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らっかみ!新春☆初夢宝船フェア2020! ~紅編~
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【偉大なる特攻】
高校一年生。夏だった。
子どもの頃から大柄だった背丈も、今ではさほどに目立たなくなった。人並み、どこにでもいる高校生。
しかし今や寝子島高校に、
滝原 カノン
の名を知らない者はいなかった。
「カノン君……!」
「カノン君、すまねえ。木天蓼高校のやつらに……」
「分かった。案内してよ」
他校との諍い。他愛もないトラブルだ。こんな時、カノンは代行者を買って出る。
導かれるままついていくと、キャットロードのさびれた一角に、連中は群がっていた。タッパもガタイも様々だが、いずれも浮かべた表情は下卑たものだ。
ステレオタイプな不良マタ工生らはカノンたちを嘲笑混じりに眺め、
「あれ? また寝子高のやつらじゃん」
「きみたちかな。うちの学校の子たちにちょっかいかけたのは」
「何だよ、何か用? 文句でもあんの?」
「……いや、待てよ。あの赤のスカジャン……炎みたいな百合の花……」
不遜な態度は瞬く間に稲妻めいて走り抜けた動揺に取って代わられ、彼らは浮足立つ。
「た。滝原……か? こいつが、フレイム・リリー?」
「みんなからとったお金は、返してもらうよ」
返答は待たない。交渉もなしだ。
カノンは俊敏な肉食動物のように速やかに肉薄し、二人を叩き伏せた。何が起こったのか、把握できた者はその場になかったろう。それほどにスムーズかつ美しい所作だった。
拳を鼻先に突き入れ、風のように身を翻しながら蹴りを叩き込めば、そこには赤の飛沫が舞う。カノンが踏み込むたび、ぱ、ぱ、と赤い花は咲いた。
暑い夏だった。誰もかれもが地にわだかまる熱気に浮足立ち、人々は後退することを忘れた。
ことに多感な若者ならば、自らを諫めることもなく突き進むほか無かったろう。
若気の至りと人は言う。しかし誰もが経験したはずだ。健康体が生み出す行き場のない無謀なエネルギーを、誰が御し切れたことだろう。
故にこそ若者なのだ。その力こそが人類史において、歴史の節目に立ちはだかる壁を突破せしめてきたことはとうに、証明されているではないか。
「こ、こいつ強ぇぞ、くそがっ!」
「囲め! か、囲んじまえ!」
「……ヌルいなぁ」
ぬるま湯のような寝子島においても、若者の争乱は起こり得た。この夏の酷暑がそれを助長したことも否定はできまい。
「いいよ。全員まとめて、かかってきなよ」
ねめつけたカノンとて例外ではなかった。
内に秘められた力が出口を求め、気勢を上げるのだ。狂わんばかりに叫ぶのだ。
咲け。咲き誇れ、と。
寄せる波はただ引いていくばかりだが、人力が介入することで力をぶつけ合う応酬となる。
寝子島高校と木天蓼工業高校の双方は、暑さ極まる夏の盛りに、総力を持って激突することとなった。
「こっちは全員集まったぜ!」
「あとはカノン君の号令ひとつだ」
「カノン君、どうする? 殴りこむか?」
ヒビ割れた窓ガラスの向こうを、カノンはじっと見つめていた。
「いや……その必要はないよ。行こう」
「? 行くってどこへ……」
「カノン君、大変だ! あいつら、逆に殴り込んできやがった!」
欠け落ちたコンクリート。壁には穴。ガラスは歯抜けのように割れている。若者の迸るエネルギーは揺り返しを経て止め処なく巨大となり、やがて寝子島高校をも呑みこんでいった。
グラウンドを陣取るマタ工の生徒らは、数十名にも上るだろうか。
迎え撃つ寝子高生たちは一人の例外もなく、フレイムリリーと呼ばれた彼を慕い集まった屈強なる仲間だ。
「……おれの仲間は、傷つけさせない」
程なく両者は、互いへと特攻する。
カノンは拳を放ち連打を見舞い、真芯めがけて射抜くような蹴りを撃ち、組み合っては肩口から投げ落とし、羽交い絞めにされ頬と腹に一発ずつをもらいながらも後頭部で背後の鼻先へ一撃を加えて逃れ、正面の二人を肘鉄と膝で沈黙させた。
血煙が咲く。そこら中で、赤く黒く。
自身を突き動かす衝動を、ただただ目の前の相手へとぶつけていく。これは宴だ。視野狭窄が許される時分の、若者という名の果報者たちが催す宴だ。
「くそっ、押されてる……カノン君!」
「このままじゃやばいぜ!」
「うん。分かってる」
考えることは同じだったろう。マタ工の一際に巨漢を誇る男が進み出て、タイマンをもちかけた。恐らくリーダー格だろう。
断る理由もない。
丸太のような腕から繰り出される拳がカノンの頬にめり込み、彼は地を転がる。脳が揺れたが、心まで怯みはしない。大砲のごときストレートをかいくぐり、ボディに鉛のような重い一撃をくれてやる。思わず下がった顎にアッパー、よろめいた敵の胸板へ上段から勢いを乗せた回し蹴りを叩き込む。しかし倒れない。
奴にも不良学生なりの矜持や、背に守るべき仲間がいるのかもしれない。彼らは殴り殴られながらに笑い合った。
抗争は終わらない。ぶつかり合い、衝突を重ね、そのたび赤く血花が咲いていく。
口元を伝う赤を拭い、カノンは何度でも立ち上がる。
「仲間を守るんだ。おれの仲間たちを、絶対に……!」
それがカノンの純粋なる意思だ。マタ工の男にもまた異なる意思があるだろう、しかしそれらもまた等しくエネルギーだ。
飛翔し突撃を敢行する弾丸は、己の意思で弾道を変えることはできない。向かい合えばぶつかるのみ。衝撃にどれだけ激しく歪もうと、前へ前へ。
その象徴として、赤いグロリオサはやがて旗印となるだろう。寝子島のみならず、全てを呑みつくさんと広がってゆくだろう。
そうして咲き誇るのだ。思うさま自分という存在をさらけだし、美しく。凛々しく。高潔に。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年01月01日
参加申し込みの期限
2020年01月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年01月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
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