すと、貪るようにしてその唇を奪ったのである。
さゆるが彼女と体を交えるのは三度目、しかし唇を重ねるのはこれが初めてだった。口元を拭ってまみ子は行った。
「少しは抵抗してよ……できないの? それとも、しないの?」
さゆるは答えなかった。
けれどもまみ子を、押し返そうともしなかった。
犯され、犯し返す。そんな狂った夜が続いた。
「起きてるから」
不意にまみ子が告げたので、さゆるは刹那、身を強張らせた。
まみ子は半身を回転させる。乳房を隠すこともせず、まっすぐにさゆるを見上げていた。
「おはよう、とか言ってほしい?」
「……別に」
「そう言うと思った」
可愛くない、と告げてまみ子は口を閉ざした。身を起こして枕元に手をやり、金色のシガレットケースを引き寄せて開く。ベッドの上にあぐらをかいて一本を取りだすと、ケースの中のライターで火を付けた。左手で灰皿を引き寄せる。
メンソール系の香りが流れ出した。ハッカドロップを舐めたときのような、すっとする透明な匂い。
それきりまみ子は黙る。
さゆるも口を開かない。
沈黙。
痛いほどの長い沈黙。
針が落ちても聞こえるほどの、静かな時間が過ぎた。
「……この前、『店に出ている名前以外は寝子島の外に置いてきた』って言ってたよね」
さゆるがそう口にしたのは、沈黙を嫌ったからではない。ただ、思いついたから。
「言った気がする」
まみ子は、二本目の煙草を吸い始めたところだった。
「本名を知りたいとか?」
さゆるはなにも言わない。
「無視してもいいし、思いっきり嘘をついても、とがめられるいわれはないでしょうね」
真上に煙を吹き出して、まみ子はしばし天井を見つめていたが、やがて、
「知ってどうするの……? いや、あなたのことだから、なんとなく、というだけでしょうね」
諦めたように皮肉な笑みを浮かべ、まみ子は続けた。
「
姫木じゅん
、プリンセスにツリー、じゅんはひらがな。ダサいよね。健康保険の関係があるから店長は知っているけど、それ以外でこの島で使ったことのない名前」
せいぜい憫笑されるのが関の山と思っていただけに、さゆるには意外だった。
「この名前でインターネットを検索してごらん? 義理の父親を刺した中学生の名前が見つかるから」
まみ子はベッドから降り、カラーボックスから下着を取り出した。
「どうして言ったかは自分でもわからない。ある日あたしが急死したときに備えて、誰かに覚えておいてもらいたかったからかもね」
もう昼よ、とまみ子は言って眼鏡をかけた。
「なにか食べに行く? ピザでも頼む? あいにくと冷蔵庫は限りなく空に近いんでね」
さゆるは直接、その質問には答えなかった。
「あたしは、
朝鳥 さゆる
……」
「知ってる。いい名前ね。どうせなら昔の話をしてよ。生い立ちとか。店の客の話なんて興味ないからいつも聞き流してるけど、あなたのは、聞いてみたい」
注文し慣れているのだろう、まみ子は宅配ピザ屋のチラシを数枚出して来た。
「ともあれ長くなりそうじゃない? 先に選んで」
まみ子は今日、仕事が休みということだった。
結局、さゆるはそのまま彼女と部屋で翌朝まで、話をしたり、アニメを観たり、蹂躙したりされたりして過ごした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年02月03日
参加申し込みの期限
2020年02月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年02月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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