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寝子島ハロウィン☆デイズ!《寝子暦1370年版》
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ハロウィンと言えばお菓子。
お菓子と言えばハロウィン。
異論は認めない。少なくとも、機会があればその細身からは考えられない大食らい性能を遺憾なく発揮する
楡宮 遠海
にとっては。
(南瓜のマフィン、ぱちぱちキャンディ入り綿あめ、)
魔女の仮装に大きな籐籠、籠の中には寝子島ハロウィンデイズに賛同した駄菓子屋にケーキ屋に食堂に雑貨屋、あちらこちらと巡りに巡って集めに集めたお菓子がいっぱい。
(こうもり型キャンディ、南瓜クッキー、黒猫チョコレート、)
籠に入れたお菓子を見下ろし、遠海はほくほくと無邪気な笑みを浮かべる。
「わぁ、いっぱい集めたねぇ」
うなじで結った天然パーマな黒髪に途中でへにょっと折れた白兎の長い耳をつけた少年がつられたようにふわふわと笑う。
「ええ、まだまだ集めるわ!」
十六歳のお姉さんらしからぬ大はしゃぎっぷりを見せる遠海に、
曖浜 瑠樹
はぴょんと飛び跳ねた。半ズボンのお尻にくっつけた丸くてふわふわな白兎尻尾も一緒になってぽわんと跳ねる。
「月からまぎれたウサギさんー! だよぉ!」
「それじゃ私は森からまぎれた魔女ね」
瑠樹と遠海は仮装した子どもたちの行列に混ざり、
「トリック・オア・トリート!」
みんなで声を揃えて街を練り歩く。歩けば歩くほど籠にお菓子が貯まってゆく。
(待ちわびていた甲斐があるわ)
緩む頬をきゅっと引き締めることも忘れ、遠海は足の向くまま気の向くまま、歩きに歩く。
「あれぇ、そっちなのぉー?」
「うん、きっとこっちよ」
いつのまにか子どもたちと逸れたって構わない。同行者が心配した白兎の少年だけになっても大丈夫。知らない道に迷い込んでいたって平気へいき。
だって寝子島は今、まるごとハロウィン。きっとどこに行ったって魔法の呪文を唱えれば、お菓子が山盛り手に入るはず。そう信じて星ヶ丘の住宅街を歩いていたはずが、
「あれ?」
方向音痴な彼女は気づいたときには寝子ヶ浜海岸に迷い出ていた。
「……あれ?」
「あれぇ?」
寝子ヶ浜海岸かと思ったのも束の間、遠海と瑠樹は目をまん丸くする。なんだか世界が変だ。どこが変というよりも、周囲ぐるっと全部、寝子ヶ浜海岸ぜんぶがなんだか変だ。
「竜がいるねぇ」
白兎の耳をぴょこんと揺らし、瑠樹が額に手を当てて砂浜を見遣る。波打ち際で喚きたてているのは、確かに大きな翼と長い尻尾にと、竜のかたちしたナニカ。しかも全身から砂糖やバニラの甘い香りを放っている。鱗の代わりにその全身を覆うのは、クッキーやパイや飴やマシュマロ。
「お菓子の竜……?」
よくよく見れば、いつの間にか立っていた足元はカラメルの匂いの砂糖が埋めている。石ころの代わりに転がっているのは南瓜おばけの飴玉だ。流木はそれっぽく見える巨大なチョコレート、ざざんと寄せる波は一波ごとにサイダーだったりりんごジュースだったり。
唐突に放り込まれた状況の異様さよりも、ぐるりを囲むお菓子のおいしさによだれが垂れそうになって、思わず舌なめずりする遠海の耳に届いたのは、
──食え
例によって例による、テオのぶっきらぼうで手短過ぎる状況説明と解決方法。
「あのドラゴン、食べてもいいの?」
綿あめやアイスクリームの雪でも降らせてきそうな重たい雲を仰いで遠海が問うも、説明は終わりだとばかりテオの声はもう聞こえない。
「本当にいいの? 食べていいのね? 本当にいいのね?」
繰り返し聞いても返事はない。無言はきっと、肯定だ。
「それなら遠慮なく……いっただっきまーす!」
元気いっぱい宣言し、お菓子の竜のもとへ一目散に駆けようとして気が付いた。持って来た覚えのない宝珠つきの魔法の杖がいつのまにか手の中にある。
何気なくぶんと振ってみれば、宝珠がキラリと輝いた。七色のキャンディがキラキラと煌きながらレーザーの如く飛び出した。
「うそ」
キラッキラな光線はきらーんと飛び、暴れる竜のクッキーのお腹にどかーんと当たる。キラキラなキャンディが周囲に飛び散り、竜が動きを止める。どうやらダメージを食らっているらしい。
遠海はしばらく考える。考えても答えが出ないことを確かめる。であれば、することはただひとつ。
「いっただっきまーすー!」
「おおー、すごいねぇ」
元気よくお行儀よくご挨拶してお菓子の竜に突撃して行く魔女のお姉さんをのんびりとした歓声でお見送りしてから、瑠樹ははたと気が付いた。今日はハロウィン、となればいただきますのご挨拶と一緒にハロウィンのご挨拶もした方が良いのかもしれない。
よぉし、と息を吸い込んで、
「トリック・オア……」
「トリーーーック!」
「……トリート、先に言われちゃったぁー!?」
兎耳を振るいたてての渾身のご挨拶に被せてきた竜の咆哮に、瑠樹は栗色のまん丸な目をますますまん丸にする。
大きく瞠った瞳の端っこ、見慣れたナニカを見た気がして瑠樹は兎耳の頭を巡らせた。
「あれぇ、」
竜からは大分離れたお菓子海岸の隅、落雁で出来た堤防の際に、お菓子ではないナマモノが倒れている。丸々つやつやした可愛いフォルムに、瑠樹はどきんとする。あそこに倒れているのは、間違いなくマンボウくんだ。
「まさか、あの竜……」
トリックトリックと鳴き喚きジタバタと暴れる竜は、ままならぬ現状に苛立って暴れているようにも、砂糖の砂浜に足を取られながらもマンボウ君の倒れている堤防のところまで向かおうとしているようにも見える。
「マンボウくんを食べようとしてるのかねぇ!?」
思い至ると同時に思わず口に出し、瑠樹は慌てて駆けだした。
「そんなことさせないよぉー!」
力いっぱい砂糖の砂を蹴った途端、思っていたよりもずっとずっと高く、ぴょーんと身体が弾んだ。
「わぁ」
兎みたいにぴょーんぴょーんと跳ねて、瑠樹はマンボウくんの傍に近寄る。
「マンボウくん、しっかりしてぇ」
抱きかかえようとして出来なかった。胴回りが大きいマンボウくんのお腹には瑠樹の腕は回り切らない。しかもマンボウくんの体重は瑠樹の二倍はある。
起こしたところで竜を見たらまた気絶してしまうかもしれないマンボウくんを背中に庇い、瑠樹は竜を真直ぐに見据える。足元にある飴玉や金平糖を拾い集め、ぎゅっと握り込む。もしあれ以上竜が近付いてきたらこっちに来るなと投げて攻撃しよう。
「ん? んん?」
指先にぺたりとくっついた砂をぺろりと舐めて、瑠樹は目を輝かせる。
「あまーい! 砂糖だぁー!」
あっちに転がっている流木はチョコレートの色をしているし、海からもサイダーやらジュースやらのいい匂いがしてきている。
「うう、でも今はそれどころじゃないよぉー!」
「ワオ、ファンタスティック!」
マンボウくんを守るため、食べたくても食べられないジレンマにじたばたする瑠樹の隣、足元の砂を掌に掬ってぱくりと口に含んだ
アカリ・ゴールディング
がエメラルドの瞳をきらきら輝かせた。食べるデース、と掌いっぱいのお砂糖を差し出され、瑠樹は反射的にお礼を言って受け取ろうとして、
「わぁ、あぶなーい!」
「オォウ!?」
竜が暴れる方向から飛んで来た尻尾の欠片なトゲトゲ砂糖菓子目がけ、手にしていた飴玉を力いっぱい投げつけた。トゲトゲ砂糖菓子と飴玉はカキーンとぶつかり合い、火花の代わりに綿あめを撒き散らす。
「つね……」
幻想的と言えばあまりに幻想的過ぎる光景に、アカリは思わず自分の頬をつねって擦る。その拍子にアカリの身に宿る、痛みを治めるろっこん『元気になぁれ』が発動した。
「……っても痛くないデース」
つねった頬が痛くないということは、これはきっと自分の願望が詰まった夢なのだろう。だって隣にいる男の子には白い兎耳と尻尾が生えているし、その少年が懸命に守っているのはでっかい上に手足の生えたマンボウだ。これが夢でなくて何が夢だというのだ。
空からふわふわ舞い散る綿あめを手を伸ばして掴み取り、またぱくりと口に含む。隣の男の子にも綿あめをお裾分けし、アカリはぐっと拳を握る。
(お菓子が、世界が、お菓子がっ……)
まだちょっと混乱気味なところはあるけれど、
(……オォウ、目が覚めるまでに食べられるだけ食べないといけないデース)
そこは持ち前の能天気というか天真爛漫さで海の方へと投げ捨てて、今は美味しい夢を楽しむが吉というもの。
「明日のオヤツ確保っ……」
言いかけて、ぺろりと悪戯っぽく笑う。
「夢なら意味ないのデーシタ」
金色の髪を甘い匂いしかしない風に揺らし、アカリはのんびりと歩み始める。目指すは海岸線、色鮮やか過ぎると言えば過ぎるお菓子の色彩を纏って暴れる竜のもと。
「懐かしいオヤツ色のモンスターが居マース」
祖母が日本人なアメリカ人であるアカリは、蛍光色のグミが大好物だった。ならば同じような色も帯びているあれはオヤツで決定。
砂糖の砂浜をさくさく歩いてオヤツモンスターに近づく。黒髪の魔女っ子が魔法の杖を振り回してキャンディ・レーザーを放って竜の気を引いてくれているおかげか、尻尾の方の守りは薄い。ゆらゆら揺れる尻尾の傍にアカリはとことこ近づき、ひょいと手を伸ばす。尻尾に生えた棘をパキパキ折ってもぐもぐ、
「トリーーック!」
したところでやっぱり痛かったらしい竜がぶん回した尻尾にバシンとひっぱたかれた。
「オブッ」
吹き飛ばされて尻餅をつき、反射的にはたかれたお腹を擦る。お尻を擦る。『元気になぁれ』が発動し、痛みはすぐになくなる。
(やっぱり夢だなー)
尻尾が当たった時は痛いような気もしたけれど、あれはきっと、寝ぼけてベッドだか椅子だかから落ちかけてぶつけただけなのだろう。目を覚まさなくて良かった。だってまだ食べたりない。
まだまだ食べようと張り切って跳ね起きたとき、
「っ、きゃあっ!?」
「オォウ!?」
竜のチョコレートの爪に魔女っ子衣装の裾を引っ掻けられ、ぴょーんと空中を飛ばされてきた遠海が砂糖の浜にぺしんと叩きつけられた。いたた、と腰を擦って起き上がろうとする遠海のもと、アカリはとことこ近づいて痛むらしい腰をさすさすする。
「痛くナーイ痛くナーイ、大丈夫デース」
「あれ、本当だ。痛くない」
ニッコリ笑いあった少女ふたりは、身体中にくっつけた目玉キャンディをぎょろぎょろさせて振り向く竜と恐れることなく向かい合う。
「私、まだちょっとしか食べてないんだからね!」
「同じくデース!」
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阿瀬春
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
55人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年09月28日
参加申し込みの期限
2019年10月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年10月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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