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#彼女の曖昧な考察 ~ウィッチクラフト~
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【清廉なる夜明け】
時間の感覚はおぼろげ。けれど、朝が近づいているのでしょう。
落合 まゆら
は窓の外に見える空へ混ざり始めたオレンジの光に、それを悟りました。
「夜が明ければ、夢も覚めるはず……覚めるわよね?」
奇怪な顎を持つ異形に一晩中追い回され、今やっとその気配も失せたところです。あれは光を嫌うのでしょうか? 大きな窓から朝陽を望むこの大広間は、どうやら安全に思えました。
「夢。夢、ね」
ぽつり。
朝鳥 さゆる
は時おりそんなふうに、誰ともなくつぶやきます。
まゆらにとっては埒外なこの状況にも、さゆるの精神は塵ほどに揺らぐことさえないようです。そのことがまゆらには何だか恐ろしく思え、彼女の怯えを加速させる一因ともなっていました。
それでも広間へ差し込む光条に、かすかな希望を胸へと取り戻すことができたのは、暗がりに翻弄されてきたまゆらの精神をいくらか安定させてくれました。
「あっ。これは……?」
屋敷にわだかまっていた暗澹とした闇が多少なりと切り裂かれた時。
そこへ現れたのは、かつてこの洋館を象徴していたのでしょう、壁に並ぶ何枚もの肖像画でした。
「ここに住んでいた人たちの……? でも」
まゆらは眉をひそめます。
肖像画には、いずれも顔がありません。
めちゃくちゃに破かれていたり。
黒く塗りつぶされていたり。
刃がおびただしく突き立っていたり。
焼け焦げていたり。
「どうしてこんな……」
「彼女が、やったのでしょうね」
さゆるが目線だけで示した先。たった一枚だけ、顔の見える肖像画。
若く、美しい女性でした。蝙蝠柄の和服を着込み、顔に浮かべたのは微笑みでありながら、けれどどこか目つきは険しく、妖艶な中に危険な棘を内包しているような……どこか恐ろしい女性に、まゆらは見えました。
「……赤坂 真理子」
「え?」
さゆるの口にした名に、聞き覚えはありません。
「知ってるの?」
「魔女の名、でも覚える必要はないわ。もう二度と会うことは無いから」
そっけない答えに、まゆらは腑に落ちないものの、さゆるはそれっきり何ら実のある言葉を口にしてはくれませんでした。
ただ肖像画を通してどこか遠くを眺め、独白めいてつぶやいたのみ。
「そう。夢を追い、夢の果てまで潜りこんで、夢に溺れた。ただの哀れな、取るに足らない女……」
思わず二人、山裾の朝を満たす凛とした空気を思い切り吸い込んで。
「出られたー!」
「デース!」
キッチンの裏の勝手口のようなところから、
白 真白
と
アカリ・ゴールディング
は脱出を果たしました。
「結局、あの女の子が魔女だったのかな……?」
「謎解き要素のあるイベントだったのデースネー。でも残念ナガラ、アカリにはよく分からなかったデース」
けらけらと笑うアカリの素朴さに、真白は感謝しました。彼女の底抜けな明るさなしに一人で行動することになっていたなら、すくんでしまったかもしれません。
「あっ!」
「うぇ、な、なに!?」
「楽しくて、探検用に持ってきたお弁当を食べるの忘れてマーシタ! いっしょに食べマースカ?」
「えっと、確かにお腹は空いたけど。ここで食べるのは遠慮したいかな~……」
山裾へ並ぶ樹々の隙間から覗く水平線の向こう、昇る朝日が目を射します。
夜が明けても変わらず人形、護符、タリスマンなどがおびただしく飾られた森の中、山裾の出口へ向かい歩き始めようとしたところで。
「わ、ガイコツだ……本物かなぁ」
「本物みたいに、良くできてマースネ!」
アカリの純真無垢をよそに、真白にはそれが精巧な偽物とは思えません。
樹のうろに頭から突っ込み果てたような白骨のかたわら、無造作に。
「……? なんだろ、これ?」
なぜ、拾い上げてみようと思ったのか。やけに興味を惹かれ、折りたたまれた紙片を真白は拾い上げます。
黄ばんでいて、端は破れ、文字はかすれていたものの、かろうじて読むことができました。
「ええと。『特異現象を確認するも、既に収束済みの模様。有用なオブジェクトの発見なし。簡易記録のみで調査終了とする』……? なんだろ、このマーク」
紙片の最後に記された、六本指の印章。
その意味を解する者は、この場には在りません。
「日本のハロウィン堪能シマシター。さあ、お弁当お弁当♪」
「あ、ちょ、待って待って!」
真白は紙片を再び折りたたむとポケットへ納め、揚々と歩くアカリの後を追いました。
数日の後。
「屋敷は……あった」
志波 武道
は再び、樹々のヴェールに覆われた山裾の洋館を訪れました。
秘子と共に立ち去る際、目印に残しておいたハンカチをたどると、館は確かにそこへ佇んでいます。
けれど、
「あったが……違う」
数え切れないほどに吊るされていた人形や魔術用具も。奇怪な儀式の痕跡も、血痕や白骨の類も。
館の形はそのままに、非現実的なあらゆる物や現象が、徹底的なまでに排されていたのです。
いいえ。
「話に聞いたとおり、か」
その後情報を集めるうち、ねこったーなどを介して出回っていた当時の新聞の切り抜き画像を、武道もいくつか目にしていました。
武道や仲間たち、ここへ踏み込んだ彼らが目にしたようなあれこれが初めに目撃されたのは、ずっと遠い昔のこと。
洋館に暮らした一家全員が謎の失踪を遂げ、警察が踏み込んだ時、飾り付けられていた怖気を振るう全てを、彼らが取り払ったのです。
「どこまでが今で、どこまでが過去だったんだ……?」
今は護符の一つもそこには見当たらず、静謐な森に聞こえるのは鳥の声と武道の息遣いのみ。
その後しばし洋館の内外を探索してみたものの、目を惹くような何かを見い出すことはできませんでした。
ふと、振り返り。
「…………ああ」
樹上に覗くのは、抜けるような青空。少し歩けば丘に出て、シーサイドタウンの街並みの向こうには寝子ヶ浜海岸が一望できます。
緑の香りをはらんだ風を浴びながら、武道は山を下りていきました。
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あとがき
担当マスター:
墨谷幽
ファンレターはマスターページから!
墨谷幽です。『彼女の曖昧な考察』第三弾のリアクションをお届けいたします。
『魔女』という言葉こそもはやポピュラーですが、調べれば調べるほどにその奥深さを知ることができますね。
魔女の歴史はとても古くて、古代のシャーマニズムやアミニズムにも端を発し、その営みは現代にまで続いていて、今では様々な魔女宗(ウィッチクラフト)に枝分かれしている……そうです。決して過去のものではないんですね、魔女って。
ご存知のように、時代によっては魔女は社会的にも重大な意味を持っていて、権力者の采配を左右したり、ヨーロッパ中で魔女狩りが行われたりもしたわけです。
そういった深みが、創作の題材としても多用な物語の素地をはらんでいて面白く、私もよくネタにしてしまうのでした。
今回は、とある魔女が暮らした洋館を舞台に恐怖体験してみよう、というお話でした。
シナリオのコンセプトとして、タイトルどおりに『曖昧』に留めている部分もありますが、読後にもいろいろと想像したりして、楽しんでいただけましたら幸いです~。
それでは、今回もご参加いただきましてありがとうございました!
また次回のシナリオでもお目にかかれますことを、心よりお待ちしております~。
お疲れさまでした!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
ホラー
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年10月15日
参加申し込みの期限
2019年10月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年10月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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