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間もなく二番テーブルに現れた女性、それは豊田華露蘿であった。
「こんばんは、意外なところでお目にかかりますね」
ソファで会話を交わしていた男性客二人が顔を上げた。
一人は気の毒なくらいにハゲ散らかしており、賞味期限を過ぎた肉みたいなビール腹、もう一人もだいたい同じようなものだ。そろって華露蘿の登場に面食らっている。
「あんたたしか文具屋の……」
なんでここに、という発言を遮って華露蘿は言う。
「ええ、寝子島小学校、それと寝子島中学に公式納入させていただいている業者の者です。いつもお世話になっております」
本日は研修でこちらで働いております、と機先を制して華露蘿は事情を話す。嘘は一つもないのだから堂々としている。そうして眼鏡の位置を直して、
「教育委員会理事のおふたりをお迎えできること、『プロムナード』を代表して厚く御礼申し上げます。どうぞ、本日はごゆるりとお楽しみくださいませ」
深々一礼したのである。
夕顔のいう『ややこしい人たち』は教育委員会の上層部だった。なるほどたしかに権力者、有害店追放運動など起こそうとすればすぐできる立場にある。だが彼らも、その昼間の顔をよく知る華露蘿がここにいるとは思わなかっただろう。先祖の霊でも見たみたいにあっけにとられて返す言葉もなかった。
「ありがとう、瑠住ちゃん」
戻ってきた華露蘿を夕顔は笑顔で迎えた。
「一本釘を刺しておいたから、今夜はあの人たちも大人しくなると思います。バカなふるまいに及べば、どんな話がひろがるやらわかりませんからね」
「そうね、上出来よ。でもそれだけじゃ足りないわ」
「足りない……何がですか?」
「覚えておいて、あの人たちだって『プロムナード』のお客さんよ。だから嫌な気持ちを持たせるんじゃなくて楽しんで帰ってもらなくっちゃ。もちろん時間制限の内でね」
だから今日だけは大盤振る舞い、と夕顔は振り向いた。
「いまから二番テーブルはスペシャル、たぶん『プロムナード』初、店が誇る2トップが同時にお相手します」
まぶしい、と華露蘿は思った。うずたかく黄金が積まれていたとしても、これほど圧倒はされなかっただろう。
夕顔が場を開けるとそこには、並び立つ泰葉と紗央莉の姿があったのだ。後光が射しているかのよう。オーラが違う。これがナンバーワンの迫力なのか。
――泰葉さんと紗央莉さんが同時に同じテーブルに!?
泰葉は平然としているが、紗央莉は何か言いたいことをこらえている様子で腕組みしている。
このお二人、反りが合わないんじゃなかったっけ、と華露蘿はとっさに思う。事前にそのことを夕顔に確認していたから間違いはないはずだ。その泰葉と紗央莉が協力している。たとえ一時的だとしても。
「……通算成績なら負けてるけど、私があんたのサポート役じゃないからね。どっちも対等、わかってる?」
どうしてもこれは言っておきたい、という口調で紗央莉が告げた。
「わかってる。どうせなら、私があなたのサポートということでもいいけど」
泰葉の返答は穏やかだ。
「バカね、それじゃ2トップにならないじゃない! 制限時間いっぱいまで、あんたの接客力を見せてもらうから」
「むしろあなたに学ばせてもらうつもりでいくわ」
紗央莉はなおも言い返そうとしたものの、言葉が出てこないらしく荒っぽく腕組みを解いた。そして、
「とにかく、行くよ」
と歩き出したのである。泰葉が並ぶ。
だが十秒もしないうちに、
「いらっしゃいませー」
「今日は私たちがテーブルにつかせていただきます」
「いえいえ、たまたま私たちあぶれちゃってて……お嫌でした?」
とたちまち極上のスマイルを見せて紗央莉、つづけて泰葉が二番テーブルに座ったのだった。
「さすが……プロ……」
華露蘿は目をぱちくりするほかない。あっという間に二番テーブルは、この店で一番華やかなスポットへと変化した。
――まさか店長は、こういうプロのふるまいを学ばせるために僕を今日の『プロムナード』へ!?
いやまさかね、と華露蘿は思い直す。
でも、そのまさかだってありえる。
どっちなんだろう……?
◆ ◆ ◆
幸いにもトラブルらしいトラブルはなく、『プロムナード』は閉店の時間を迎えた。
「私これからアフターね、再見!」
上機嫌で恋々は、二人連れの男性客と左右の腕を組みながら出て行った。
「はあー、ホッとしたっすよ~」
あんなは空いたソファに座り込んでいたが、
「若先生、瑠住パイセン、あざーっす!」
星山真遠と華露蘿の姿を見かけると、しゃっきり立ち上がって深々と礼をした。
「なんとか店は回ったな。明日以降もできるだけ顔を出すつもりだが、あとは彼女、瑠住のマニュアルが完成すれば、手伝いなしでも順調に回るようになるだろう」
星山真遠が言うと、いえいえいえ、と華露蘿は恐縮した。
「応急処置という感じですよ。まだまだです、まだまだ……」
明日も研修を続けよう。ノートが埋まったら、表計算ソフトを駆使して清書してみたい。華露蘿のやる気は燃えている。
それはそうと、とあんなは首を巡らせた。
「木野さんはどこっすかねえ? お礼、言わないと」
そのころ木野星太郎は、バックヤードの九鬼姫のもとを訪れていたのである。
「九鬼姫ちゃん、いいかしら?」
「おう……星太郎、今日は大儀であったぞ。うむ」
無事終わったという安心感からか、九鬼姫はいくらか、いつもの口調を取り戻していた。さすがに疲れたらしく、一日持ち運んだバッグみたいに、くたっと椅子に背を預けている。
やっぱ九鬼姫ちゃんは偉そうでなくっちゃね、と思いつつ、星太郎は畳んだブラウスが入るくらいの紙袋を差し出した。
「お疲れさん、はいこれどうぞ」
「なんじゃこれは?」
「作りおきチキンハムよ。アンタ今夜、お酒とナッツくらいしか口にしてないでしょう? 明日でもいいからちゃあんと食べなさい」
「要らぬ世話じゃ」
と言いながら、しっかりと紙袋を両手で持って自分に寄せる九鬼姫だ。
「タンパク質取らないと肌に張りがなくなっちゃうわよん♪」
星太郎は両手で、九鬼姫の頬をぷにぷにと押す。うん、張りという意味では申し分なくぷにぷにだ。
「たっ……」
みるみる九鬼姫の頬は赤らんだ。
「たわけもの! 童扱いするでない!」
「ごめーん♪ つい」
じゃあね、と手を振り星太郎が背を向けたところで、
「……もっと早く出逢えていたら」
聞こえるか聞こえないかくらいの声量で、九鬼姫がつぶやいた。
「なにか言った?」
星太郎が振り向くも、
「なんでもない」
紙袋を抱きかかえるようにして、今度は九鬼姫のほうが背を向けている。
「はよう行け」
「明日も手伝いに来るから」
静かに笑みを浮かべ、星太郎はバックヤードを後にした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年07月09日
参加申し込みの期限
2019年07月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年07月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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