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寝子島ハロウィン☆デイズ!《寝子暦1370年版》
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「あら、」
ぱちりと瞬きした次の瞬間には砂浜に立っていて、
恵御納 理沙
は澄んだ湖水色の瞳をもう一度ぱちりと瞬かせた。
旦那様である
恵御納 久隆
と共、娘の
恵御納 夏朝
が寮生活をしている寝子島に向かうため、寝子電に乗っていたはずだった。ハロウィンデイズに盛り上がる島の様子に、楽しそうね、と久隆と笑い合ったかと思った次には、
「竜のお菓子……」
全身がカラフルなお菓子で出来た竜が暴れる砂浜に佇んでいた。しかも、
「あら、……あら~……」
いつのまにか若草色のエプロンドレス風な衣装を纏っている。これはいわゆる、時々テレビの宣伝で見たことのある、『魔法少女』な格好だ。
あらあらと自分の姿を見下ろしていて聞こえたのは、テオによる手短で不愛想な状況説明。
──食え
一言告げられ、理沙は海岸に暴れる竜を見遣る。テオはあれを食べろと言っている。確かに全身お菓子ではあるけれど、
「竜!? なんで~?」
一足先に竜と戦ったり時々齧りついたりしている少女たちの姿を確かめつつ、ハロウィンとはいえあまりに不可思議な状況に思わず声を上げたそのとき、──ひゅうん! と青くキラキラ光るソーダ水のレーザーが曇天の空を過った。と同時、きゃっきゃと楽し気に笑う声に耳をくすぐられ、理沙は金の髪を揺らして振り返る。
幼い男の子の声に聞き覚えがあった。
「冬夜君」
呟いた声は、声を追いかけて見仰いだ先、空中にふわふわ浮かんで飴玉の魔法のステッキを手にした幼い少年を見た途端に鮮やかに跳ねる。
姉である夏朝によく似た三歳ほどの少年は、まるで妖精のような衣装を身に着けて楽しそうに笑っていた。
「冬夜君なの?」
「おかーさん」
理沙の呼びかけに、少年は顔中でまた笑った。宙をふわんと飛び、理沙の胸に飛び込んでくる。
生まれる前に亡くしてしまった我が子を理沙は抱きしめる。神魂の影響によるものなのか、寝子島では、時折こうして会えるはずのないひととの邂逅が叶う。
理沙にとってはそれが例えどんなかたちであっても良かった。幽霊だろうが神魂だろうが、会えるはずのない息子に会えるのならば。
「おとーさん」
抱っこした冬夜が小さな指で指し示す方向を見れば、スーツ姿であったはずの旦那様がまるで狼男のような格好で立ち尽くしていた。
「旦那様、ここよ~!」
「おとーさん!」
少し離れたところで手を振る妻と、寝子島でだけ邂逅の叶う息子の姿を確かめ、久隆は眼光鋭くも見える黒い瞳を和らげた。
「……理沙、無事か? 冬夜も」
踏み出す度に甘いにおいを立てる砂を踏みしめ、妻子のもとへと急ぐ。
冬夜の姿を認めて悟った。ここは『普通』の場所ではない。
(隔離空間、というものか)
となれば、毛むくじゃらな狼男の姿も神魂の影響であるのだろう。
テオの声は聞こえておらずとも、久隆は大まかな状況を理解する。
この海岸が現実の世界と隔離されている原因は、おそらくは、海岸線に暴れるお菓子の竜。どこか見覚えがある気もするが、ともあれ倒さなければならないのは理解できる。
(何としても倒さねば!)
眦を決したそのとき、
「えっ、あれ……あの時の火竜なの……?」
ほぼ同時に同じことを思っていたらしい娘の声が聞こえた。
振り返る父の傍にぱたぱたと小走りに近づき、夏朝はいつのまにか変化していた七つ尻尾の金色長毛猫又な格好で勢揃いな自分の家族を見回す。
「おねーちゃん」
「冬夜君」
神魂の影響でまた出会うことの出来た大切な弟と笑い合い手を握り合い、そうしてから以前戦ったときよりずいぶん小さくなった上に変わり果てた火竜をちょっぴり遠い目で眺めやる。
(でも)
寝子ヶ浜海岸がテオの力によって現実と切り離されているということは、あの竜は今回もフツウを壊そうとしているということ。
(今度は逃がさない)
橙色の襟巻の裾と着物の上の黒い羽織の袖をラムネの香の風に揺らし、夏朝はほんの一瞬怖い瞳をする。
(……ここで倒して、)
低く唸りかけた声をぐっと飲み込み、小さく呟き直す。
「食べつくしてやる……!」
「そうね、食べきらないといけないのよ~」
理沙がおっとりと言い、抱っこした冬夜をよいしょと揺すり上げる。
「旦那様、夏朝ちゃん、……冬夜君も、一緒に頑張ってくれる?」
ふわふわした柔らかな笑みに決意を籠める母に、夏朝は大きく頷いてみせた。
「お父さんもお母さんも、冬夜君も、一緒に頑張ろう!」
「お菓子も……一緒に食べましょう!」
娘の心強い眼差しを嬉しく思いながら、理沙は頷き返す。抱っこしていた冬夜を砂糖の砂に下ろしてぎゅっと手を握り直し、いつのまにか持っていた魔法少女的なステッキを高く掲げる。
「とーやも!」
冬夜が真似して持ち上げた飴玉ステッキと魔法ステッキを交差させれば、ふたつのステッキの先にふわりと淡く光る綿あめじみた光が生まれた。ふわふわくるくると回転し、尖った先端の飴ドリルのかたちとなった魔法の光が、
「えーい!」
「えーい!」
ふたりの掛け声と共、レーザービームとなって宙を奔る。
「行こう、お父さん!」
七尾猫又な夏朝が手だけを鋭い爪の突き出した猫の手に化けさせて高く跳躍すれば、
「ああ」
狼男の膂力を駆使して久隆が砂糖の砂を蹴立てて駆ける。砂糖に多少足を取られはするが、そこは人間離れした脚力をもってすればどうということはない。
「こっちだ」
曇天の空に舞う綿あめのレーザーと娘にお菓子の頭を向けようとする竜に向け、父は低く咆哮する。砂糖の地面をどっしりと踏みしめる飴細工の鱗で覆われた脚に身体ごとぶつかり、次いで体重を乗せた拳を叩きこむ。ぱきん、と砕ける飴細工の鱗に、竜が独特な鳴き声を上げる。
「トリーーック!」
喚く竜には構わず、空中で身軽に宙返りした夏朝がトゲトゲ砂糖菓子背鰭のついた背中に降り立つ。猫の爪を鱗と鱗の継ぎ目に突き刺し、ぺりりと剥がして、
「……食べちゃうからね!」
思い切った風にぱきんと齧る。もぐもぐしてからちょっと嫌な顔をして、ぽりぽりもぐもぐ、うっかり美味しさに緩んでしまいそうな頬をムッと引き締め食べ始める。
トリック、と竜が鳴く。頑丈そうな顎を天高くもたげたかと思うと、氷砂糖の牙を剥きだし、大量の真っ赤な金平糖を勢いよく吐き出す。火炎弾じみてされる金平糖が向かう先は、
「お母さん!」
「冬夜!」
少し離れた砂浜に立つ夏朝と久隆の家族。
理沙が咄嗟に冬夜を庇うように抱きかかえる。その場から素早く逃れようと地を蹴り転がる。
「おかーさん!」
「大丈夫、」
泣きそうになる冬夜に、理沙はどこまでも優しく微笑んだ。火炎弾の欠片が飛んでくる衝撃に備えて身を固くしながら、笑う。
「お母さんは前より強くなったのよ……!」
「させるか!」
久隆が喚く。大人の胴以上はある竜の尻尾に身体ごと掴みかかり、狼男の咆哮と共、全力で引っ張る。金平糖放射の方角を僅かにでも変えようとする。
「やめろおぉおおッ……!」
夏朝も叫ぶ。着物の懐からねこシールを取り出しながら竜の頭に飛びかかる。振り飛ばされそうになりながらもその頭にシールを貼り付け、ろっこん『重く軽く』を発動させる。竜の頭をできるだけ重たくし、砂糖の浜へ一時的にでもがくりと沈ませる。せめても重みを増させようと、不安定な竜の頭の上で飛び跳ねる。砕けて散った頭の角の一本な硬いクッキーを空中でがりり、口でキャッチして噛み砕き、吼える。大切な母と弟を傷つけようとしたこともそうだけれど、
「ああもう美味しいのが余計に腹立つー!」
がおーとばかりに声を上げる七つ尻尾な猫又お姉さんの足元、踏んづけられた竜の頭が今にも持ち上がりそうにぐらぐらと動いている。狼男な男の人に押さえつけられた尻尾もすぐにも振り回されてしまいそうだ。
(オレのろっこん、効くかなぁ?)
気絶したまま目を覚ましそうにないマンボウくんを背中に庇いながら、瑠樹はちょっとだけ考える。ともかくもやってみようと傍らのマンボウくんを見つめる。ほんわり心を和ませる。
(マンボウくん、可愛いねぇ……和むなぁ……)
瑠樹のろっこん『ゆるゆる和みと恩恵の輪』は、周囲の人々の精神を著しく和ませ脱力させるもの。加えて進化能力は、その効果の対象を特定させる。
(……あのお菓子竜もたーくさん和んでほしいなぁ!)
ほんわかほわほわ、瑠樹のろっこんの力がお菓子の竜に作用したのか、今にも再び動きだそうとしていた竜の動きがしんなりした。動きを止めた竜のもと、大暴れする竜の勢いに押されてしばらく退避していた魔法少女な黒髪のお姉さんともうひとりの金髪のお姉さんが再突撃する。竜の身体をぺしぺし叩いたりキャンディ・レーザーで砕いたりして両手いっぱいにお菓子を確保し、
「大量確保したよ!」
「一緒に食べるデース!」
瑠樹のもとにも届けてくれた。
「わぁ、ありがとぉー! 食べちゃうよぉ」
カリカリ糖衣に覆われたパイ生地の鱗に、ガリリと噛めば豊潤なバターの香が口いっぱいに広がる硬いクッキー。お姉さんたちから貰ったお裾分けをもぐもぐ食べて、瑠樹はほわほわと顔を綻ばせた。
「おいしいねぇ、……ん?」
視界の端っこ、黒いワンピースに首に結んだ赤いリボン姿の女の子に気づいて、瑠樹はふわんと首を傾げる。よっぽどお腹が空いているのか、女の子は砂浜にしゃがみこみ足元を埋める砂糖を手づかみでもぐもぐしている。
「おやめくださいお嬢様!」
可愛い女の子の姿をしているのにあんまりはしたないその仕種に、女の子の後を追いかけて来たらしいオレンジのタイに紺色のスーツ、南瓜のコサージュつきのシルクハット姿の執事っぽいお兄さんが困った声をあげた。
(……あれ?)
やめて黒猫さん、と言おうしたはずの口を手袋の片手で抑え、
万条 幸次
は眉を寄せる。
突如として聞こえたテオの声に導かれて海岸に向かう道すがらに一緒になったどこかの飼い猫らしい黒猫さんが、海岸に到着した途端に神魂の影響を受けてか人の姿になったことにもびっくりしたけれど、
(俺も、この格好は一体……)
ひとの姿をハロウィンっぽく変えてしまう神魂の力は、外面だけでなく内面にまでも働き過ぎなほど働きかけているらしい。
(今ならおいしい紅茶淹れられる気分だよ)
幸次の声に一瞬尻尾をぶわりと膨らませたかと思うと、黒猫が変化した赤いリボンの女の子は、足元の砂糖から波打ち際のお菓子の竜へと狩猟対象を変更したらしい。
気まぐれな猫の動きそのままに元火焔竜へと突撃しようとする黒猫さんを、幸次は必死に抱き止める。
「お嬢様、お嬢様っ!」
「闘うにゃ、食わせろにゃー!」
「承知いたしました、致しましたからお静かに! 対処が必要なのは確かですし、とにかく接近してみましょう……!」
猫の狩猟本能なのか、巨大な竜相手でも怯む様子も見せない黒猫お嬢様を確保しつつ、幸次は今は何かしらの力で動けないらしいお菓子の竜のもと、安全と思われる距離を保って近づいてみる。
狙うとすれば、狼男の格好をした屈強な男性が抑え込んでくれている尻尾の付け根あたりだろうか。
「今にゃ! 今じゃなくても今にゃのにゃ!」
胴を抱える幸次の腕に爪を立てて脱け出そうとする黒猫お嬢様の力が爆発する寸前まで抑え込み、
「行ってらっしゃいませお嬢様っ!」
鳥を空へ放る勢いで少女の身体を放つ。少女のかたちをしながら猫の軽さの黒猫お嬢様は、猫の動きそのままに宙に跳ね、猫の本能そのままな食らいついたら離さない執念と食欲で以てお菓子の竜へと飛びかかる。
元猫であっても、神魂の影響を受けて人の姿となった今は人間のお菓子だって平気に食べられる。であれば食べるのみ。お腹いっぱいになるまで、もといお腹いっぱいになっても食べ尽すまで──!
「にゃー!?」
「吹っ飛ばされたー!?」
尻尾を食い千切らんとばかりに飛びついた黒猫お嬢様は、タイミング悪く動きを回復した竜が怒りと力任せに振り回した尻尾にぺしーんとはたかれ宙に舞った。
「すまん!」
尻尾を抑え込み切れず黒猫お嬢様と一緒に宙に舞った狼男が幸次の近くにずしんと着地する。
「いえ、お気遣いなく!」
「お腹空いたのにゃー!」
吹っ飛ばされてきた黒猫お嬢様を幸次はお姫様だっこ体勢でキャッチする。安堵の息を吐く執事には構わず、黒猫お嬢様は猫耳と尻尾の毛を逆立てて怒った。
(うん、まだ食べられてないよね)
黒猫お嬢様をそっと地面に立たせ、幸次はまるでふたりでダンスを踊るかの如くその両手を恭しく取る。砂糖の砂浜にも構わずくるりと舞う。
(もう一回行くよ)
優雅に戦闘態勢に入る幸次と黒猫お嬢様に合わせ、久隆が地を蹴った。もう一度、竜の尻尾を抑え込みにかかる。
「メインディッシュはこちらの竜でございます」
「にゃ」
「心行くまでお召し上がりくださいませっ!」
「にゃー!」
くるりと舞った勢いを殺さず、幸次は再度黒猫お嬢様を竜目がけて投擲する。放物線を描いて宙に躍った黒猫お嬢様は、久隆が数秒の間押さえつけることに成功した竜の尻尾に今度こそがぶりとかじりついた。
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3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
55人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年09月28日
参加申し込みの期限
2019年10月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年10月05日 11時00分
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