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<鈴島海賊の秘宝I>海賊女王のピラミッド
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●砂と歌の間
【SIDE:赤】
網を手に入れた赤の道一行は、再び順調に進んでいた。
角を折れるにつれて、道の一辺の長さが徐々に短くなってゆく。
頂上に近づいているという事なのだろう。
「また扉があるよ~!」と
伊藤 佳奈
が叫んだ。
今まで同様、石造りの扉で、近づくと勝手に上に持ち上がる。
中は薄暗い部屋だった。扉から流れ出た、幽霊の手のように冷たい空気が、佳奈の足元をひやりと撫でる。
恐るおそる部屋に足を踏み入れると、途端につま先がずぶりと沈み、危うく転倒するところだった。
「わっ、なに? 部屋中、砂でいっぱいだぁ」
佳奈のあとから部屋に入った
竹松 梅
が、寒そうにする佳奈にひっつきながら云った。
「なんやこの部屋は寒いなあ。扉、閉めやん方がええんとちゃうか」
一歩遅かった。すでに全員が部屋に入り、背後の扉は閉まってしまった。
「閉じ込められたねぇ」
佳奈が砂を漕ぐようにして先に進む。部屋は長方形で、壁を挟んで入り口と反対側に、出口と思しき扉があったが、押しても引いても持ち上げても開かなかった。
「何か仕掛けを解かないと開かないんだろうなぁ」
ひどく寒かった。
砂は芯まで冷えていた。
邪衣 士
以外の全員が、この寒さに震えている。
「流石に皆、寒そうだな」
熊皮に包まれてひとり蒸し暑い士だったが、みんなのためにろっこん<天の救い>を使うことにする。
士のろっこんは小規模な範囲で天候を変化させることができるのだが、近ごろ気温も変化させることができるようになったのだ。指を3回パチンと鳴らす。
「暖かくなれ」
……部屋の中はなかなか温かくならなかった。
士の様子を見守っていた佳奈は、かすかな音を聞きつけ耳を澄ます。
「……なんか女の人の歌が聞こえる気がしない?」
見ると。
「……ぐー……」
士は寝ていた。
「つ、士君! 寝ないでー!」
佳奈は木刀を高く掲げた。叩き起こそうとしたのだ。剣道道場の娘である佳奈の一撃は強烈だろう。だが、彼女には良識があった。寝ている人に一撃はさすがにまずいか、と踏みとどまる。
「歌のせいなの? なら、あたしの歌で目覚めさせるよ! う、歌には自信がないけど変な歌を打ち消す事くらいは出来るかも!」
ぼえ~。
佳奈のへろへろした歌声が響き渡る。
……士が起きる気配はない。熊皮の中はよほど気持ちがいいのだろう。
「さむい! うう、すごく寒いよー……!」
あたりはなおいっそう冷えてきて、
薄野 九月
はきつく肩を抱いた。
すると
鬼崎 未月
が荷物から箱を取り出した。カイロ30枚入りと書いてある。それを惜しまずみんなに配る。
「体が冷える前に渡しておくの」
「うわぁ、ありがとう!」
「後、温かいお茶なの……サバイバルには水分と防寒グッズは必須なの!」
「さすがー!」
年上の九月に認められ、えっへん、と胸を張る未月。魔法瓶の中のお茶はまだ温かくて、本当にありがたい。自分の冒険に関する知識が人の役に立てて、未月としても嬉しい限りだ。
赤班14人全員がカイロとお茶をいただき、心もち元気が戻ってくる。
桜庭 円
は歌声に耳を澄ませる。あるいは、入り口で聞いた声と同じ声ではないだろうか。
……同じかどうかはわからなかった。入り口で聞いた声は男とも女ともつかぬ硬い声だったけれど、こちらは柔らかな女性の声だ。母親が幼い子どもの枕もとで歌っているかのような、そんな穏やかな旋律。
「子守唄?」
悪い感じはしない。だからこそ、タチが悪い。
士に続いて、
尾鎌 蛇那伊
の様子もおかしかった。胡坐を掻いて静かに息をし、瞑想状態に入っている。
女子たちは、男子二人の変化を訝しく思いつつ、それぞれ出来ることをしはじめた。
眠くはならなくとも、この寒い部屋にいつまでもいたら凍え死んでしまう。
扉を開ける仕掛けがなにかあるはずなのだ。
「なんか壁に描いてあるで? お星さまがきらきらー。はて……下の方まで描いてあるみたいや」
壁に星の模様があるのを見つけ、梅と円が砂を掻き始めた。
エヴァ・ブランシェ
も伝声管を見つける。
そのとき未月は愛用のスコップを習性の如く一心不乱に振いながら、砂を掘っていた。
砂があれば穴を掘る。それは未月にとって、とても自然なことなのだ。
こつん、とスコップの先に硬い物が当たる。砂を手で払いのける。
「クリスタル的なスカルをゲットなの!」
「そりゃほんまの骨やがなー」と梅。
驚いて放り出すかと思いきや、未月は、頭蓋骨や死体は冒険にはつきもの、とかえって嬉しそうだ。
「桜庭さん、肩が冷えるわ。タオルを掛けるだけでも違うわよ」
円を気遣っていた
弘明寺 能美子
もまた、足元の硬い感触に気づいた。
「って……骸骨! 流石に、これはちょっと怖いわね」
「何か読み取れる?」円が聞く。
「骸骨自体を触っても情報は得られないだろうけど……」
能美子は足元の砂を払うと、骸骨が着ている布の切れ端を手に取りじっと見つめた。
<役立たずの逆さ時計>を発動させると、能美子の脳裏にその服の元の形が像を結ぶ。
「男物……みたい。もしかして、」と士と蛇那伊を見る。二人とも男だ。生物学上は。
「共通点は男性であるということ……もしかして眠りの歌声は男性にだけ作用するんじゃない? そして、こんな寒いところで眠ってしまったら最後、」骸骨に触れる。「……こうなってしまうんだわ」
「急いで青班と連絡を取りましょ」
エヴァが云った。
「きっとまた、青と赤、ふたつでひとつの謎に決まってるわ」
呼びかける。青班からの返事はまだない。
休息を挟んだため、伝声管のある場所まで辿り着いていないのだ。
呼びかけが続けられる一方で、女子たちは男子たちを起こそうと奮闘した。
ドドソソララソ ファファミミレレド。
壁に描かれている星にちなんで、よく知られた童謡のメロディー。
九月が子守唄の歌声に張りあうようにトランペットを吹きならすと、ぼえぼえ歌っていた佳奈が合わせる。
「つ~か~さくん、じゃ~ないく~ん、ねちゃだめよ~お~き~て~~」
士と蛇那伊の周りをまわりながら一生懸命だ。ちょっと新手の祈祷のようでもある。
蛇那伊の眉がぴくりと動いた。彼はまだ寝てはいない。必死に戦っている最中なのだ。
「邪衣さん! 起きてください!」
しばらく士の身体を揺さぶっていた
鬼崎 あやめ
は、とうとう、スパパパパン、と茶色い毛むくじゃらの顔をひっぱたいた。
「……それは俺じゃない。熊だ……」
士が薄目を開いたのを幸い、あやめはその目を閉じさせまいと指でガッと強制的に開くと、にっこり微笑んで5秒、<リリスの微笑み>を発動させる。
「あんな歌に惑わされないで、私の為に起きてこの部屋の謎を解いてください!
頑張ったらご褒美……あげますよ?」
魅了には魅了! あんな歌なんかに負けられない!
これはもう女の意地だ。
あやめの魅了が勝ったのか、士は一声吠えた。
「寝たらだめだ寝たらだめだ寝たらだめだ……うおおおおーーー!」
そして、イヤホンを耳に装着! 例のガチャガチャした音楽を最大音量で流し込む!
「おおおおおーーー!!」
吠えながら士は一心に砂を掻き集め始める。
「おおおおおーーー!!」
穴を掘っていた未月が真似して吠えた。なにやら楽しそうだ。
一方、蛇那伊は。
(桃源郷が見えるけど、こう言うのは大概まやかしなのよね……)
瞑想は、蛇那伊が学ぶ中国拳法の中でも大切に考えられていることのひとつだ。
蛇那伊はその真髄ともいえる、何も考えない状態――空(くう)を目指す。
呼吸だけに集中する。
体の中で呼吸が渦を巻くイメージ。
四で吸って、八で吐く。そして――。
「神秘的力頼みの魅了如きでアタシの心をつかめるとか思ってんじゃないわよぉぉぉぉぉぉぉおおおお!!!」
蛇那伊、自力で眠気を打破!
これには女子一同、脱帽の拍手である。
「お見事!」
「また眠っちゃわないようにもう一曲行きましょー!」
佳奈と九月のセッションは続けられる。
ところで、士のろっこんは失敗だったのだろうか。――じつはあのとき急に生暖かい風が吹き、天宵川の上空に突然もくもくと雲が湧いたという報告がある。彼の天候を操るろっこんがオカルトニュースをひとつ生み出していたことを、このときは誰も知らなかった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ★(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
神話・伝説
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年11月27日
参加申し込みの期限
2014年12月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年12月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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