this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
寝子高以外全部沈没
<< もどる
1
…
6
7
8
9
10
つぎへ >>
◆北校舎三階・音楽室
北校舎へと泳いでやってきた
霧生 深雪
は、半ば直感的に音楽室を目指していた。それは推測というよりは芸術科生としてのささやかな希望だった。
音楽室を訪れると、そこには数名の生徒が集まっていた。
御巫 時子
、
逆巻 天野
、
千鳥 雅人
、そして少し離れたところには
八十八旗 信彦
と
哀坂 零葉
、
東中居 陽二
と
双葉 仄
の姿もある。
そしてそのただなかにいるのは……紛れもない。白石百合だった。
「……おい白石。ずいぶん探したぜ」
呼びかける霧生の声に、再び涙を見せながら御巫からこの経緯を聞いていた白石はハッと顔をあげた。
「え、えっと……霧生くん? どうしてここに?」
彼女の疑問に霧生は肩をすくめた。
どうしてここに? その疑問に答えられるものはここにはいない。
「んなことはどうでもいいんだよ。……白石、お前最近なんか変だったろ? どうしたんだ」
「……ううん、いい。霧生くんに言うの、恥ずかしいから。その代わりに弾いてほしいな」
そう言って彼女が指差したのは、水没しかけたピアノだった。
南校舎から渡ってきた面々は、三階の各教室を見て回っていた。
「あれ、ピアノの音が聴こえるよ」
先頭を歩いていた
戌井 創
は、遠くから聴こえてくるその旋律に耳聡く気がついた。その言葉に、すぐ横にいた
八神 修
はハッと気付いたような顔で耳を澄ませる。
「この曲は……深雪だ」
彼とは寮の部屋が隣同士の中だ。どこからともなく聴こえてきたこの曲は、いつも壁一枚隔てて聴こえてくるあのメロディと同じだった。
「きっと音楽室にいたんだろう、その白石って子は」
「……すごく綺麗な曲だね。慰めてあげてるのかな」
戌井の言葉に、だろうな、と八神は小さく頷いた。
ああ見えて、実は優しさを秘めている友人の奏でる曲を聴きながら。
無事に回収したギターを屋上に運ぼうとしていた
雨寺 凛
と
桜庭 円
は、ふと聴こえてくる旋律に耳を傾けた。
「あれ? これ、ピアノの音?」
「みたいだね。誰か弾いてるのかな?」
雨寺のつぶやきに桜庭も頷いた。
いつの間にか雨は上がり空はゆっくり白くなっている。まるでどこな遠い山の上の夜明けのような静けさ。そのただなかに響くピアノの音色は、ある種の神聖さを感じさせた。
(すごく素敵な音……)
同じ音楽を志す者として、雨寺はしばし状況も忘れてうっとりとその音色に耳を傾ける。
その音に引き寄せられるようにして音楽室を訪れると、そこには多くの生徒が集まっていた。
「あ、桜庭!」
声をかけてきたのは
御剣 刀
だった。その隣には、不安げな表情を見せる
小山内 海
の姿もある。
……なぜか彼女は半裸だったが、この状況下である。とりあえず突っ込まないでおいた。
「ん、どしたの?」
「あの泣いてる子、彼女が今回の原因なんだけど、どうやら失恋して泣いた力がろっこんとして発動したみたいなんだ。泣き出すと雨を降らせてしまうっていう」
そう説明する御剣の横で、小山内が油性ペンで壁に言葉をつづった。
おねがいまどかちゃん、はげましてあげて、と。
白石の隣では、桃原に助けられ一命を取り留めた
維都月 茉菜
が励まそうと優しく語りかけている。
「分かるよ、悲しい気持ち。……私なんてね、びっくりしたわ。先輩に告白したら…なんて言われたと思う?」
彼女の持つろっこんの力を使えば、恐らく白石を笑わせるのも簡単に違いない。維都月はろっこんにより、人の気持ちをポジティブにさせるという天使の加護のような力を持っていたのだ。
しかし、彼女はあえてその力を使わずに白石に語りかけていた。
「驚いたのよ、その先輩ったら『実は男の方に興味があるんだ』って」
励ますための作り話なのかそれとも本当の体験談なのか。
維月都がそう言ったとき、すすり泣きながら相槌を打っていた白石がふと顔をあげた。
「それで……あなたはどう思ったの?」
ようやく泣くのをやめた彼女に、維都月は少し驚きながらも優しく笑って言った。
「そうね、愛の形は色々あるんだなーって。そりゃ最初はびっくりしたけど、きっと先輩も悩んでたはずだし、悲しい結末になっても落ち込まないでほしいって、そう思ったよ」
維都月がそう答えると、白石はそこでようやく泣くのをやめた。
その震える瞳はまっすぐに維都月を見つめている。
一連の会話を聞いていた
旅鴉 月詠
は、なるほど、と心の中でひとり小さく納得した
彼女の失恋相手は、きっと同性だ。
ただの恋愛を超えた、性差の壁という大きな絶望にぶつかってそれほど泣いてしまったのだろう。
「……大丈夫」
維都月の話に青ざめた白石に近寄ると、旅鴉は唐突にそっと抱きしめた。下着姿の彼女に抱きしめられ白石は驚いたような表情を見せたが、すぐに目を閉じる。まるで旅鴉に身を委ねるかのように。
「大丈夫だから。維都月も言っていただろう? たとえうまくいかなかったとしても、落ち込んだままじゃいけないんだ」
旅鴉と同じく事情を察した桜庭も、元気付けるような声音で言う。
「それに恋がダメでも、精神的に先輩を支えるパートナーにはなれるでしょ? 妹ってことは、大事に思ってもらってるってことだし」
「ぱ、パートナー?」
「うん。でも、少なくとも今のめそめそしたあなたじゃダメだよ。先輩を本気で好きなら、先輩を困らせないくらいしっかりした自分にならないと」
桜庭のまっすぐな言葉に、旅鴉も頷いて言う。
「命短し恋せよ乙女。……自分を変えたいなら、いつやるんだ?」
「今でしょ!」
二人の妙に息の合った励ましに、白石はそこで初めて小さな笑顔を見せた。
そしてうじうじした表情を引っ込めると、みんなの前に一歩出て小さく頭をさげる。
「本当に、本当に迷惑かけてごめんなさい。怖い思いとかさせてしまって、本当に……」
思わず涙ぐみそうになるが、白石は涙を堪えて今回の騒動について謝罪する。
迷惑かけてなお泣き続けるなんて、そんなことでは先輩に合わせる顔もないのだと、みんなが教えてくれたから。
ギターを置いてこなかったのは幸いだった。
雨寺 凛
は、白石を元気付けようとギターを取り出す。
「あ、ねえピアニストさん。この曲知ってるかな」
彼女が爪弾くそのメロディに、霧生は頷いた。
「伴奏弾けってか」
「そういうこと! じゃあいくよ」
雨寺の明るい声とともに、即席のアコースティックバンドの軽快な曲が教室に響き始める。
自らの失恋談を話した維都月は、なんだか恥ずかしいなと目のあった
八神 修
に笑いかけた。
「やっぱり維都月は優しいんだな」
彼女の笑みに、八神も表情を少し穏やかにさせる。本来なら苦い思い出として胸にしまっていてもおかしくないのに、彼女は白石を励ますために何の衒いもなく話してみせた。
「優しい、のかな、私。……でも白石さん、元気が出たようでよかった」
「だな。さっきから雨も止んで……」
そこまで考えたとき、八神はふとあることに気付いた。雨が降る条件は「白石が泣いている」ことである。しかし彼女が励まされて泣き止む前から、そういえば雨はやんでいる。
なぜだ? その疑問に思考が沈みかけたとき、あ、と明るい維都月の声が耳に届いた。
「見て! 虹が出てる!」
その言葉に、皆が窓に近寄って空を見上げる。
暗澹と垂れ込めていた雲は、いつの間にか薄く白くなっている。その雲の間を縫うように、虹色のアーチが空にかかっていた。
そのあまりの綺麗さに、八神は抱いていた思考は一回置いておいて、ピアノを弾く友人に語りかけた。
「深雪、虹が出てる。屋上に見に行こう」
<< もどる
1
…
6
7
8
9
10
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
寝子高以外全部沈没
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
花村翠
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
冒険
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年08月17日
参加申し込みの期限
2013年08月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年08月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!