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膝をかかえて、空を見上げて
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膝をかかえて、空を見上げて。
その青さを知る。
雲が流れてあいた四角形の隙間は、なんだかブルーのスクリーンみたいだ。
真境名 アリサ
はふとそこに、過去目にしてきたものが投影されたような気がした。
スクリーンが青だから映像は白、どことなくレントゲン写真風でもある。
今年は――。
いろいろな意味で転機となる年だったと思う。
水着ガールズバー『ジュエル』、現在のアリサの勤務地だ。
少し前、アリサはこの店のバイトから、いきなり副店長へと抜擢された。いろいろ不安定なパートタイムのキャストから、フルタイムかつ社会保険つきの正社員へ。たちまち給与明細に書かれる項目が、細かくごちゃっと増えたのだった。
これをキャリアアップだと、素直に喜ぶべきかどうかは意見が分かれるところかもしれない。
おかげでフロアの仕事以外に、経理や事務を見たり採用面接やらなにやら、店の運営自体に責任を持つ身となったのだから。
──高校で取った簿記や情報処理などの資格が、いまさらながら役立つなんてね。
回想のなかで、時間の流れは一直線ではない。
脈絡なく、高校の時分を思い出す。
故郷の沖縄では県立の商業高校に通っていた。
そこそこ地味だが、けっして野暮ったくはない制服。ただ、プリーツスカートは少々暑げな見た目なので、裾上げして縫うのが女子生徒の定番だった。
スカートの丈のこと、あんまり言われなかったなぁ。
もともとあまりうるさくない校風であったことも幸いしたのだろうが、少なくともアリサに限っていえば、遊んでる風に見えて、けっこう成績が良かったからかもしれない。
資格の勉強なんてゲームみたいなものだ、勧められたものは躊躇せず受けることにして、すらすらと一通り取得した。
部活動のほうも負けてはいない。体操部で県大会で3位になるなどいい線いってたと思う。体操部で鍛えた技術とハートのおかげで、後にアリサはポールダンスが得意になる。
だから――。
膝をかかえて丸まった姿勢で、首をぐいっと後方にそらせる。
県下の大学なら推薦で入れる、って言われたんだよなあ。
しかしアリサはその道を選ばなかった。
沖縄でくすぶるより、内地(本土)に出たいという気持ちを優先した。
学内に張り出されていた求人票、これをたまたま目にしたアリサは、条件よさそう、と秒で就職を決めたのである。
それがあの会社だった。東京の大手外食チェーン。
いやはや。
世間知らずだったとはいえ、人生の選択としてはさすがに安直すぎたと思う。
黒く塗れ、という意味の曲が有名なクラシックロックにあったと思うが、この会社こそまさにそうだった。
ブラック、ブラック、すさまじいまでのブラック企業だったのだ。黒に玄(くろ)をたっぷりと厚塗りし、乾かしたうえに二度塗りまでしたような漆黒。サービス残業という言葉はこの会社でいうところの『定時』で、休日出勤という言葉はこの会社でいうところの『勉強会』だ。
花の都大東京、圧死寸前の満員電車に揺られて、かなりの頻度で終電逃してタクシーで帰宅して、やがてタクシー代すらおぼつかなくなって、会社のデスクで朝を迎えることが平常運転となった。
意味のない、しかも長い会議は連日開催、社長のありがた~いお言葉満載の小冊子をバイブルがわりに携帯させられ、昨夜二時間しか寝ていないのに、早朝から全力の笑顔を強制された。四六時中忙しいのがデフォルトだけど、ごくまれに空き時間ができたとたん、街中で大声を出せなどという、罰ゲームみたいな『研修』が突発イベントとして挟まってくる。
当然社員はおかしくなる。適応障害はこの会社ではましなほう、数日見かけない社員がいると思ったら大抵うつ、昼日中にタバコ休憩といって出て、そのまま二度と帰ってこなかった中間管理職もいた。
サバイバルゲームに参加したつもりはなかったのだが、まさか就職わずか一か月で、生命の危機を感じるはめになるとは思わなかった。
大事なのは命だ。ある朝アリサは逃亡を決めた。退職届を書いて書留にて会社に郵送すると、荷物をまとめて社員寮から出て行った。
なおこれでも、同期のなかでは最初の退職者ではなかった。
といっても沖縄に戻るつもりはさらさらなかった。都会で浪々の日々を過ごすこと約一年、やがてアリサは、笹舟が流れ着くようにして寝子島に居を定めたのだった。
ちょうど二十歳のときだった。
結局、『島』に居所を見つけることになるとは思わなかったな――。
そういえば、かつて籍を置いたあのブラック企業が、昨ハロウィンの時期に摘発されたとニュースで知った。社員には自殺者まで出ていて、さすがに国も看過できなかったということだろうか。来年春には一審判決が出るらしい。
……なーんかつまらないこと思いだしちゃったな。
せっかくのサボり日なのに。
海に向かっていた視線を空に上げる。
立ち上がってアリサは、ぱんぱんとジーンズをはたいた。
「さて」
伸びをする。暖冬とはいえ冬は冬、ひんやりした空気が体にしみこんでくるかのようだ。
お腹空いた、とアリサは思った。
そろそろ下界に降りよう。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年02月03日
参加申し込みの期限
2020年02月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年02月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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