紅葉狩りと芋煮会｜リアクション

紅葉狩りと芋煮会

○残り物には福がある

　プロジェクトリーダ－の朝衣は強烈な空腹を覚えていました。
「そういや朝から何も食べてない……」
　ささっと芋煮を食べようかな……なんて鍋のところへ行ってみると、そこに意外な人物の姿がありました。
「遥人、来てたの？」
　それは恋人の遥人でした。
「素晴らしい芋煮会だね。これを君が仕切ったなんてすごいよ。よく頑張ったね」
「ありがとう」
　遥人は慣れた手つきで鍋をかきまわしていました。堂々とした様子に、朝衣はなんだかときめいてしまいました。
　実は彼は、シーサイドタウンにあるレストランで働いているのです。
「それ遥人が作ったの？　あなたの手料理を食べられるなんて嬉しい」
　遥人が作った芋煮は、すきっ腹を刺激するいい匂いがしました。
「美味しい！」
　つかの間、二人で芋煮を食べ、幸せにひたる朝衣でした。

「やっとまともなものが食べられた……」
　闇鍋の口直しにバーベキューを食べながら、桜はつぶやきます。
「もしかしてあなたも闇鍋食べたの？」
　皿に取った肉やとうもろこしを冷ましながら、隣にいた遠海が尋ねました。
「スタッフの人にお椀を押し付けられちゃって、断りきれなくて食べたわ。鮭の切り身だったからまだよかったけど……。あなたも食べたの？」
　桜の答えに、バーベキューを食べながら遠海は言います。
「スルメは食べづらかったわ。でもじゃがいもが入ってて、これも芋煮には違いないと思ったわね」
「へえ……でもこのバーベキューはおいしいわね」
「ええ、いくらでも食べられるわね」
　まさか闇鍋の具が話のきっかけになるとは。
　二人は芋煮やバーベキューについて語りながら、たらふく食べたのでした。

「ふぅ……バーベキューも美味しかった！　お腹いっぱい」
　夏朝もバーベキューを楽しみ、芋煮のところに戻ってきました。
　たくさん食べてもらえた芋煮ですが、変わり鍋に人が流れたこともあってか、まだけっこう残っていました。
「残った芋煮は……どうしようかな。僕が持ち帰れる分は持ち帰……っても大丈夫かな」
　朝衣がすかさずアナウンスしました。
「残った芋煮は、持ち帰ることが可能ですが自己責任で本日中にお召し上がりください」
「それじゃ、お土産にしようかな」
　容器に分けながら夏朝は思います。
（今年も来年も、芋煮会みたいな楽しい事が沢山ありますように）

　こうして芋煮会は、食中毒やクレームもなく、無事楽しい思い出と共に幕を閉じたのでした。

　

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あとがき

担当マスター：茄子りんこ
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ご参加ありがとうございました。
芋煮会リアクションをお届けします。
芋煮会は遠い思い出なので、自分でも食べてみたくなって里芋を買ってきました。
しかしせっかちなので柔らかくなるまで煮込むのは難しかったです。

皆様も美味しい鍋を楽しめているといいのですが。
それでは、ご縁がありましたらまたのご参加をお待ちしております。

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