携帯戦記カプセルギア　出現！チェスの駒とＫからの挑戦状｜リアクション

携帯戦記カプセルギア　出現！チェスの駒とＫからの挑戦状

【始まりは突然に】
　風の原公園は、かつてない混乱に満たされていました。
「テストかぁ。なんだか試すにしても、急な気がするよぉ……」
　公園で遊んでいた曖浜瑠樹くんは、突然の展開に、戸惑いとかすかな違和感をおぼえていました。
「それとも、急に試さないといけない理由が何かできたのかなぁ？」
　もし、そうだとしたらその理由とは何なのでしょう？
　瑠樹くんは、こんな状況にも関わらず、プロフェッサーKのことも心配してしまいます。
　とある理由で公園を訪れていた稲積柚春さんも、表情には出さないものの、大きな戸惑いを感じていました。
「いつか拾った小さなオモチャ――カプセルギア。何度、持ち主が見つけてくれるように置き直してみても、時間と場所を変えて僕の前に現れる……。これはどういうことかな……？」
　ポケットから取り出したのは盗賊のような出で立ちをした人型のカプセルギア。
　何度も現れる目の前に現れるギアと偶然居合わせた公園で巻き込まれた事件。
（もし、僕とあなたの出会いが『運命』だというのなら――）
　柚春さんは、その可能性を見極めようと、静かに拾ったギアを見つめます。

「資質を見せろとか上等ですよ。こっちもおまえには色々聞きてえことがあるです」
　大江戸マンモスさんは、相棒のグレートマンモスと一緒にKの挑戦に真っ向から受けて立つことにしました。
「ぐれーと☆まんもす、まずは高所に移動し、戦況を把握しますよ！」
　マンモスさんの作戦指針は戦場全体を俯瞰し、後方支援に徹することでした。
　そして、そのためにはまず位置取りが重要と考え、まずは優位に立てるポジショニングをするために行動を開始しました。
「使い手であることや楽しく遊ぶことに、資格がいるのかしら……」
　嘉渡洲稀跡さんは、Kと名乗る男の独善的な物言いが気に入りませんでした。
「その資格とやらは、遊びの邪魔をしてまで得らされる高尚なものなのかしら？」
　そのような思いから、稀跡さんは相棒のパールシエルと共に子供達の支援をすることを決めました。
「パールシエルは戦闘向きではないわ。攻撃は他の皆に任せて、私達は味方の回復・支援に専念しましょう」
　そうして、稀跡さんも、支援を必要とする味方を探して行動を開始します。
「近頃の小学生はドラマにまみれてんねぇ」
　桜庭円さんは、まるでドラマかアニメのよう超展開に、しみじみと呟きました。
　円さんは、近頃子供達の間で流行りというカプセルギアの調査のために公園に来ていたところで、まさかの超展開に巻き込まれてしまったのでした。
「で、プロフェッサーＫ――海堂さんだっけ？　って、何者？」
　円さんがそう問いかけたのは、同じく高校生でお友達の白真白さんでした。
「うーん。聞いたことあるような、ないような……。でも、開発者か何だか知らないけど、遊ぶのに資格とか言ってる時点であれだよね」
　真白さんは、Kと名乗る男のやり方に、まったく共感も賛同もできませんでした。
　そんな真白さんの気持ちを察してか、円さんは口元に小さな微笑を浮かべつつ
「――まあ、せっかくだから混ぜてもらおうか」
　と、相棒の悪魔型ギアのベリアルを取り出します。
「だね。子供達が頑張ってるのに負けてらんないよね」
　それに、真白さんもニコリと笑って、相棒のネージュリェーツを取り出しました。
　かくして、子供達にとっては心強い助っ人として、円さんと真白さんもこの戦いに参加することを決めたのです。
「偉そうにしてるの、気に食わない……」
　そう言って、相棒の一人であるトライアルγを取り出したのはスピカ・フォーツさんでした。
「対多数は、βの得意とするとこだけど……γで、相手してあげる……」
　Kがギアマスターの資質を問うというのなら、あえて不利な選択で勝利を収めることで嫌でも自分の資質を認めさせる――ということなのかもしれません。
「……要は、戦い方」
　スピカさんがスマホをスワイプすると、周囲には無数の攻性デコイが展開。
　はたして、スピカさんはそのデコイを使って、どんな戦い方を見せてくれるのでしょうか。
　かくして、それぞれの想いを胸に「風の原の戦い」が幕を開けるのです。

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