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膝をかかえて、空を見上げて
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もうとうに冬なのだけれど、寒さのほうはまだ届いていない。
ひんやりした秋の残り香が、まだ続いているような十二月だ。
まだ手袋は必要ない。そもそもこの冬は、手袋が必要になるだろうか。
そんなことを考えながら、
御巫 時子
は化学実験室の扉を開ける。
「尚輝先生、おはようございます」
「あれ、御巫さん」
もっさり綿あめが、ふわりと動いたかのよう。読んでいた本から
五十嵐 尚輝
が顔を上げたのだ。
「えっと、今日は日曜でしたよね?」
という尚輝の口ぶりは、日曜なのに時子が学校に制服姿で来ていることに驚いたというよりは、もしかして今日は月曜日なのに自分は日曜と思い込んでいたのだろうか――と不安に思っているように聞こえた。時子にはわかる。たぶん、尚輝はそう思っているのだろう。
「ええ、日曜日ですよ」
コートを畳む時子の言葉に、尚輝は胸をなで下ろしたようだ。
「お休みなのにどうしました?」
「先生がいるかと思って」
「はあ、まあ……どこにも行くあてがないもので」
「私も同じです。先生がいたらいいな、と思って来ました」
「ああ、それは」
言葉を探すように、尚輝は天井を見上げぽりぽりと頬をかいたが、
「それは、どうも」
あまり気の利いた返事が思いつかなかったらしい。照れたように今度はこめかみをかいた。このあたり、実に彼らしい。
「まあ、どうぞ」
尚輝は時子に椅子を引いた。
「コーヒー、煎れますね」
「いえいえ、それは僕が……」
立ち上がりかけた尚輝に、おかまいなく、と時子は告げた。
「お任せ下さい。得意ですから」
コーヒーメーカーが、こぽこぽ音を立てるのを時子は見つめている。
「なんの本、読んでらしたんですか?」
「ああ、これ? 僕や今道さんの師匠筋にあたる人の研究書です」
大学院時代の先生が著したものらしい。白地に無機的な飾りが描かれているだけという、いささか素っ気ない表紙だ。
「面白いですか?」
「いやあ、まあ……いささか専門的すぎるのでお薦めではありません。僕には役立ちますけれど」
栞(しおり)の持ち合わせがないらしく、尚輝はコンビニのレシートを本の間に挟んでいた。
「誕生日にプレゼントしたコーヒー、もう少しでなくなりそうですね」
「ええ、とてもおいしいコーヒーなので、ほとんど毎日飲んでますから」
「ありがとうございます。そういえば……あれからもう一年ほど経つんですね」
「一年?」
手渡されたカップを受け取って、尚輝は軽く首を傾げた。
「覚えていらっしゃいません? 尚輝先生と船上で過ごしたこと」
昨年の聖夜の記憶だ。クリスマス・ディナークルーズということで、豪華客船『夜の女帝(ナイト・エンプレス)』号に招待されたおり、時子は尚輝と出逢って短い時間をともにすごした。
「そのことですか」
他のなにかと勘違いしていたのかもしれない。尚輝は得心したようにうなずいた。
「もちろん覚えていますよ。去年は今年よりずっと寒かったですね。海の上ではなおさら……雪も降ったし」
尚輝の表情がほころんでいる。きっと彼にとっても、素敵な記憶の夜なのだろう。
「スター・デッキでご一緒しましたよね」
「夜景がきれいでした。それに、そのときプレゼントまでいただいてしまって」
ほらこれ、と尚輝が示したピンドット柄のネクタイは、ちょうどあのとき時子が進呈したものだ。シルバーのネクタイピンも然り。
「先生あの日は正装でした」
「ははは、お恥ずかしい。カクテルなんか持たされて。似合わなかったでしょう」
「いいえ、素敵でした。また見てみたいです。尚輝先生のおめかし」
「参ったなあ、からかわないでくださいよ」
言いながら尚輝は、無意識のうちにネクタイを締め直している。
時子は思いだす。
雪ちらつく船のデッキで、身を寄せ合ってクルーズの終焉をふたりで見守った。
あのときたしかに、尚輝先生と私の距離は――。
限りなくゼロに近かった、と時子は思っている。
近づいてくる港を眺めながら時子は、もっと船が速度を落とし、もっと長くこのひとときが続くことを祈ったものだ。
尚輝は黙ってコーヒーカップを唇に運んでいる。
彼が考えていることは、自分と同じだろうか。
そうあってほしい。
沈黙をやぶるべく、時子は言った。
「今年はまだ、雪が降らないですね」
窓の外に目をやる。いい天気だ。雪はもちろん雨の気配すらなかった。
「ええ雪……どうも今年は暖冬みたいで」
尚輝は立ち上がって窓ガラスに手をついた。空を見上げている。
「今年の」
と言いかけた時子とほぼ同時に、尚輝はぽつりとこう告げた。
「今年のクリスマスは雪が降るでしょうか?」
あっ、と尚輝は、いくらか恥ずかしそうに言う。
「気になることは同じ……みたいですね」
時子は確信した。
今なら、訊けると。
それでも、口に出すにはもう少しだけ、勇気が必要だった。
「尚輝先生、クリスマスの予定はありますか?」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年02月03日
参加申し込みの期限
2020年02月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年02月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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