猫鳴館、星降る夜に宴会を。｜リアクション

猫鳴館、星降る夜に宴会を。

●集めた星屑の使い道

「雹や霰にしては光るのが不思議ね。これは……星？　熱くも冷たくもないわね」
　自室の窓から入り込んだ星屑を拾った神野美野梨は、それに興味を持った。
「これは興味深いわね。どんな素材なのか調べてみたいわね」
　興味を持ったので、さっそく星屑がどんな素材なのかを調べることに。
　ここに顕微鏡が無いのが残念。
「天眼鏡で観察したり叩いて砕いたりしてみましょう」
　その結果、星屑は粉々になった。さほど強度はないようだ。
　次は、粉になった星屑を水に溶かすことに。その前に、どんな味がするのか指につけて舐めた。
「甘いということは、これは糖類なの？」
　水に溶かしてみると、普通の砂糖のように混ざり合った。星屑は飴のような素材であることがわかった。
　砕く前の星屑を試しに食べてみると、飴やグミのような食感が。
「これはお菓子のようなもの、らしいわね。食べても何の害もないようね」
　星屑をひとつ口にて、美野梨は次に重さを量って密度を調べることに。
　自室で拾った分では研究素材としては数が少ない。多く手に入れるため、外に出て拾い集めることにした。

　猫鳴館の近くを歩いていた楠瑠璃は、頭に何かが当たったのに気づき夜空を見上げる。
　その拍子に、口の中に何かが入ったので取り出して見た。
　よく見ると、それは星の形をしていた。
「えっ、これって星屑なの？」
　口の中が甘くなったような気がしたので、もう一度、口の中へ。
「食べてみると結構美味しいわね。新しいお菓子かしら？」
　猫鳴館のほうに星屑がたくさん降り落ちているのを見たので、そこに行けばもっとあるかもと瑠璃は行ってみることに。

　猫鳴館に着いた恵御納夏朝は、僕も手伝うと梯子を使って屋根に上った。
　屋根破損防止のため、自分にねこシールを貼ってろっこん『重く軽く』を発動し、目いっぱい軽くした。
　酒浸朱蘭と楡宮遠海があらかた集めていたが、ビニール袋やポケットは満杯な状態。
　夏朝もビニール袋の中に星屑を詰め、皆が使う分や自分が使う分を集め始めた。
「屋根の星屑、少なくなったぜ！」
「だいぶ片付いたわね。集めたらお腹すいちゃった」
　朱蘭はこれで宴会が楽しめそうだぜ！　と喜び、遠海は休憩ついでにグミのような食感の星屑を食べ始めた。
「これ……どうするの？」
「宴会に使うんだぜ！　これを加工したら、いろんな料理ができそうなんだぜ！」
　酒の肴にもなりそうだ、と朱蘭は宴会が待ちきれないご様子。
「星屑、たくさん集まったようね。少し分けてもらえないかしら？」
　朱蘭達が集めた星屑を見た美野梨は、研究素材として使いたいから分けて欲しいと頼んだ。
「こんなにたくさんあるんだから、好きなだけ持っていけばいいんだぜ！」
「ありがとう」
　持ってきた袋に分けてもらった星屑を入れながら、美野梨は研究が捗りそうねと自室に戻った。

「かき集めた星屑だが、どうするんだ？」
　北里雅樹は、これをどうすべきか自治会長たる朱蘭の意見を聞くことに。
「これを使って宴会するんだぜー！　こいつは食べられるんだぜ！」
　マジで？　という顔をした雅樹は、本当かどうか確かめるべく味見を。
「……甘い。食えるんだな、これ」
　これから宴会に使えるかも、と雅樹も宴会を催すことに賛成した。
「とりあえず、あたしは一足先に宴会の準備だぜー！　飲み物の準備は任せろだぜ！」
　普段の訓練という名の常時酔っ払いのおかげで、朱蘭は、ある程度酔っぱらいながら料理を作れる。
「アイオは料理を作りますわ。料理なら得意分野です、いっちょやりますわ！」　
　家事全般が得意なアイオ・キャンドライトは、星屑を使った料理を作ることに。

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