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制服のジャケットが風を受けてそよいだ。
目の前をイチョウの葉たちが、とりとめのないおしゃべりをするようにひらひらひらと、昇って滑って飛んでゆく。
呉井 陽太
は無意識のうちに、ネクタイの結び目をかるく引き上げていた。
すっかり秋、か。
そろそろ寒くなってきたものの、まだ過ごしやすい日が続いているせいか、つい忘れていたように思う。
イチョウの色から陽太は、ある女性の髪色を連想した。
――ナターシャさんはどうしてるだろう。
そんな思いが招いたか、陽太の足はつい、はじめてナターシャと会ったカフェへと向かっていた。
シーサイドタウンの一角、あれはたしか図書館の帰りだった。借りた本を読むのが楽しみすぎて、家まで待ちきれず入った店だ。
シアトル発祥の有名なチェーン店なので、長蛇の列とまではいかずとも、カフェどきにはそこそこ混んでいる。
「コーヒーのホット、ええ日替わりをお願いします。トールサイズで」
プラスチックのフタがついた紙カップを持ち、空いている席を探してぶらぶらとする。
「陽太さん?」
聞き覚えのある声に呼び止められた。
振り返るまでもなく、陽太はその声の主が誰かわかった。
「ご一緒しませんか?」
彼女は言ったのだ。
「あ、嫌じゃなければ、ですけど……」
なんていうか、と陽太は切り出した。
「お久しぶりです。お見舞いのとき、以来ですかね。香川博士の」
そうですね、とロシア語なまりの口調で
ナターシャ・カンディンスキー
はうなずいた。
「博士は……」
「……聞きました」
手術を受けるも、香川王堂は還らぬ人となったとのことである。
故人の希望にしたがって葬儀のたぐいはせず、彼の弟道太郎が遺灰を海に撒いたという。
ナターシャは視線を外し、窓の外に目を向けた。
陽太は彼女の視線の先を追う。
ビルとビルの隙間から運河が見えた。
運河のたどり着く先、海も。幽(かす)かながら。
二十秒か三十秒くらい、そのまま黙っていたと思う。
「最近は……」
なにげなく陽太は口を開いた。
「どうですか、生活は?」
「ぼちぼち、ですね」
どうやらナターシャはこの言葉が好きらしい。
「仕事は、短期間ながらひとつ受けました。気が進まなくて途中でやめましたけれど。幸い蓄えがあります。今日明日に急に倒れるということはないと思います」
「困っていることとか、ありませんか?」
「困っている?」
ニュアンスをつかみかねたらしく、ナターシャは小首を傾げた。
「あぁ、いや、本当に聞くくらいしかできないし、たいしたことも言えないんですけど」
コーヒーを一口して、陽太は続ける。
「以前から、漠然としながらも、ナターシャさんの言葉のところどころに悩みや迷いがにじんでいた気がするから、それが気がかりなんですよね……」
ナターシャはまばたきして陽太を見つめ、言葉を心の中で反芻しているかのように口を閉ざして、やがて、告げた。
「そう、ですか。そんな印象、受けて?」
いささか他人行儀な声色に聞こえた。これ以上踏み込むことを、いくらかは躊躇させるほどに。
それでも、こうして期せずして再会できたのもなにかの縁だ、と陽太は胸の内を明かすことに決めた。
「お見舞いのとき」
「はい」
「ナターシャさんは、『よかった』っておっしゃいました。それがオレには不思議に聞こえて。それに、前にですけれど、自身のことを『この状態で』って言っていたようにも思います……なんていうか、明かしたいけれどためらっていることが、ナターシャさんにあるように思えたというか……」
ええと、と陽太は鼻の頭をかいた。こんな遠回しな言い方をしたかったわけじゃない。
でも、だったらどんな言い方がふさわしかったのだろう。
「すみません、困ってることがないか聞いておいて、急にこんなこと言われたら困りますよね……!」
いいえ、と言うようにナターシャは首を振った。
「陽太さん」
「……はい」
ナターシャに怒っているようなところは、ない。
けれどとても真剣な顔をしている。
「あなたに特殊な能力があることを、私は知っています」
「そうですか、当然ですよね」
一連の事件があったのだから、と思う。
「私にも、あります」
「『ろっこん』が、ですか?」
「わかりません。同じかもしれませんが」
言い淀む。ごまかすというより、自身でも理解していないのだろうと陽太は判断した。
「私がその『能力』です」
「え?」
「つまり、ドクター香川のボディーガードをつとめていた『ナターシャ・カンディンスキー』……酷薄なエージェント、けれどもドクターのことを愛していた女性が、ここにいて陽太さんと向き合っている『私』という別人格を帯びているのです」
「二重人格ということですか」
「同じ人間の性格が豹変する、という意味ならちがいます。別人、という意味なら、きっと正しいと思います。……本体は彼女で、私は彼女が生み出した別人です。こういう人間を『DUAL(デュアル)』を呼んだりするそうです」
見てください、とナターシャはシフォン生地のブラウスの袖をまくった。
白い腕だ。きめ細かな肌。そして細い。
「こんな腕だから、私はさして重いものは持てません。ですが私が『彼女』に復したとき、腕の太さは急変します。筋肉がついて、なんというか……体操選手みたいに。見た目だけじゃなく、いわゆる殺人術に長けた腕になります」
陽太もそんな話を聞いたことがある。多重人格者の人格が切り替わるとき、体つきまで変化すると。
「ひとつ質問があります」
陽太は言った。
「ナターシャさんは、その『彼女』……つまり博士と一緒にいた人格のことを『本体』と言いました。自分はその本体に生み出された別人だ、って……でも、オレが目にしたナターシャさんはいつも……」
「ええ、『私』ですよね。そうです。このところは私のほうが優位です。立場が逆転してしまい、私が黒い覆面をつけてようやく、『彼女』のほうに戻ることができるという状態になっています。いずれ『彼女』のほうは消えてしまうかもしれません」
「それは……『彼女』がそれを望んでいるからでしょうか?」
ナターシャは否定も肯定もせず、あいまいに微笑してマグカップに唇を付けた。
「陽太さん、ここを出たら少し、歩きませんか?」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
バトル
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年10月23日
参加申し込みの期限
2019年10月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年10月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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