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せっかくの休日でいい天気だからといって、出かけるのが良いとは限らない。
特に……猛暑のただなか七月中旬には!
蝉の声が嵐のよう、もう捨て鉢な気分で鳴いているのではないか。
太陽は刻一刻と、地上に降下を開始しているのかもしれない。
それほど強烈、それほど残酷、
鴻上 彰尋
は外出で、夏のすさまじさを嫌というほど思い知らされた気がする。
それでもシーサイドタウンにようやくたどり着いて、這うようにして商業ビルのひとつに入り込んだ。
自動ドアのガラス扉が開くと、あふれる清涼感に包み込まれる。
「助かった」
大袈裟ではなく、思ったままを口にしていた。分厚いタオルハンカチで額を拭う。
あれ? と声をかけられた。
「彰尋くん……?」
彰尋は振り返ってたちまち、忍者みたく数メートル飛び退(すさ)りたいと思った。
七夜 あおい
だ。高校生らしい白いサマーブラウスに、チェック柄のスカートを合わせている。
「あおいさん」
「最近、出先でよく会うね」
「そういえばそうかも……あおいさんはここに用があって?」
「ううん、なんとなくね。彰尋くんは買い物?」
「俺は」
と言いながら、彰尋はまた汗をかきそうな気持ちだった。この汗は暑いからではなく冷や汗だ。
会えて嬉しい、それは事実だ。しかし汗をかいているので、汗臭くないかと気になっているのである。出がけにシャワーを浴びてきたから、それほど酷くはない……はずだ。
「俺は、書店に用があって」
「本を買うの?」
あおいが乗ってきたので、少しリラックスして答える。
「うん、隔月刊の演劇マガジンがあってね」
良ければ一緒に、と彰尋が言うより前にあおいはうなずく。
「本屋さんにも行きたいと思ってたんだ。私も行っていいかな?」
「もちろん!」
願ってもない話だ。むしろ先導するように、あおいは書店をめざしエスカレーターに乗る。
ほどなくして雑誌を購入した。
「なかなか舞台を見に行ったりはできないから、こういうのを買っては情報や雰囲気だけ知って、たまにどうしても見たいものはDVDとかないかを探していたりしてるんだ」
「熱心だよね。本当、それだけ好きなものがあるなんて、うらやましいくらい」
あおいは体全体でうなずくように言う。心からそう言ってくれているんだろう。
「不器用なだけかもしれないよ」
「でもやっぱり、彰尋くんは役者の道に進んだほうがいいのかもしれないね」
――まただ。
彰尋は胸の奥に小さな痛みを感じた。
またこの感覚を味わっている。
前にも一度、彼女とこんな会話をかわした記憶がある。けれどそれがいつ、どこでだったのかは思い出せない。
「もう帰る?」
あおいの言葉で彰尋は我に返った。
「いや、ついでだから下の階で服でも見ていこうかと……あおいさんは?」
「じゃあ私もそうしよっと。ファストファッションの店でしょ?」
「ああうん、そうだけど。いいのかい?」
「いいよ、どうせヒマだし。Tシャツとか見たいし」
「どんなTシャツ?」
「アメコミのヒーローのとか。ののこちゃんが好きでね、私も影響されてちょっと興味出てきちゃった」
他愛もない話をしながら歩く。
何気ない日常の時間だけど、いま自分は貴重な時間を過ごしている、そんな風雨に彰尋は思う。
屋上のカフェテリア、まだ昼食には早い時間帯だからか閑散としている。
ジュースをふたつ載せたトレーを持って、彰尋は席に戻った。
「お待たせ」
あおいは待っていた。空いた席に買い物袋を置き、全面張りのガラス戸越しに外を眺めている。
なんだか、元気がないな。
そんな気がした。
今日ずっと感じていたことだ。いつも通り明るい彼女ではあるのだが、どこか精彩を欠いている。悩みを抱えているのに、それを忘れようと頑張っているような。
そっとトレーを置くと、あおいは気がついて顔を向けた。
そこですかさず、
「おお姫よ、どうしてそのような憂いに満ちた顔をなさっているのでしょう」
仰々しく、けれども照れず、ここが舞台の上であると想像しながら彰尋は口上したのである。
「貴女の憂いは私の憂いも一緒。貴女の微笑みをみることが出来るのなら、痛みとため息の数だけ貴女の好きな花を捧げましょう」
そうして、さっとテーブル隅の造花を捧げ持つ。
あんまりにも生真面目にそう演じたので、あおはぷっと吹きだしていた。
「あはは、どうしたの突然? お芝居のセリフ練習?」
言いながらも彼女は、
「ではありがたく」
と造花を両手で、花瓶ごと受け取ったのだった。
「急にどうしたの?」
「いや、なんとなくだけど、愁いの姫君っていう感じに見えたから。つい」
「姫君? 私が? それは買いかぶりすぎだよ」
一瞬見せていた無防備な表情を、あおいは打ち消しにかかる。
思い切って彰尋は訊いた。
「どうかした? なんだか元気ないように見えたけど」
「そんな風に見えた?」
「見えた……かな」
参ったな、とあおいはこめかみに軽く指で触れて、
「まあ少し、色々考えてて」
「よければその『色々』を話してみない? もちろん話せる範囲でいいから」
ためらわなかったわけではないだろう、あおいは短い間に何度もまばたきしたから。けれども意志を固めたのか、静かに息を吐き出して告げた。
「私、自分の意思が弱いな、って思ってて。こうしたいとか、これは嫌とか、あまりはっきり言えない。全部、なんとなく、だなって……」
彰尋は口を挟まず、黙って先を促した。
「だからいつも流されちゃう。誰か意志の強い人だとか、声の大きい人だとかに、ついていくほうが楽だから。こんなことじゃいけない、って思ってはいるんだけど……将来のことを決められないのもそのせいなのかな……」
ここで頭を使って『良きことっぽい』アドバイスをするのは簡単だ――彰尋は思った。こうしたほうがいい、とか、こんな考え方はどう? とか。
でもそれは、あおいさんの望んでいることじゃない。
俺の……鴻上彰尋の考えを押しつけて、それにあおいさんが従ったとしたらそれこそ、流されているってことになるだろう。
「ありがとう、話してくれて」
なので下手な忠言はしないことにする。
「でも今日、本屋とか買い物とかに付き合ってくれたのは、俺が誘ったからじゃないよね。あおいさんが、自分で来たいって言ってくれたから……だと思うよ」
これが俺の言える精一杯、と思う。
「そういえば」
あおいの眉から愁いの色が薄らいだ。
「彰尋くんには言いやすいのかな……? なぜだろう」
「俺もわからないけど……言いやすい、って言ってもらえるのは嬉しいな」
それでいいじゃないか、とか、結論めいたことは言わないでおく。
いまはこうして、彼女と過ごせるだけで満足だ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
恋愛
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年11月09日
参加申し込みの期限
2018年11月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年11月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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