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#彼女の曖昧な考察 ~ウィッチクラフト~
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【夢境】
ああ、と。
落合 まゆら
の喉からは絶え間なく、行き場を無くして腹から押し出された吐息が漏れ出しました。
「声が……誰が、何を。声が聞こえる。でも大丈夫、夢だから。これはただの夢……夢、だから」
まゆらの浮かべた表情は紛れもなく笑みでありながら、その頬には雫が伝いました。
夢。これは夢。そう思いながらも。
「ねえ、誰? 誰なの? どこにいるの? 声……声が……」
「…………」
朝鳥 さゆる
はそんなまゆらを横目に見据え、取り出したのは一振りのナイフ。といってもペーパーナイフで、先ほど気まぐれに踏み込んだ部屋のデスクで見つけたものです。
切り裂くことはできなくとも、突き立てることはできるでしょう。
ことに目の前の闇へぼんやりと浮かび上がった、この奇怪な存在などには。
「あ。あ……」
まゆらは言葉を無くし、さゆるはペーパーナイフをゆらりと構えます。
すう、と目を細めて。
「悪いわね。お邪魔しているわよ。出て行けと言われても、聞くつもりもないけれど」
女性。そう見えました、ひとまずは。
かつてはきらびやかであったろうほつれたドレスを纏いながら、足元は素足。うつむくように前傾し、伸ばした手はまゆらとさゆるへ。
顔を上げれば、その半分は大きく開かれた口であり、らせん状にぐるりと生え並ぶ牙めいた歯列に、まゆらは気が遠くなりました。
眼球は無く、小さく押し縮められた鼻をひくひくと動かしています。
「こ、これは夢、これは夢。これは夢これは夢これは夢だから大丈夫大丈夫あたしは大丈夫」
「なるほど。あの歯型は彼女のものね」
屋敷のそこら中、ことに柱へ多く残されていた、奇妙な歯型。動物のものにも見えず、判然としなかったその正体に、さゆるはようやくにして得心しました。
歪な鼻が小動物めいてひくついて、真っ白に濁った瞳がふたりを見定めたかと思うと、
「っ、ひ……!」
まゆらの震えを加速させるけたたましい絶叫は、あたかも怪鳥のよう。
知能の片鱗をもはや感じさせない動きでこちらへ駆けてくる異形へ、さゆるは発動したろっこんの助けも借りて、ペーパーナイフを大きく開いた口内へと突き入れます。
「! ち」
ナイフは一瞬にしてかみ砕かれ、小さく舌を鳴らし、
「あ、うあっ、これは夢! 夢だから、これは夢だから! 夢っ」
「夢が現実にならないと、誰が決めたのかしらね」
ほんの気まぐれ。さゆるは怯え切ったまゆらの手を引き、異形から遠ざかるよう駆け出します。
女は壁へ、柱へ、そこらじゅうへ歯型を刻みながら追いすがります。
「甘やかな現実が終わりを告げたなら。夢にこそ、本当の狂気が潜んでいることだってあるのよ」
「そ、そんな……そんなの、あたしは。あたしは……!」
たまたまに同行する、まゆらを守ること。当然にして、親切心や庇護欲などではありません。さゆるにとって、それは都合の良い暇つぶし。
こんな夜も、たまには良い。
できることなら、意思の疎通を。などと、
サキリ・デイジーカッター
は漠然と考えていたものの。
「これは、言葉さえ聞こえていないだろうね……!」
赤くきらめくナイフが飛び、吸い込まれるように獣の胸へ突き立ちます。
いくつもの生物の特徴をまぜこぜに与えられた獣は、一瞬怯みこそすれ歩みを止めることはありません。
「さて、効いているやら」
何度切りつけても、何度叩き伏せても、獣は起き上がりこちらへゆっくりと迫ります。全身を包み込む火勢が衰えることさえなく、サキリらは執拗な追跡にさらされていました。
特筆すべき俊敏さを持つわけではなく、逃走に転じてしまってもいいようなものの。
「そろそろ逃げたほうが良いと思うんだけどね」
「まだなのですー。まだ良い画は撮れていないのですー」
物怖じしない
ゼロ・シーアールシー
が撮影の手を止めようとしないもので、サキリはそれに付き合うこととなった形です。
それに、
「謎団子をあげるので、秘子さんの場所をおしえてくださいなのですー。お願いしますーなのですー」
ゼロもまた、今は館のどこかにいるらしい秘子を探ろうとしています。つまりはこれが、彼女なりの手段であるようです。撮影はあくまでついでのつもりなのかもしれません。
「なら、サポートしてあげないと……ね!」
サキリはナイフを一振り、二振り。獣の内から十字型の炎が噴き上げ、咆哮。
「悪いけど、沈んでもらうよ」
旅鴉 月詠
は、そこらに落ちていた平坦で具合のいい木切れを拾い上げると、素早くラクガキめいた絵を描き入れ、
「どれ。一つ試してみようか」
それを獣へ放り投げます。
月詠のろっこんは、無機物を絵の中に封じ込めます。獣とて単純な実体ではないかもしれないし、生物でさえないかもしれない。それを確かめるための一手です。
「ふむ?」
木切れは獣の角にぶつかり、あっけなく弾かれ床へ落ちました。
「紛れもなくこいつはここにいる、ということか。とすると、魔女についての私の推測を修正せざるを得ないんだが」
「推測とは?」
ナイフを閃かせて獣の接近を阻み、ゼロをかばいつつのサキリの問いへ、月詠は手にしたぼろぼろの書物のページを繰りながらに答えました。
「魔女は、人の見る夢を研究していたようだよ。この手記によるとね」
「……夢?」
「夢から力を得る。夢を現実のものとする。そういった魔術を専門としていたようだ。これらはその産物か、あるいは予期せず生まれた実験体か」
獣が腕を振るえば炎が渦巻き、熱波がサキリの頬やゼロのなびく髪を焼き焦がそうと押し寄せます。
「夢を操る魔女。どこかで……おっと」
強烈な膂力が、サキリの手からナイフを弾きます。放たれたナイフまでいとも簡単に砕かれ、サキリはゼロを抱えて跳躍、距離を取ります。
「お化けさんー」
「危ないから、少し離れようか」
異形、怪異。
月詠は戦闘もそこそこに、サキリへ任せたままページをぱらぱらとめくり、ふとうなずいて、
「いや……そうか。専門とすべく研究していた、というところかな。この館を根城としていたのは、まだ見習い魔女であったのかもしれない」
「見習い? 見習いが、これほどの怪異を?」
人と動物の部位がパズルのように組み合わされた、異形の存在。こんなものを生み出すに至った魔女とやらの行使する術が手習い程度のものであると、サキリにはにわかに信じられません。
「本物の魔女なら、もっと突拍子もないことをしそうだしね。例えば、人の見る夢に手を加えて、夢の中に作り出した怪物の類を現実に出現させるとか。ともかくこの館や住人に儀式を施した時点においては、そんな魔術の境地には達していなかったのだろう。その後には大成して、何か事を起こすような大魔女となったのかもしれないがね……さてこの手記によれば、あの獣の弱点は全ての部位を霊的に繋ぎ合わせている、頭の奥の人形だそうだ」
「なるほど。了解!」
瞬間、サキリの手のなかにきらめいた赤い光が一直線に飛翔し、獣の頭部を深々と貫きました。
「あれれ。お化けさん、寝ちゃったのです? まだ秘子さんの居場所を聞いていないのですー」
「ひとまずそれは諦めようか。大丈夫、きっと見つかるよ」
獣は灰となって崩れ落ち、二度と起き上がることはありませんでした。
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担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
ホラー
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年10月15日
参加申し込みの期限
2019年10月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年10月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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