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シネマカフェ『クランク・イン』 第二幕
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【雨宿り】
『ごめんね。今日はちょっと、用事があって……』
先日のNYAINでのやりとりを、
鴻上 彰尋
はなぜだか、降りしきる雨の中を疾走しながら思い出していました。
突然の激しい通り雨。上から下までぐっしょりと濡れそぼち。手には買い物袋、頭の中には
七夜 あおい
の困ったような笑顔。
映画喫茶で、いっしょに映画でもどう? 勇気を振り絞ってそんなふうに誘ってはみたものの、残念ながら結果は空振り。
いいよいいよ、気にしないで! なんて返したものの、心の中には雨が降りました。そう、ちょうど今日のこんな天気のように。
それから何日かたち、気持ちも切り替えて。弟と妹のために晩ごはんの買い出しになど出てきたところへ、このどしゃぶりです。彰尋の脳裏には否応なく、先日のあおいの申し訳なさそうな声を思い起こされました。
「……! あれ?」
だからこその幻影かと、一瞬疑いました。
軒下で濡れた前髪をなでつけたその姿はまるで雨のスクリーンに映し出される、往年の大女優が演じた古典映画のよう。
「あおいさん……?」
「彰尋くんも、雨宿り?」
ざああとアスファルトを叩く雨音にも負けず、あおいの声は凛と張って聞こえました。
「お互いついてないね。さっきまでお日さまが見えてたのに」
「うん。油断してたよ」
滲む車のヘッドライト。跳ね上げた雫。街灯の明かりもぼんやりとして頼りなく、通りに人の姿はまばらです。
「そうだ。この前はごめんね、彰尋くん」
「ああ……いや」
湿ったスカートを無防備にひらひらとさせた仕草に少し戸惑いながら、先の誘いのことを言っているのだと気づきます。
「いいんだ。気にしないで」
ちょっぴりの、居心地の悪さ。にわかに降りる沈黙。雫が地を叩く音だけが、その場の全てを洗い流すかのように彰尋には思えて、しばし聞き入りました。
雨はまだ、上がりそうにありません。
「あ、ねえねえ」
「うん?」
「『クランク・イン』だっけ。あのお店、この近くだったよね」
いかにもいいことを思いついたという顔で、ふとあおいがぱちりと手を叩きました。
悪戯っぽく笑いながら、言ったのです。
「もう少し、雨宿り。しちゃおっか?」
買い物帰りの彰尋を見かねて、店員さんが荷物を冷蔵庫で預かると申し出てくれたのは、渡りに船といったところです。おまけにシャワーやタオルまで貸してもらえました。
「良かったね、彰尋くん」
「そう、だね……」
屈託なく笑うあおいへ返した彰尋の笑顔はしかし、いささか緊張気味です。
「ん~、お店の雰囲気も良いけど、個室もゆったりでいいね!」
そう、個室! 映画グッズに彩られた程よい広さの空間に、大画面テレビ。ふかふかのソファに並んで腰かけたこの状況はまさしく、ふたりきりなのです。
こくり、と彰尋の喉が鳴りました。
コーヒーとポップコーンが届いたら、映画もちょうど上映開始。鑑賞するのは、『ニャ・ニャ・ニャンド』です。
「実は、映画の情報はほとんど仕入れないでおいたんだ。新鮮な気持ちで観たくてさ」
「あー、分かる! そのほうがわくわくするもんね」
知っているのはミュージカル映画である、というくらいのもので、ふたりともそれ以上のことは知りません。おかげで主役のねこたちの巧みな演技も、鮮烈な歌や音楽も、ドキドキを失わず新鮮な気持ちで楽しむことができました。
華々しい映画の都に翻弄される恋人たち。望まぬ形での成功や、離れてゆく心と心。
すっかりのめり込んでいたのでしょう。
「……あっ! ごめん、彰尋くん!」
「え? ど、どうしたのあおいさん」
「こっちが彰尋くんのコーヒーだったみたい。間違えちゃった」
びくり。彰尋は固まりました。
あおいの横顔を見ると、本当についうっかりだったようで、さして気にするそぶりもなく、すっかり映画へ没頭するのに戻っています。
(こ、これってつまり、間接……)
折しも画面の中では、ふたりの主人公が儚いキスを交わすシーン。
映画の中と外、双方向から襲い来るドキドキのダブルパンチに、胸の鼓動が収まらない彰尋でありました。
映画が終わると、外はすっかり晴れ模様。雲は残らず海の向こうへ流れて、青空が広がっていました。
「面白かったね!」
あおいはまぶしい太陽に負けじと明るく笑います。
彰尋は、ふと。
「あの結末も、悪いものじゃないとは思うけれど」
「え?」
怪訝そうに首を傾げたあおい。
彰尋は思います。
(自分の夢は……ああいう形では終わらせたくないかな。役者になりたいって夢は、捨てたくないし……それとは別に、好きな人と幸せな家庭を作りたいって思うし)
思索に耽りかけ、あおいのきょとんとした瞳と視線が合い、我に返ります。
「なんでもないよ。良い映画だったね」
「うん♪」
彼女は、どう思っただろう?
まぶしく捨てがたい夢と、激しく離れがたい愛と。どちらかひとつを選べと言われたなら……どうするだろう?
彰尋のそんな疑問をよそに、あおいはいつものように華やかな笑みを浮かべるばかりでありました。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
7人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年08月28日
参加申し込みの期限
2019年09月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年09月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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