this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
ロンリー*ドーリー*グローリー
<< もどる
1
…
17
18
19
20
21
つぎへ >>
自分の置かれた状況を把握したちよは全員に向かって頭を下げる。
覚悟を決めたようだ。
二人は
毒島 林檎
に向き直る。
「クマ、そばにいてね?……あの、お願いします」
ちよはギュッと目をつむる。
毒島 林檎
が飴を咥え、
暗道 忍
が両目を見開く。
特に光が密集している箇所を暗道は伝え、毒島は黙ってうなずいた。
毒島が右手でちよの額を包み込み、少しずつ力を加える。
「っ」
ちよもまさかアイアンクローをされるなどと思っていなかっただろう。
驚嘆と締め付けに対し声を上げる。
「……変化はない。少なくとも視覚的にはわからない」
暗道が指摘すると毒島はより力を込めた。
(必ず、必ず助けてみせる。助けるって決めたんだもんっ!)
毒島の額から汗が流れる。脳を強く握られているような感覚が続き、ちよの呼吸が乱れはじめた。
「一度手を離したほうがいいですっ!」
折口 ゆづき
がちよを抱きかかえる。
「まだ、まだ……!」
悔しそうに毒島が漏らす。
それから休憩を交え、何度も何度も試みるが、絶望が辺りを包む。
毒島の息はとおに上がっていて、ちよの体力も限界を迎える。
「まだ、完全に治ってないのに!」
毒島が喘ぐ。
「おねえちゃん、ありがとう」
折口の膝に体を預けながら、ちよは笑う。
(少しだけ、ほんの少しだけ光は弱くなったが……)
暗道は唇を噛む。
ほんのわずかに赤みを取り戻したちよの頬を見て、毒島の感情はますます高ぶった。
「もっと続ければ、もっとよくなるはずなんだ!」
「今はそれが限界だ。体力回復を待ってから再度挑戦すればいい」
八神 修
が毒島の肩を叩いた。よく頑張ったと言うように。
「あとは俺に任せてくれないか?」
「シュウッ!」
「修ちゃん!」
八神の言葉を聞いて逆巻は声を荒げ、後木は目を輝かせる。
真剣な眼差しで八神は後木、逆巻を見つめる。
逆巻は眉間にしわを寄せ、唇をわななかせている。
しかし、何も言わない。言えない。
「やらせてくれ」
八神がすがるように言った。
逆巻はもう本当に何も言わなかった。
「俺のろっこんは生物以外に効く。
体に手を当て、体内の『死んだ』組織だけを細胞片に「分解」する。理論的には可能な筈だ」
八神はクマとちよに、そして周りに対し冷静に説明をする。
断りを入れてから八神はちよの肺のあたりに触れた。
「頼む、効いてくれ!」
息を止め、祈るように力を行使する。
それから暗道に結果を聞くが、
「変化なしだ」
「くそっ」
失敗をしてちよを傷つけるわけにはいかない。
八神は忌々しげに地面を蹴る。
それでも諦めてなるものか。今度はクマに手を当てた。
「神魂の欠片をクマから移植してみる。
欠片の分離にも俺のろっこんが使える筈だ」
いいか?
目でクマに語りかける。
クマは迷わずにうなずいた。
(俺の母も難病で逝った。こんな幼い命を、まだ終わらせないでくれ)
息を止める。吹き出る汗。変わらない現実。
(僅かでもいい、成功してくれ)
ただ願う。祈る。叫ぶ。変化は訪れない。
「成功するまで、俺は諦めない!!」
酸素が欠乏し、八神の表情から色が抜けていく。
「シュウ……!」
逆巻がやめろというように八神を呼ぶ。
しかし八神は再び息を止める。
(どうか……!)
何度目かの挑戦。
ようやく変化が訪れた。
綿が飛び、糸が舞い、布が床に落ちる。
「な、んで」
ころりころりと黒いボタンが転がった。
それはクマの瞳だったもの。
「嘘だ……! そんな、俺はそんなために……! 違うっ!」
冷静さを失い、八神は半狂乱になってわめく。
変化は彼が、望んだものではない。
神魂の欠片だけを切り離すはずが、クマの体が『分解』されてしまった。
「クマ……?」
ちよが事態を飲み込めないというように友人の名を呼ぶ。
周りにいる者たちは何をすることもできない。
「やだ、クマ……クマ!」
クマだったものをかき集め、ちよはむせび泣く。
「私のせいだ……ごめんなさい、ごめんなさい」
うわごとのように謝罪を続けるちよ。
後木はその姿を見ていられず、顔をそらそうとした。
そのとき、小さな光に気がつく。
後木は
既視感を覚える
。
時間を要せず理解する。あれこそが待ち望んだ神魂ではないか。
「ちよちゃん光を捕まえるのだ」
後木は夢中になって叫ぶ。
全員の視線がその光に集まった。
クマの神魂が、バラバラになったことでクマの中から解き放たれたのだろうか。
ふよふよと空を漂うそれは、何をせずともちよちゃんの体の中に消えていった。
これといった変化はない。クマが動き出すこともない。少しだけ顔色が良くなったような……気がする。
(病気が治ったわけではない、か)
暗道は思ったような変化がないことに一人、肩を落とした。
けれど、彼の目にもちよの表情がさきとは違って映る。
ちよは涙をぬぐい、バラバラになったクマを大事そうに抱えた。
しばらくして
宮祀 智瑜
が控えめに声をかけた。
「私、お裁縫が得意なんです。あのよければ……」
クマを指し、裁縫道具を取り出す。
遠野 まほろ
と
檜扇 唱華
も手伝うことを申し出る。
「ありがとうございます」
ちよは取り乱すことなく、穏やかに微笑んだ。
「救急車、呼ぶな?」
篠崎がクマに断りを入れるように布に触れてから、ちよに確認をする。
ちよは小さくうなずいて、篠崎の手を借りて立ち上がった。
そのまま立ち去ろうとするちよの背中を、宮祀はぎゅっと抱きしめる。
(クマさん、あなたは人間にならなくても、ちよちゃんを助けられたよ?
あなたが助けたんだよ)
彼女だけがクマの願いが叶ったことを知る。
それを皮切りに、次々とちよを労わる声が飛び交う。
「よく頑張ったな」
逆巻は静かに笑い、
桜井 ラッセル
はちよの頭をがしがしと撫でる。
それぞれ複雑な思いはあったが、ちよをきちんと見送るために、笑顔を貼り付けた。
「ありがとうございます」
ちよはそんな思いを感じ取り、ひとりひとりに感謝の言葉を返した。
(女の子とクマさんがずっと一緒に居られますように)
その思いを込めて、宮祀はクマに針を入れた。
<< もどる
1
…
17
18
19
20
21
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
ロンリー*ドーリー*グローリー
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
つるこ。
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
推理・サスペンス
バトル
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年08月31日
参加申し込みの期限
2013年09月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年09月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!