【生徒会選挙】歴代生徒会長からの挑戦状～リゾルブ・ワールド！｜リアクション

【生徒会選挙】歴代生徒会長からの挑戦状～リゾルブ・ワールド！

●りぞるぶ？　ねころぶ？　ねこさんわーるどひみつきち！　その２

　寝子島駅の『ひみつきち』。
「寝子島に来てから猫の動画や写真をよく撮るようになったんだよね。ここで役に立てるなら……」
　幸次はA4サイズに印刷して持ってきた写真で飾り付ける。
「撮影地と説明も一緒に書いておこうかな」
　マジックのキャップをきゅっと外して、写真に言葉を添えていく。
　『寝子島神社にて』『商店街の飼い猫』『駅前の集会所』……場所名を書き込むのと同時、撮ったときの風や匂い、空気感を思い出すか不思議だ。
　最後にこんなふうにタイトルをつける。
「『寝子島中を歩きながら、猫を通じて地球の生きとし生ける者について思いをはせてみませんか？』っと。
なんだか壮大な感じになったけどいいか、テーマに沿ってるだろうし。あとはマスキングテープで貼り付けて、……って花遊！？」
　振り向いて、幸次はわわっと仰け反った。
　猫の花遊が、赤や緑や水玉模様のカラフルなテープまみれになって転がっているではないか！
「テープがぐちゃぐちゃなんだけど、まさか引っ張り出して遊んだのか！？」
　また買いに行かなきゃ……と頭を過ぎったがそのまえに。
「テープまみれの花遊を一枚写真に収めてっと。これも展示させてもらうからね」
　幸次はそうして、苦笑いしながらテープを外してゆくのだった。

◇

　一方、シーサイド担当のタルトは、来た人に楽しんでもらおうと猫の餌や猫用おもちゃを用意して近所の猫を呼びこみ。
「おいでおいで～♪　いっしょに遊ぼうよ！」
　黄緑色でふさふさしたねこじゃらしおもちゃをふりり。
　食いついてきたのは、白い雌猫。
「あれれ？　ミラ？」
「あら……わたくしとしたことが。つい……」
　気恥ずかしそうに小首をかしげる青い瞳の猫は、たしかに白猫のらっかみミラである。
「頑張っていらっしゃいますわね」
「まあね。猫が幸せに暮らせる環境が、地球に優しい環境だと思うよ♪」
　ちょっと遊んでいく？
　タルトがほかの猫用おもちゃを取り出すと、ミラは猫の習性に逆らえず、
「はいっ！」
　とついつい遊んでしまうのであった。

◇

　夏朝はSNSなどを使って、逐次皆の状況をチェックしていく。
『みんな、調子はどう？』
『星ヶ丘、問題ないよ。タルトちゃんのイラスト、大好評☆』
『寝子温泉も順調。足湯の傍にパネル展示したらけっこう人に見て貰えてるカンジ』
　夏朝がいる寝子高もスタンプを押していく人が順調に来ていて、準備をしっかりしていたおかげかトラブルもない。
『この調子まで引き続きよろしく』
『了解』
『ラジャー』
　あおいや初たちから返ってくるスタンプが頼もしい。
　人の群れが落ち着いたら各地も回ってみよう。