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らっかみ!新春☆初夢宝船フェア2020! ~紅編~
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【チィ、チィ、ピピピ!(お幸せに!)】
もう取り繕う必要はありません。我慢する必要もありません。
「先生。先生、あのね」
小走りに駆け寄った
御巫 時子
。振り返った
五十嵐 尚輝
の腕を取ると、
「……そろそろ、先生はやめませんか。もう夫婦なんですから。その……と、時子さん」
「あっ、はい……尚輝、さん……」
時子の頬は真っ赤にそまり、尚輝は照れくさそうに、嬉しそうに笑います。
長く幸せな時を経て、少しばかりの困難を乗り越えて、時子と尚輝は結ばれました。
とりどりの花たちが咲き、見渡す限りの緑が広がり、鳥たちの声が絶え間なく届く自然豊かな森……そこに建てられた可愛らしいログハウスが、今ではふたりの家です。幸せいっぱいの時間を、ふたりきりで過ごしているのです。
高校生の頃の時子は、やがてこんな幸せが訪れようなどと、想像したでしょうか?
「それで、どうしたんですか? 時子さん。慌てて」
「あっ、そうでした……!」
尚輝の言葉にはっとして、時子は彼女らしからぬ興奮した様子で、言いました。
「もうすぐ、産まれそうなんです」
「ええっ!?」
これまた彼らしからぬすっとんきょうな声を上げて、尚輝は時子のお腹をまじまじと見つめました。結婚しても変わらず素敵なスタイルをお持ちの時子ですけれど、お腹はぺったんこです。
尚輝の視線の意味に気づいて、時子はぽわっ、と頬を真っ赤に染めました。
「私じゃありません……ムクドリさんたちです」
「あ、ああ。なるほど」
家のポーチの一角に、ムクドリのつがいが巣を作り始めたのはしばらく前のこと。鳥好きで大変に詳しい時子によると、そろそろ産卵の時期ではないかというのです。
「ただ……この前の長雨で、少しひさしが傷んでしまったみたいで。巣の重みで壊れてしまわないか、心配なんです……」
「それはいけない。すぐに修繕しましょう」
こんな時、時子の旦那さまはずいぶんと頼りになりました。研究室にこもりきりだった頃とは大違いです。
もちろん、あの頃の彼だって、負けないくらい大好きでしたけれど。
「今はもっと、好きです……」
「えっ? なにか言いましたか」
鈍感は、今でも変わらないみたい。
時子はただ彼の腕を、むぎゅっと胸に抱き込みました。
親鳥のいない頃合いを見計らってポーチのひさしを修繕し、数日の後。
「な、尚輝さん……!」
「ええ。聞こえますね」
ふたり寄り添いながら、巣のほうへ耳を澄ませてみますと……チィ、チィ、チィ! ピィピィ、ピピィ!
「良かった……無事に生まれて」
「三羽ほどいるようですね。巣立ちの時まで、そっと見守ってあげましょう」
「はいっ……」
その日からふたりの日課に、ムクドリのヒナたちのお世話が加わりました。といってもあれこれと手を差し出すわけにはいきませんもので、すこーしばかりのお手伝いをしてあげるだけです。
親鳥のつがいが仲睦まじくエサを取りに出ている間に、こっそりと巣を覗いてみると、チィピピピ。ちっちゃくって愛らしいヒナたちが、ごはんちょうだいちょうだい! とおねだり。
「ふふ……いま、お父さんとお母さんがご飯を持ってきてくれますから。待っていてくださいね……」
ポーチに置いてあるものを少しどけて、親鳥たちが巣に出入りしやすいようにしてあげたり。雨風が入らないよう、ちょっとした防壁を作ってあげたり。
ろっこんを使って話しかけるのは、少し考えて、やめておきました。せっかくの良い環境で、時子が話しかけることでバランスが崩れてしまうのが、何だか怖かったので。
親鳥もヒナたちも快適そうに過ごしているのを遠巻きに眺めて、時子は尚輝の胸に頬を寄せ、思わずつぶやきます。
「ムクドリは、お父さんもお母さんも、いっしょに子育てをするんです……」
「へえ、仲が良いんですね」
「はい……とっても」
「僕も彼らを見習って、頑張らなきゃいけませんね。時子さんばかりに苦労はかけませんから」
いつになく真剣な調子で言って、尚輝は時子の肩をきゅうっと抱き寄せます。
時子は……やっぱり、ぽわっ。真っ赤になってしまいました。いつまで経っても、彼にはどきどきさせられてばかりなのです。
それから、二週間ほど経った頃。
ムクドリたちの声はぱたりと止み、親鳥たちが飛んでくることも無くなりました。
そっと巣を覗き込んでみると、そこには何もありません。
「……巣立っていったんですね……」
「そうですね。無事に」
良かった。心からそう思います。
その反面、時子は何だか胸がしめつけられて、きゅうっと苦しくなるような感覚を覚えました。
「時子さん?」
「あ……」
気が付くと、ぽろぽろぽろと、時子の瞳から雫が流れ伝います。
尚輝の胸へ、すがるように飛び込みました。
「ごめんなさい……急に、寂しくなってしまって……」
「そうですね。大丈夫。僕がいますから」
ムクドリたちは、どこへ飛び立っていったのでしょう。今となっては分かりません。
ちょっとだけ、お話してみたかったな……と後悔もしたけれど。
「僕がいますから……時子さん」
「はい……」
ふたつの影はひとつになり、やがて溶け合います。
いつか自分にも、子どもが生まれて。大きく育っていって。やがて巣立っていく時が来るのかもしれません。そんな夢のような瞬間が、ふたりにも訪れるのかもしれません。
「ずっと……いっしょです」
「はい。ずっと、ずっと」
何があっても、いつまでも、ずうっとこの人といっしょにいよう。
いっしょなら、何だってできる。どこへだって行けるから。
時子は目を伏せ、ムクドリの旅路が幸福に満ちたものであるよう祈りました。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年01月01日
参加申し込みの期限
2020年01月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年01月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
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