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秋晴れ――。
窓の外にひろがる空は、うすく溶いた水彩絵の具のようなブルー。きっと宇宙までとどいているのだと、素直に思ってしまうくらいに高い。
ストッキング越しにふれる風は、暑くもなく寒くもなくて、秋という季節の到来を、カレンダーより詳しく教えてくれる。
あと何日もしないうちに、と
御巫 時子
は思う。
十一月がくる。
そして。
驚かせないように、入ります、と言ってから時子は、化学実験室の扉を開けた。
「ああ、はい」
心ここにあらずといった口調で、扉越しに返事があった。
「どうぞ」
「失礼します」
御巫さん、と彼は言うけれど、顔はビーカーの上から一ミリも動いていない。かすかに震える手でスポイトを、ビーカーの上にもっていく。
時子も口を閉ざし息を殺した。
一滴。
ぴちゃっという音が聞こえるほどの静寂だった。
「……ふぅ」
緊張から解放されたらしく、
五十嵐 尚輝
は左手でネクタイをゆるめて椅子に背をあずけた。ビーカーのなかの透明な液体が、ゆっくりと今日の空みたいな色に変わっていく。
「これで翌朝までこのままで大丈夫……と。ごめんなさい御巫さん、少し気をつかう実験だったもので」
尚輝は顔を上げ、うっすらと微笑した。
その笑顔を時子はかわいいと思う。
歳上、それも、自分とくらべれば倍ほど上の彼だというのに、そう思ってしまったのだから仕方がない。口に出しては言わなかっただけ、よく我慢したといっていいくらいだ。
「コーヒー、淹れましょうか」
「え? いやいいですよコーヒーなら僕が……」
「かまいませんよ。私、慣れてますし」
実験室奥の扉を開けると隣接する用具室の棚から、時子はコーヒーメーカーと豆をとりだした。豆は時子が買ったもので、あと三分の二くらいしか残っていない。もう目をつぶってもわかるくらい熟知しているから、メーカーから湯気が上がるまでポップス一曲分の時間もかからなかった。
「そういえば」
リズミカルにぽこぽこ鳴る水音を聞きながら、時子は尚輝の正面に座った。
あと何日もしないうちに十一月がくる。
そして。
「尚輝先生のお誕生日が来ますね」
「ああ」
すっかり忘れていたようで、尚輝は指人形のように首だけでうなずいた。
「そういえばそうでしたね。僕ももう三十五歳か……」
どこまでそう思っているのかはわからないが、いくらか感傷的につぶやく。
「以前、ほら、『何でもない日』のときにも訊きましたけど、先生にはほしいものって、ありますか?」
うーん、と尚輝は頬を人差し指でかいた。
「もしかして誕生日プレゼント、ってお考えなら御巫さん、そんな気をまわしてくれなくていいですよ、ぜんぜん。ほら僕、大人だし、一応、ほしいものがあったら自分で買っちゃいますから」
と言いながら実験レポートらしき用紙をたばねて、尚輝はペーパークリップで留めている。ちょっといいクリップだ、赤い色の。学校の備品ではなく自分で購入したものらしい。素敵な店員がいるあの文具屋さんで買ったものだろうか。
コーヒーができあがった。
「尚輝先生、どうぞ」
尚輝は面倒がってビーカーに入れたりしているようだが、今日は時子が白いティーカップとソーサーを用意している。といっても色彩感覚のない白一色のティーセットだ。
ふたつに注いだところで、尚輝が軽く手を打った。
「あ、そうだそうだ。先日、物理の四十九院先生にもらったお土産があったんだ。なんかカワウソ柄の焼き菓子で……取ってきます」
「先生、そんなもったいないですよ」
「いいえなんだか沢山あるので持てあましてたくらいです。たしか職員室に置いたままです。すぐ戻ります」
いそいそと立ち上がる尚輝を、お気づかいなくと見送って、時子は尚輝の置いていったものを観察する。
クリップがちょっとめずらしい以外は、とりたてて目立つものはない。ボールペンは百円均一でも売っていそうなありふれたものだし、レポート用紙も特徴はない。
気になるものといえば、飾り気のなさすぎるコーヒーカップだが、
――かわいいカップをプレゼント、私と色違いのおそろいなんですよ……なんて。
さすがに大胆すぎるかと、うっすら赤面してしまう。いきなりペアカップというのはいささかフライング気味だろうか。
だったらネクタイだろうか。先生は万年、ビリジアンの柄なしネクタイを締めている。何本もっているのだろうか。飽きないのだろうか。
でも、それがお気に入りなのだとしたら。
迷う。選びに選んで渡しても、娘から派手派手な柄のネクタイをプレゼントされたお父さんのように、尚輝は苦笑いするかもしれない。
私、尚輝先生のことなにもわかってない、かも……。
時子は頬杖をついていた。いつも見ているはずなのに。先生の表情や仕草や言葉など、いつでも思い浮かべることができるのに。
近いからわかっていないのか、それとも、思っているほど近くはないのだろうか。
落ち込みそう、と時子が視線を落としかけたときにちょうど、尚輝が菓子箱を手に戻ってきた。
「これなんですよ。変わってますよね、カワウソがプリントされたマドレーヌなんです」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
バトル
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年10月23日
参加申し込みの期限
2019年10月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年10月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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