秋の夜長に……｜リアクション

秋の夜長に……

●流れ星に願いを

『千歳と刀、何か流れ星にお願いするお願い事って決めてる？　私は決めてる』
　小山内海がどういう願い事をするかは……今は秘密。
「流れ星への願い事？　そういえば、まだ考えてなかったわね。どうしようかな」
　いざとなると、いろいろ考えてしまうわねと悩む橘千歳。
　女の子2人に挟まれて気恥ずかしい状態の御剣刀は、願い事を考える余裕は今のところ無い。
『そろそろ流星群の始まる時間だね』
　海はレジャーシートに寝転がり、星空を眺め始めた。
「海ちゃん寝転んでる。よし、じゃ私も」
　千歳も寝転がったので、間に挟まれている刀は倒れ込むように寝転がる。
（さっきより密着してる……！）
　毛布、重くても3枚持ってきたほうが良かったな、と刀はちょっとだけ後悔。
「わぁ、寝転がって見ると、目の前に星の海が広がって見えるわね。なんだか、すごい贅沢をしている気分になるわね」
　手を伸ばせば、星に手が届きそう。そんな気になった千歳は夜空に向かい手を伸ばした。
　届くわけがないというのはわかっているが、伸ばさずにはいられない。
『どの辺かな？　んー……ん、今あっちの方に光が流れた気が。あ、こっちでも』
「えっ？　流れた、どこ？」
「ど、どこだ！？」
　海の視線を辿りつつ、千歳と刀も流星群を探し出す。
『うわぁ、すごく、きれい』
　3人一緒に流星群が見られて嬉しくなった海は、流れる星の洪水に目を奪われた。
「本当に綺麗ね……」
　千歳は手を伸ばしたまま見つめる。
「夜空が高くて広い……星が落ちそうだ。肉眼でも見えるんだな、流星群」
　海と千歳に寄り添いながら、刀は流星群をじっと見る。

『あ、お願い事しないと』
　思い出したように、海は両手を合わせて願い事を。
『これから先、3人一緒にもっと幸せになれますように』
「それが海ちゃんの願い事なのね。そうね、やっぱりここは……」
　少し間を置いてから、千歳は「こんな幸せがこれからも続きますように、かな」と言った。
「刀君の願い事は？」
　千歳にそう訊ねられた刀は「そうだな……」と考える。
「ん～、いつまでも3人仲良くいたいとか、かな？　海と千歳といると楽しいし落ち着くし」
　海と千歳とこういった関係と時間が続いて欲しいって気持ちだが、更に関係を進めたいという気持ちもある。
（……何なんだ俺！？　ダメ人間ですね）
　煩悩を断つ、にしたほうがいいか？　と願い事を海と千歳に言ってから思い直す刀だった。

　流星群を見ていたのは3人だけではなかった。
　猫と遊んでいた恵御納夏朝と野々ののこ。仕事から帰る最中のヒュー・ヒューバートも見ることができた。
「ののこちゃん、流れ星だよ」
「あ、ほんとだー」
　夏朝とののこは「星が降ってくるみたいだね」と夜空を見上げる。
「……間近で見たの初めてだよ」
　夏朝は足元にいる三毛猫を抱っこし「ほら、綺麗なお星様だよ」と見せた。
「猫の目って、夜になると光るよね。空のお星様みたいじゃない？」
　ののこの言葉に、そう言われればそうだね……と猫達を見回す夏朝。
　流星群が消えないうちに、2人は夜空を見上げ願い事を。

　スマホで話しながら城山水樹と一緒に星座を探していたヒューは、仕事帰りに流れ星を見ることができたことを話した。
「本当に？　いいわね……」
「いつか、水樹と一緒に見ることができるといいね」

「流星群が見えなくなったから、そろそろ帰ろない？」
　千歳は、海と刀に帰り支度をしようと言い出した。
「そうだな。海、誘ってくれてありがとう」
『千歳、刀、今日は私に付き合ってくれてありがとう』
　帰り道も3人並んで歩く。これからもずっと、3人仲良くできますようにと願いながら。

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あとがき

担当マスター：カターレ
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カターレです。

秋の夜長に皆様、思い思いに楽しんでいたようですね。
ゆっくりしたり、自分の好きなことをしたりといろいろ。
屋外にいた方、お風呂上りの方は風邪をひかないようお気をつけください。

昼間とは少し違った楽しみ方があった。
時間を忘れ、つい、夜更かしを……といったことがあったかと思われます。
ご参加、ありがとうございました。

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秋の夜長に……

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