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らっかみ!新春☆初夢宝船フェア2020! ~紅編~
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【ふたりの庭】
カモメの歌声が耳をなぞります。もくもく、入道雲はまるでソフトクリーム。青空はコバルトとシアンとウルトラマリンをまぜまぜこねこねして、思い切りぶちまけたかのよう。
小さな浜辺を囲む白くて小奇麗な岩壁にはぽっかりと穴が開いて、穏やかな海を丸窓のように望むことができました。
平坦な白浜には小蟹や打ち上げられた貝殻。
穏やかな波がささやきめいて押し寄せ、かすれたひび割れ声はラジオから流れるオールディーズ。
「あ、見てみて紗月」
「なあに? 理緒ちゃん」
並んだビーチベッドはピンクからオレンジのグラデーション。そこに寝そべる
初瀬川 理緒
が、すぼまった岸壁の天井に開いた天窓めいた穴から覗く空を指差し、言いました。
「あの雲、紗月に似てない? ほわーっとしてやわらかそうで」
「もう、なにそれ?」
吸い込まれそうな青空を見上げて、
佐和崎 紗月
はくすりと笑います。確かに、似ているかも。
ゆっくりと流れる雲は少しずつ形を変えていきます。ふたりの想像力は大いに刺激されました。
「じゃあ、あれは理緒ちゃん? ちょっと飛び出してるところが、ポニーテールみたい」
「あはは、ほんとだ!」
ここはふたりだけのプライベートビーチ。
理緒は大胆なビキニにばっちりとサングラスをキメ、麦わら帽子をかぶった紗月も、いつもよりずいぶんと開放的で派手なワンピースを身に着けています。再びお迎えのヨットが来るまでは、お互いのほかに見る者もないもので。
小さなテントに、ワインが三本。ちょっとしたおつまみもありました。あとで紗月が簡易コンロで素敵な夕飯を用意してくれるでしょう。
それまで、の~んびり。ゆ~ったり。
「こうしてるとなんだか……」
「うん」
「高校生だった頃を思い出しちゃうな」
「あの頃は、ふたりでこんなところでバカンスだなんて、考えられなかったものね……」
忙しく駆け抜けた学生時代。理緒はアイドル街道を邁進し、紗月は進学しながらも恋人を献身的に支え続けました。生き馬の目を抜くような芸能界にあって、一躍売れっ子となった理緒の休暇などあってなきがごとしであり、紗月もまた学業に追われ、すれ違いも増えました。些細なことでケンカをしたことだってありました。
けれど今、並んだベッドに寝転ぶふたりの手は、きゅうと握られたまま。
「あ!」
「えっ、どしたの紗月?」
「あの雲。ほら、あれ」
「どれ? あれ?」
「寝子祭の時の、私たちみたい。なんだか寄り添ってるみたいで……」
笑う理緒に、紗月はぷうとちょっぴり頬を脹らませます。
「もう。あの時は、本当に恥ずかしかったんだから……」
「だって……もう二度とないチャンスだって思ったんだもん」
ふたりで出場したミスコンは確かに、高校生活最後のかけがえのない思い出となりました。あの時のことを、ふたりはいつまでだって思い出すでしょう。
「紗月だって、やってみてよかったでしょ?」
「……うん」
恥じらう紗月が愛おしくて、理緒は身を乗り出して剥きだした首筋へキス。ぴくり、と肩が跳ねました。
頬を朱色に染めて、紗月は少し、上目遣い。
「あの頃から……なにもかもが、変わっちゃったね。理緒ちゃん……後悔してない?」
寝子祭の折、ふたりは『親友』でした。少なくとも表向きには。
けれど今は、『恋人』同士……内にも、外にも。
理緒が同性の恋人の存在を明かしても、世間が思いのほか温かかったことが、嬉しい誤算であったのは確かです。それまでのふたりはきっと、どこか、怯えていたのです。
「後悔なんてしないよ」
きっぱりと言ってのけ、手と手はますます強く繋がれました。理緒はサングラスをぽいと砂の上へ放り投げ、恋人の瞳を真っすぐに覗き込みます。
「大好きな人を大好きだって言えないなんて、間違ってるもの。どんな人でも、どんな仕事をしてたって、どんな環境だろうとね。あたしは紗月が好き。大好き。もう、誰にも隠したくないの」
「う、うん……」
まなじりの強さに、紗月は我を忘れて見返すことしかできません。
白雲とともに、ただただ、ふたりだけの時が流れていきます。急ぐことも、慌てる必要もありません。
「私も理緒ちゃんが、大好き」
「紗月……」
「理緒ちゃん……っ」
ここはふたりだけの庭。ふたりを留めるものは、なにひとつとて無いのですから。
青空を流れる雲に形を当てはめる遊びは、ふたりのお気に入りとなりました。
「あの雲は?」
「んーっと……リンゴかな。あれは?」
「アメ玉! 似てない?」
「うん、似てる」
「でしょ~。じゃあ次はね、あっちの雲!」
「ゾウさん、かなぁ……? 鼻が長いの」
「あはは、分かる分かる。うーん次は、そうだなぁ。あっちのあれは? 細長い雲」
紗月はちらり、流し目。ちょっぴり控え目に言いました。
「カメラに向かってポーズをつけてる、かっこいい理緒ちゃん」
「ええ、あたし?」
そこから、互いの答えには少しの変化が加わります。
「じゃあ……あれ」
「うん。ちょっと眠たい時の、ぼんやりした紗月の顔」
「そ、そんなところ見ないでよ、もう……!」
「ふふ、だって可愛いんだもん。あの雲は?」
「あれはね……一生懸命勉強してた頃の理緒ちゃん?」
「んん? どっちかっていうと、寝転んでるように見えるけど」
「一生懸命頑張るんだけど、疲れて寝ちゃったの。私がお布団に運んであげたのよ」
「うっ。そんなこともあったわね……良く覚えてるなぁ」
「もちろん。覚えてるわ。全部全部、ね」
「あ、あんまりヘンなところは忘れてね?」
「ふふ、忘れてあげなーい」
「紗月のいじわるー!」
雲は流れ、千切れてはくっつき、混じりあっていきます。
空の色は青く、やがて上気したふたりの頬のように朱色へ変わるでしょう。
それらは時の流れによって変化はすれど、その営みまでもが変わることはありません。
永遠は、この世に存在するのです。
「じゃあ……あの雲は?」
やわらかく微笑み、紗月は問いかけます。
理緒はにわかに、真剣な顔。
「……ウェディングドレスを着てる、あたしたち」
紗月ははっとして、理緒を見つめます。
理緒らしく、飾らない言葉で。はっきりと。
「紗月。あたしと結婚してくれる?」
びょう、と強い海風が吹き込んで、紗月の麦わら帽子を空へとさらっていきました。
かすれた涙声の返事は、もちろん。
いくたび日が巡ろうと、いくたび年を重ねようと、変わらないものはあるのです。
太陽や月や星たちのように、自然は少しずつ変化したりもするけれど、それは人の目には見えないほどのゆるやかな歩み。
そんな早さが、きっとちょうどいいのだろうな、とふたりは思います。
立ち向かうべき困難はあるでしょう、それもひとつならずたくさんです。厳しい道を歩むことにもなるでしょう。
けれど、ふたりです。寄り添い、頼る相手がいるのです。どんな障害があったって、乗り越えていけることでしょう。
純白のドレスは、その誓いの証。
未来は続くのです。
「いこっ、紗月!」
「うん、理緒ちゃん……!」
腕を絡めて仲睦まじく、ふたりは光の中へ。
花びらが舞い、祝福の声は止むことなく響き、あでやかな微笑みふたつ。
いつまでも、いつまでも、輝き続けることでしょう。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年01月01日
参加申し込みの期限
2020年01月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年01月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
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