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寝子島ハロウィン☆デイズ!《寝子暦1370年版》
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黒と白のシスター服に身を包み、理紗子はレモンバーベナの茂みの前に立っている。
(まーちゃんの演奏、久しぶりに聴いた……)
親友の演奏を聴いてふわふわと弾む胸をそっと抑える。
非番であった今日、狭いワンルームマンションに閉じこもっていても仕方がないと思てハロウィンに賑わう街に出て、
──ハロウィンを、楽しんで行きませんか
温室カフェのバイトらしい少年から涼やかな声を掛けられた。衣装の持ち合わせがないから、と断りかけて、
──大丈夫、今日は特設衣装室もあるんで
隣にいたこちらもバイトらしい少年の太陽のように明るい笑顔に後押しされ、『ねこの庭』なる植物園につい足を向けてしまった。衣装室に待ち受けていた店員の女性に、きっと似合いますから、とシスター服を着せつけられてしまった。
シスターのヴェールで覆った黒髪の頭を揺らし、理紗子はハロウィンパーティの場に視線を巡らせる。シスターの衣装が気恥ずかしくはあるけれど、さまざまの仮装をした人々が、お茶を楽しんだり会話を楽しんだりしている場の端に立っているだけでも楽しかった。己の所在が無いような気がしてしまうのは、
(少し、疲れているだけだよね)
ふと思い出したのは、去年の今頃に入院していた元海軍の軍艦乗りだったというご老人の言葉。
──昔、『月月火水木金金』という軍歌があってね
休みなしで働く、というような意味らしいその歌は、現在に至っては休日返上で働く医者や看護師の姿を表しているようだと。
──確かに勤務医はそうですねえ
あのときは、そう苦笑で返した。
過労がたたって倒れたのは、老翁のその言葉を聞いて間もない頃。
(まーちゃんちでお世話になったのは、去年の今頃だった)
そうして、去年の今頃は、
(まさかあんな風にすれ違うことになるとは思ってなかった)
ひとつ思い出してしまえば次々に蘇る『あのとき』に、胸がズキリと痛んだ。ハーブの庭園が、ハロウィンを楽しむ人々の姿が、涙に滲んだ。
(いけない)
慌てて瞼を閉ざして涙をひっこめたとき、
「りさちん」
ぽん、と軽く背中を叩かれた。
振り返る。ひらりと軽やかに手を振る真瞭の姿に、引っ込めたはずの涙がうっかりぽろりと零れてしまった。
「どうしたの」
あまり驚いた素振りも見せず、取り出したハンカチで涙を拭ってくれる真瞭の、断裂を経て再び『親友』と呼べる関係性を取り戻した彼女の手の優しさに、理紗子は小さく嗚咽を零した。
「まーちゃん」
仲直り出来て良かった、そう言う代わり、真瞭の名を呼ぶ。
「出番、しばらくないから」
一緒にいるよ、と真瞭は笑った。
会場から少し離れたベンチに腰掛け、さっき真瞭が貰ったというお菓子を半分こして食べる。
りんご飴の不思議に刺激的な味に笑い合いながら、理紗子は真瞭の将来について問おうとしてやめる。楽団を辞めた後のことは、まだ聞かずにいよう。
(……わかったから。わかってるから)
この一年間、真瞭が楽団のためにどれほど心血を注いだのか。
「桜、桜っ」
「ん?」
寝子島のハロウィンイベントに誘ってくれた友人にハロウィンキャンディの包み紙を模したワンピースドレスの袖を引かれ、
水上 桜
は蝙蝠の髪飾りで結った黒髪を揺らして振り返った。
「ほらあそこ、さっき演奏してたひとがいるよ」
街のあちこちで行われているハロウィンイベントを色々と渡り歩き──仮装行列にお菓子の交換会にと巡り巡って後に辿り着いた『ねこの庭』では、はしゃぎまわった疲れを癒そうと夕空演奏会に耳を傾けた。その演奏会で素敵なヴァイオリンを聞かせてくれた大人な雰囲気の女性が、ハーブの葉陰に佇んでいる。
「声掛けてみる? 素敵な演奏でした、って」
アイドルを見つけたように目を輝かせる友人の視線を追ってから、桜はそっと友人の手を引く。その場を離れる。
「ともだちと一緒みたいだし、邪魔しちゃ悪いよ」
「そっか、そうだね」
歩を進める度に足元からも周囲からもハーブの香りが漂う庭を散策すれば、南瓜モチーフな魔女に黒兎耳な悪魔、オオカミ男な男子に連れられたミイラとスケルトン、黒猫耳の女の子、仮装した人々を次々に見かけることができる。
南瓜や蝙蝠や黒猫のオーナメントで飾られた小さな庭園をのんびりと眺めながら、桜は父親の仕事の都合で今はニューヨークに暮らす家族を思う。去年は弟と仮装行列に参加したりもしていたけれど、今年は完全に離れ離れなハロウィンだ。
(本場のハロウィンも教えてもらったけど)
町中あげての飾り付けも、通り一帯を封鎖しての大規模な仮装パレードも、日本のハロウィンとは気合いの入り方も規模もなにもかもが違うかなと実感したりもした。
(……うん、でも)
寝子島のハロウィン・デイズだって悪くない。
期間中、あちらこちらで行われたイベントを頭になぞる。寝子温泉の和風ハロウィンにイリュージョンランドの仮装サバイバルゲームに、──もしかすると本場のものとはきっと違うのかもしれない、もはやハロウィンと呼べるものではないのかもしれない。お祭り好きな人々による、ハロウィンにかこつけたお祭り騒ぎなだけなのかもしれない。
(でも、悪くないよね)
だって楽しい。
ここに来るまでの島の人々の顔を思い浮かべてみる。周囲にぐるりと視線を投げて仮装パーティを楽しむ人々を見てみる。みんなみんな、とても楽しそうに笑い合っている。
「由貴奈さん由貴奈さんっ」
暁の色にも透ける淡い栗色の髪を揺らし、ついでに黒兎の耳も揺らし、
卯木 衛
は跳ねる足取りで隣を見遣る。
「んー?」
おっとりとしたまなざしを向けてくれる
壬生 由貴奈
の今日の装いは、南瓜のカラーリングとワンポイントを取り入れた魔女衣装。
澄んだ秋の夕空の風に紅茶色の髪をなびかせる彼女がとても可愛い上に綺麗で、衛は掛けようとした言葉も忘れてほわんと見惚れる。
「うーちゃん?」
「由貴奈さんめっちゃかわいいです!」
思った次の瞬間には力いっぱい口に出して、衛は照れることも忘れて南瓜の魔女に仮装した由貴奈を見つめる。
(うわ~!)
魔女の尖がり帽子にはおばけ南瓜のワンポイント、黒いワンピースの肩に羽織るは柔らかな南瓜オレンジ色したショール、編み上げブーツにも茶目っ気のようにお化けや南瓜の小さなバッジ。
カワイイ、以外の言葉が思い浮かばず、でもそれ以外の言葉を探していて気がついた。
「カボチャの色と由貴奈さん髪の色、なんとなくこう、……」
手を伸ばす。指先で由貴奈の髪に触れる。ふわりと柔らかな由貴奈の髪に触れて、突如として猛烈に照れた。手を引っ込め、ついその場でじたばたする。言葉を探して見つからなくて、思い切って思ったままを口にする。
「こう、あってる気がして滅茶苦茶好きです」
「言われてみれば、うちの髪も赤茶色だからねぇ。かぼちゃの色と合ってるかも」
自分の語彙の少なさに困り果てる衛に、それでもめいっぱいの好きを伝えてくれる衛に、由貴奈は微笑んだ。
「うーちゃんとのデートだからねぇ、ちょっと頑張っておめかししなきゃー、ってー」
ふわふわと笑う由貴奈がやっぱりとっても可愛らしくて、カワイイ以外の言葉がやっぱり思い浮かばなくて、衛は由貴奈と笑い合う以外に出来なくなる。
「そう言ううーちゃんもいい仮装だねぇ」
大好きな由貴奈に褒められ、衛は思わずぴょんとその場で跳ねる。ハロウィン仕様な衛の衣装のコンセプトは、『なんか豪華な悪魔』。
黒兎耳に黒翼に、袖を捲ったシャツに合わせた指ぬき手袋、折り返しがチェックになった半ズボンにソックスガーターで留めた赤い靴下。ブーツのヒールは少し高めなものを選んだ。だって目線が高ければ、由貴奈と眼を合わせやすい。
「悪魔ってかんじ、アクセサリも凝っててうーちゃんによく似合ってるよぉ」
「雰囲気が大人じゃないですか!?」
期待を込めて由貴奈を見る。
(やっぱかっこいいって思われてーじゃん)
衛の心の声を聞いた気がして、由貴奈はかわいい、と言いかけた口を閉ざす。
「……うーん、かっこいい……かっこかわいいかなぁ」
「ぐ……」
「でも、ちょっと大人っぽく見えるかもだねぇ」
呻いたのも束の間、衛はぐっとガッツポーズ。似合っていると言ってもらえた。大人っぽく見えると言ってもらえた!
(っし!)
「……あれは兎耳ね……」
ガッツポーズをとる少年とそれを微笑ましく眺める女性とを木苺の葉陰から見遣り、
黒江 ナオ
は黒髪の頭につけたお気に入りの猫耳カチューシャに触れる。
(せっかくだから貸衣裳! ……と思ってたけど)
ライムグリーンの瞳に黒い睫毛の陰をちらりと落とし、すぐに上げる。
(残念)
秋の夕暮れの下にあってはふわりと温かい温室カフェの特設衣装室に用意されていた衣装の中には、ナオのお眼鏡にかなう衣装は見つけられなかった。
(なんかピンとくるのがなかったわ)
とはいえ、普段からつけている猫耳カチューシャに黒いチョーカーつきの黒いワンピースの姿は、これはこれでハロウィンっぽい。
(これでいいわよね)
柔らかなたれ目をにこりと笑ませ、ナオはまた周囲を見回す。今日は楽しいハロウィン、何が楽しいかと言えば、可愛い仮装をしたひとで町が溢れているのがいい。それになにより、
(猫耳仲間がいっぱいで嬉しいー)
白雪姫の仮装をした女のひとからもらったりんご飴を齧りつつ、ナオは頬を綻ばせる。お菓子も美味しい、お茶もとっても美味しい。
(毎日ハロウィンだったらいいのにな)
ちらりと思って、うん、と決意を固める。あたしが世界征服したら、毎日ハロウィンにしよう。
(いや、お菓子の準備があるから、)
やっぱり毎週日曜日とかがいいかな?
見た目は可愛い少女なナオは、十歳の少年らしい空想にしばらくふける。
毎週日曜日がハロウィンで、それと猫耳人口を増やそう。自分と同じに、猫耳をつけた人々が街を歩いていれば、それだけでとってもカワイイ。
(猫耳つけたら減税とかにしたらみんなつけるわよきっと)
きっと世界も平和になる、と大きく頷いて世界征服を目指したそのとき、
(あっ、猫耳の子がいるわ!)
当面、世界征服よりも大切な猫耳仲間を見つけた。
ワンピースの裾をひらひらさせて駆け寄るは、黒くて三角な耳をつけた年上のお兄さん。ズボンの尻尾はイヌ科じみてもふもふしているけれど、あの三角耳は猫耳に違いない!
「ねえねえ、その仮装とってもかわいいわね!」
ぱたぱたと駆けよって来た少女にぐるりと前に回り込まれて朗らかに話かけられ、
鴻上 彰尋
は黒い瞳をぱちりと瞬かせた。
「一緒に写真撮ろ!」
スマートフォンのカメラを構える小学五年生に、彰尋の左右にくっついていた、どちらも小学三年生なミイラ風ワンピースな妹と、スケルトンな服の弟は顔を見合わせた。
「ねっいいでしょ?」
人懐っこく話しかけて来る猫耳お姉さんに揃ってこくりと頷き、すすす、と兄の傍から離れる。どうぞどうぞと猫耳お姉さんの前に兄を押し出す。
「あっ、ちょっ、……」
戸惑う兄に、友達と一緒に行ってくると告げ、双子の妹弟はそう広くはない庭へと駆けだした。
「十九時前には帰るよ!」
ふたりの背中に慌てて声を掛けてから、彰尋は猫耳の女の子に請われるままに女の子の隣に並ぶ。
「はーいスマホ見て~」
インカメラで自分と彰尋の猫耳姿を写して確かめ、女の子は満足げに頷いた。
「かわいいー。どうもありがと!」
ひらりと手を振って駆けて行く女の子は、どうやら猫耳仮装の人を見つける度に片っ端から声をかけてツーショットを要求しているらしかった。
「あっ、ねえねえ、一緒に写真いいかしらー!」
次は黒猫の仮装をした女子高生に声を掛ける猫耳の少女を眺めつつ、
(……ねこみみ……)
彰尋は三角耳をつけた黒髪の頭に触れる。もふもふの尻尾を確かめる。立派な爪と黒い毛並みを貼り付けたブーツの爪先を見下ろす。
(オオカミ男には見えなかったかな)
ちょっぴり思案しながら、ハロウィンパーティの中心である植物園の一角へと向かう。今日のためにカボチャのカップケーキも用意してきた。お茶会を楽しみながら、年に一度のお祭りを楽しもう。
「トリックオアトリート!」
一緒に写真を撮った猫耳仲間な小学生の女の子にそう言って可愛くラッピングした猫型クッキーを手渡し、
宮祀 智瑜
は華やかに笑った。
「わ、かわいいー!」
いいの?、と見上げて来るナオに智瑜はクッキーがたくさん入った籠を示して見せる。
「みんなに配るつもりでたくさん焼いて来ましたから」
そうしてから、内緒ですよと悪戯っぽく笑って籠の奥から赤いクッキーを取り出す。
「悪戯用です」
唐辛子たっぷりな激辛クッキーは、けれどたぶんお蔵入りになりそうな気もしている。
次の猫耳仲間を探しに向かうナオを見送り、智瑜はハーブの間に延べられた煉瓦の小径を辿り始める。
(来てくれるかな?)
ハロウィンて何や、と首を捻るシーサイドタウンの元廃屋に住まう少しだけ風変わりな家族と飼い猫にハロウィンを説明し、ついでに『ねこの庭』でのイベントに誘ったのはしばらく前のこと。
(日暮さん、夕さん、こんちゃんと珠)
三人に渡す予定の甘いクッキーと、飼い猫の珠に渡すネコ用魚型クッキーも入った籠を片手に提げて、黒猫智瑜は夕暮れの庭を行く。
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阿瀬春
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
55人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年09月28日
参加申し込みの期限
2019年10月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年10月05日 11時00分
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