秋の夜長に……｜リアクション

秋の夜長に……

●大切な人と一緒に過ごす夜長

　桜月は自室の作業部屋で、メイドで恋人でもある北条冬華の服のデザインを考えている。
　自分の大切な人が身に付ける物は、できれば自分で考えて、自分で選んだものを身に付けて欲しい。
「身に着けるものだけでなく、直接、肌に触れる下着も考えよう」
　独占欲が強いの分かるが、これは止められそうもない。
　作業部屋でデザイン画を上げていたら、トレイに載せたお茶を持って来た冬華から声をかけられた。
「相変わらずデザインに熱心ですね。熱心なのはいいけど、気分転換も必要かもしれません」
　テーブルにティーカップを置き、大丈夫かと心配そうに冬華は月をじっと見る。
　作業の邪魔をしてはいけないと、しばらくは大人しくしていたがメイドの仕事を一通りしたこともあり寒くなってきた。
　寒い時はお風呂に入るのが良いとと思い立ち、月と一緒に入ろうと声をかける。
「月さん、お風呂借りたいですけど、ついでに一緒にどうですか？」
「お風呂？」
　気分転換に誘ったと察した月は、子犬が尻尾を振りながら無邪気にじゃれつくように冬華に抱きついて「一緒に入ろう」と答えた。
　いつでも入れるよう、入浴の準備はあらかじめしてある。温度調整もぬかりなし。

（何度か肌を重ねた仲ですけど、凝視されるとさすがに恥ずかしいですね……）
　服を脱ぐ時に感じる月の視線に、冬華は恥ずかしくなった。
（相変わらずスタイル良いな、冬華は。これに合うデザインは……）
　服を脱ぐ冬華をじーっと見つめてしまう月は、恋人同士であってもさすがに不躾だと首を横に振る。
「どうかしたんですか？」
「寒さで身震いがして……」
　冬華のスタイルに見惚れていた、とは言えなかった。

　お湯に浸かる前に、2人は身体を洗う。
「気持ちいいですか？」
　冬華は月の背中を流しながら聞くと、月は「気持ちいいよ」と上機嫌な返事を。
　月の背中を流し終えると自分の身体も洗い、洗い終えると２人一緒に湯船に。
「お湯に浸かって、のんびりとしよう」
「はい」
　のんびりしているうちに、冬華が月の後ろから優しく抱き締め、胸を押し付けるように密着してきた。
　その途端、月は身体の力がフッと抜け、和らいだ気分になる。
「ふ、冬華……ちょっと恥ずかしい……」
「服を脱いでいる時の私の気持ち、わかりましたか？」
「わ、わかった……」
　服を脱いでいるのを凝視した仕返しか？　と思ったが、ちょっとからかわれただけかもしれないと思い直す。
「今日は寒いですからね……まだ、恥ずかしいですか？」
「恥ずかしいけど……温かい……」
　恥じらいつつそのまま冬華に身体を預ける月だが、やっぱり、ちょっと恥ずかしい。
　背中に感じる感触に冬華はやっぱり胸が大きいな～って思い、ちょっと背中で弾みをつけたり。
（……ちょっと揉んでみよう、好奇心で）
　と考えながら、月はもう少しだけ背中で冬華の胸の感触を楽んでから、向き合うように体勢を変え手でぽよんぽよんと胸を弾ませる。
　本当は鷲掴みにしたかったが、それはちょっと……と思い弾ませる程度に。
「んっ、それは恥ずかしいです……。さっきの仕返しですか？」
「服を着ている時の冬華の気持ちのことか？　それもある」
　恥じらう冬華の反応と胸の感触をもっと楽しみたいので、月は何も言わず弾ませを続ける。
「酷いです、月さん……」
　月から離れると、冬華は恥ずかしさを紛らわすように優しく口づけをした。
「……あうっ、ごめんなさい。謝るから許してくれないか」
　そう言って、月も冬香に口づけを。
　唇を離した月は、冬華と向き合うように抱き締めた。
「冬華、今は一緒に安らいだ時間を過ごそう。ずっと傍にいてね」