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後頭部を病院の壁にこつんとあてて、華露蘿は静かに息を吐いた。
病院内の白い、殺風景な廊下。照明は暗い。
待合用の椅子に華露蘿と、蔵人はならんで腰を下ろしていた。
美佳の命に別状はないという。発見が早かったおかげだ。胃は洗浄したらしい。
少し前まで、華露蘿は桐太を膝に乗せていた。美佳の意識が戻ったと聞き、桐太は華露蘿の膝を滑り降りて病室に行ったのだった。
「よかった……」
「いやはや、すぐに行って正解だったよ。あんなさんのおかげだね」
「それに、南戸河さんが窓を割ってくれたおかげでもあります」
「我ながら無茶したなあ。あとでお隣さんに謝らないとね……植木鉢ぶん投げちゃって……」
乾いた笑い声を蔵人は上げた。
蔵人と華露蘿は互いの情報を交換した。どちらかが欠けていたら、最悪の事態になっていたかもしれない。そう思うとぞっとする。
桐太を呼びに来た警官は二人連れだった。うちひとり、女性警官は少年につきしたがい、もうひとりはしばらくこの場に残って、華露蘿と蔵人に事情を聞いていった。
そのとき明かされたのは、遺書が見つかったということだった。
美佳は十代で桐太を身ごもり結婚、すぐに離婚して別の男性(桐太が『お父さん』と呼んでいるのはこちらだ)と暮らしはじめるも、しばしば激しい暴力をふるうこの男から逃げるようにして寝子島に来た。いくつかの職を転々とするもうまくいかず、ようやく契約社員の身分を得たと思った矢先、勤め先の経営難で雇い止めになった。それで将来を悲観して……という内容だったそうだ。
自殺未遂――これまで華露蘿には縁遠い言葉だった。それだけにショックは大きく、いささか放心している。美佳が自分と同世代だということも、そのショックを重くしていた。
うーん、と左右の膝に肘を乗せて蔵人はうなった。
「ひとまず危機は脱したけど、原因何とかしないとまたやるでしょ? どうすんのよ……お金の話だったら多少は何とかできるけどさぁ……絶対それだけじゃないよね……」
生活苦という一言だけで説明できるようなものではないだろう。
――うわやっばい泣きそう。
蔵人は眼鏡を外し、汚れをぬぐった。
赤の他人の話なのに、偶然あの時間帯にあの場所を歩いていなかったとしたら、気がつかぬまま通り過ぎていた話だというのに、それでも、知ってしまった今では、胃が痛くなるような思いに駆られている。
「後は警察に任せて帰るって気分にもなれないし……」
「……私たち以上に、桐太くんは辛いでしょうね」
華露蘿の表情も冴えなかった。アクアマリンのきらびやかなドレスを着ているというのに、まったく浮かれた気持ちにはなれない。
あんなにはあえて、まだ連絡はしていない。途中でこの情報を入れたらきっと、心穏やかに仕事ができないだろうから。まみ子にメールを送ると、『店は大丈夫。必要なだけそこにいて』という短い返事が返ってきた。
ああ――と、蔵人は自分の髪に指を入れ、くしゃっとやった。
こんなとき物書きなんて無力なもんだよなぁ! ほんとなぁ!
ここでゴッド持ってる南戸川蔵人さんは、自分の著作よりお母さんの問題を解決するいい感じの言葉を引用し平和が訪れるのだった。めでたしめでたし。
……なんて想像ならさらっと出てくるけど、実際には絶対、そんな展開にはならないともわかっているから。
そういえば、ハンチング帽はどこにいっただろう。
結局,と華露蘿は思う。
今夜の勤務はお役御免となった。
「そんな話の後じゃ、仕事どころじゃないでしょ?」
電話でまみ子が言ってくれたのである。
「店には話通しておく。バイト代なら心配しないで。ちゃんと出せるように……」
「いえ、そんなのなくていいんです」
それよりも、とこのとき華露蘿は言ったのだ。
「あんなさんには……?」
「……店が終わってから知らせるよ。仕事中に教えても気分が沈むだけだしね」
どうしたらいいだろう、華露蘿は天井を見上げる。
どうしたらいいだろう、蔵人も床を見つめている。
「お母さん、ちゃんと話ができたよ」
戻ってきた桐太が、穏やかな表情をしていたことだけが救いだ。
「それでねお母さん、ごめんなさい、もうしない、って言ったよ。おかしいよね、それって、いつもぼくが言ってることなのにね……」
こらえきれなくなったのか、桐太はぽろぽろと涙をこぼしはじめた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
バトル
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年10月23日
参加申し込みの期限
2019年10月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年10月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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