化野原に寄りて在る｜リアクション

化野原に寄りて在る

テオが落神神社へ到着した時まず初めに目に入ったのは、２０人からの人間が地面に倒れ臥している様、それとその輪の中央に突っ伏した草堂鶴子の傍らに佇む、青灰色の長襦袢を着た髪の長い女の姿だった。
ふとその女はテオに気が付くと、にたりと笑み、濃い夜闇に溶けるようにして、ふうと消えた。
その後彼が目を覚ました者に何があったのか尋ねて回ると、皆一様に、『妖怪退治をしていた』と告げた。
大変な目に遭った、と不満を漏らす彼らに向かってテオは言った。
「いつもこんな風に、俺が何も言わなくても面倒事を片付けてくれると良いんだが」
と。

やはりテオが見かけたという青い女が、百物語の怪異・青行灯だったのだろうか。
それも所詮想像に過ぎず、真相を知る者は何処にもいない。
行き場の無い違和感だけを残し、百物語の怪は新月の闇の中に幕を閉じた。
それは、吹き消されたろうそくが一条、煙を残すのにも似ていた。

このページにイラストを設定する

あとがき

担当マスター：三三三
ファンレターはマスターページから！

皆さまお久しぶりです。
三三三です。
大変長らくお待たせしてしまいました。
本当に申し訳ありません。
心の底からの謝罪をいたします。

やはり怪談と言えば夏ということで、
本当ならばまだ夏と呼ばれる季節のうちに完成させたいところでした。
なんやかんやで季節は巡り既に秋。
らっかみタイムではまだ梅雨ですね。
なんだか丁度谷間に落ちたような心持がします。

今回登場いたしました妖怪たちのうち、名前の出ていないものもいるので登場順に列挙しておきます。
ちなみに妖怪を『妖怪』としているのは、草堂鶴子の人形であって本物ではないからだったりします。
※以下登場妖物
雑多獣妖集団
河童
カマイタチ
のっぺらぼう
おとろし
九十九神（百器夜行）
ろくろ首
鬼
鵺
化け猫
提灯お化け
野襖
化け傘
スネコスリ
ヒトダマ
モスマン
一本だたら
口裂け女
青行灯

次のシナリオはまだ考えてません。
情報はそのうちまた更新いたしますので、よろしくお願いします。
最後になりますが、皆さま本シナリオへのご参加誠にありがとうございました。
またのご参加お待ちしております。

↑ページトップに戻る