this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
贅沢な時間
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
つぎへ >>
城山 水樹
は早朝に目覚めた。起き上がると長い髪を後ろに束ねて早々と活動を開始した。
薄暗い台所に明かりを点ける。棚から大きな弁当箱を取り出してテーブルに置いた。昨晩の冷や飯は電子レンジで適当に温める。
「卵焼きは面倒だし」
掴んだ鍋に卵を敷き詰めて水に浸す。火に掛けている間に冷蔵庫を開けた。おかずに使えそうなウインナーの袋を掴み出す。目に付いたブロッコリーも手にした。
新たにフライパンを手に取り、ウインナーを焼いた。ブロッコリーは鍋に押し込んで全体を茹でる。
「忙しいわ!」
チンという涼しげな音を聞いた。電子レンジの中からご飯を取り出す。
「こっちも!」
卵を茹でていた鍋が吹き零れた。急いで火を止めたが幾つかの卵は割れていた。白身はワンタンとなって浮いている。
「お弁当って大変……でも、彼に初めて作る訳だし」
水樹は多感な少女のようにほんのりと頬を染めた。
島の玄関口、寝子島駅を背にした
ヒュー・ヒューバート
が腕時計に目を落とす。
「少し早かったか」
ヒューはその場にしゃがむと緩んでいた靴紐を締め直す。
立ち上がろうとした瞬間、動きを止めた。薄茶色のベストのポケットの一つからデジタルカメラを取り出し、斜め前の路上にレンズを向けた。シャッターを切ると画像を表示させた。
「面白いものでも撮れた?」
水樹はパンツルック姿で覗き込む。両肩には黒いショルダーストラップがあった。ヒューは立ち上がって画像を見せた。
「イチモンジセセリだよ」
「飛ぶ瞬間なんて、よく撮れたわね」
「僕の女神のおかげかな」
ヒューが笑うと水樹は手を握って先に歩き出す。
「山に登る前なのに、身体が熱くなるようなことを言わないでよ」
「そうだね」
柔らかい笑みでヒューは返した。
二人は少しの距離も嫌うように肩を寄せ合って歩く。
九夜山が近くなる。寝子島ロープウェーの登山道入口駅を尻目に二人は登山道に足を踏み入れた。
夏の厳しい暑さは過ぎ去り、心地よい風が吹いていた。山道を覆う木々はどこか落ち着いた雰囲気を醸し出す。
山道の端が少し崩れていた。水樹は気にした様子がなく、一歩を踏み出した。少し滑った直後にヒューに引き戻された。
二人は抱き合う形となった。
「その、ありがとう、ヒュー」
「大丈夫だった?」
「うん、何ともないよ」
水樹は恥ずかしそうに笑った。
二人は手を繋いで山道を進む。木々が作り出す縞模様にヒューはデジタルカメラを向けた。
「水樹、一緒に」
「こうかな」
天然の陰影を背景にして二人は並んだ。ヒューはデジタルカメラを自分達に向けて感覚でシャッターを切った。
すぐに画像を表示させる。
「いい感じで撮れているわ」
「そうだね」
笑みを交わし、二人は揃って歩き出す。
水樹は横手の岩肌に目をやる。白い可憐な花が咲いていた。よく見ると中央にコガネムシのような虫がいて頭を突っ込んでもがいている。
視線に気付いたのか。小さな虫は水樹の方に飛んできた。
瞬間的に顔を背けたところでシャッター音が鳴った。
「ちょっと待って! 今のって撮ったらダメなパターンだよね!」
「ほら、よく撮れているよ」
見せられた画像に水樹は顔を赤くした。
「見てよ。やっぱりダメじゃない!」
「可愛いよ」
「な、何よ。そんなこと言ってもダメなんだからね!」
「驚いた目が良い」
「そんなこと、言われても……」
ヒューの穏やかな言葉に水樹は口籠る。意識して視線を外しても頬が反応した。
火照った顔で水樹はヒューの腕を抱え込んだ。
「行くわよ。早くしないとお昼になるわ」
「水樹、腕に胸が」
「どうかした? 顔が赤いわよ」
水樹は赤ら顔で迫る。ヒューは困ったように笑った。
どちらも顔を赤くして山道を歩いた。
頂上展望台が木々の合間に見える。示し合わせたように二人は足を速めた。
水樹は手を離し、柵の手前で両腕を広げた。
「ようやく着いたわ。風が気持ちいいー」
「ここでランチか」
「あのね、手作りのお弁当だから見た目はアレだけど味は悪くないと思うから」
水樹は早口でいうと背中のリュックサックを下ろし、取り出したシートを広げた。
「ヒュー、座って」
「ありがとう」
靴を脱いで楽な姿勢を取る。
水樹はヒューの隣に座るとリュクサックから大きな弁当箱を両手で取り出して置いた。蓋に手を掛け、ふぅー、と息を吐いて開ける。中には俵型のお握りがぎっしりと詰まっていた。茹で卵は半分に切られ、その横には多くの爪楊枝が突き出ている。ブロッコリーとウインナーを突き刺していた。
ヒューは弁当箱の中身をまじまじと見る。
「紙ナプキンで手を拭いてね。割り箸もあるわ。お茶もすぐ入れるから」
水樹は心配そうな顔を笑みに変えた。用意した紙コップに水筒の中身を注いで横に押し出す。
「いただきます」
二人は声を揃えて食べ始める。水樹はお握りを齧りながら横目でヒューを見ていた。爪楊枝の一品を平らげたところで声を掛けた。
「味はどうかな」
「美味しいよ。ブロッコリーの茹で加減がいいね」
「口に合ってよかったわ。お握りも食べてみてね。具は梅や鮭、昆布もあるわ。他は食べてからのお楽しみってことで」
水樹は機嫌よく食べ始める。ヒューは一品を口にする度に緑茶を飲んだ。
昼食を終えた二人はしばらく風に吹かれていた。
水樹はヒューの肩にこつんと頭を載せた。
「そろそろ行こうよ」
「そうだね」
ヒューは水樹の髪に頬を寄せた。離れ難いと言わんばかりの時間を過ごす。
二人は手分けして片付けた。どちらも行き先を告げず、揃って出発した。
三夜湖に繋がる道を下る。手を取り合って行き着き、陽光で輝く湖面を横目にして尚も歩を進めた。
間もなく廃墟と化した寝子島イリュージョンランドに突き当たった。下草や蔦に絡まれ、今にも地中に引き摺り込まれそうに見えた。
水樹は静けさに埋没する遊園地を眺める。
「春とは違うわね」
「入ろうか」
二人は視線を交わし、フェンスの破れ目から中に入った。薄汚れた遊具を眺めながら歩く。
二人は同時に立ち止まった。一本の桜の樹を見上げる。
「ヒュー、
あの時
のように」
「わかった」
ヒューはデジタルカメラを構えた。
水樹は色付いた枯れ葉を両手で掻き集めて空へと放った。
ヒューは連続でシャッターを切った。舞い落ちる枯れ葉は花弁となって降り注ぐ。
水樹は子供のようにはしゃいで園内を巡った。薄汚れた遊具は息を吹き返し、趣のある被写体となってデジタルカメラに収められた。
遊園地を堪能した二人は来た道を戻る。汗ばんだ身体と程良い疲労で寝子温泉に立ち寄ることになった。
混浴を謳う温泉旅館が目に付いた。見詰め合う目が語る。一時も離れたくないと。
二人は手を繋いで入っていった。
内風呂には白い煙が充満していた。
「真っ白、それに人もいないわ」
「僕と水樹の二人だけ」
ヒューは握っていた手を離した。水樹の肩に触れて引き寄せる。
「熱いわ」
「僕も同じだ」
二人は肌を密着させた。互いの背に腕が回され、言葉は不要と唇を重ねた。
取り巻く煙は濃さを増し、全てを白く包み込んだ。
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
贅沢な時間
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
9人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年07月23日
参加申し込みの期限
2019年07月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年07月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!