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夢の灯火、と女悪魔が呼んでいた星型の角灯の光が暗い廊下を駆けてゆく。
窓はあれど、廊下に流れ来る月光の量はほんの僅か。鉄格子の嵌められた窓から零れる月の光は探索の助けにならなず、むしろ城の不気味さばかりを際立たせる。
(大丈夫だ)
星のランプを守り刀の如く掲げ、
鴻上 彰尋
は薄暗い廊下を進む。
真の暗闇であればもしかしたら一歩も進めなかったかもしれない。歩きだせたとしても暗闇に蠢くナニカを幻視しては立ち竦んでしまったかもしれない。
恐怖に囚われてしまわないのは、手元に灯りがあるからだ。だからどれだけ不気味であっても落ち着いて次の一歩を踏み出すことができる。暗闇に閉ざされた廊下を進み、扉を開けて行くことができる。
(『大切に想うひと』……)
扉を開けた途端に飛び出して廊下を駆けて行った獣のようなひとのようなかたちしたナニカに心臓をどきどきさせながら、彰尋は落ち着くために考える。
(当てはまる人は何人もいるけど)
家族や友人の顔を思い浮かべる。それが誰であっても、こんな暗いところに閉じ込められていると思えば胸が痛んだ。
廊下の突き当りには階段があった。囚われ人が幽閉されそうな地下か、それとも悪趣味に悪魔の城のコレクションとして飾られそうな奥の間か。地下に向かうべきか奥の間に向かうべきか悩んで迷って、
(……上、かな)
奥の間を選んで進む。
朱緋の敷布が施されていても昏い印象を与える階段を辿る。恐ろし気な魔物の彫像が飾られた手すりを横目に何十段と階を踏む。
(この先に囚われているというのであれば)
いつまでも終わらぬように闇へ続いてゆく階段を仰ぐ。怖くて乱れそうになる息を静かに整える。
(それが誰であろうと、迎えにいこう)
そうして女悪魔の言っていたとおり、そのひとに対する想いを伝えよう。
──たとえ、届かなくとも。
祈るように階段を上り詰めると、そこには大きな扉があった。魔物ひしめく画が彫り込まれた扉に手を掛ける。全身の力を籠めて扉を押し開く。
月の光を七色に変えて透かせるステンドグラスの下には、鎖に繋がれた少女がひとり。
「彰尋くん」
喪服を纏いヴェールを被った不気味な女を描いたステンドグラスを見仰いでいた
七夜 あおい
が振り返る。
七色の光を跳ね除けるように、彰尋は夢の灯火を高く掲げる。天井の高いがらんどうの広間に、彼女以外の誰もいないことを確かめる。
ほんの少し不安げなあおいのもとへ駆け寄りながら、彰尋は心を決める。囚われているのが彼女であるなら、伝えるべき気持ちはただひとつだけ。
「あおいさん!」
「来ちゃだめ!」
必死の声で叫ばれ、彰尋は咄嗟に足を止めた。無事を確認したい気持ちを押し留め、もう一度角灯を掲げて目を凝らす。あおいの手足を繋ぎ石床に延びて打ち付けられた鎖の根元、闇よりも濃い闇の色した不定形のナニカがうぞうぞと蠢いている。
「来ちゃだめだよ、彰尋くん」
強張った顔で庇おうとてくれるあおいに向け、彰尋は足を踏み出す。近付けば近づくほどに、ナニカは膨れ上がった。彰尋があおいの前に立つ頃には、暗闇がふたりを押し包んだ。
(早く、……早く!)
あおいを救い出すため、彰尋は心を逸らせる。
「こんな状況で伝えて良いのかは悩むのだけど、」
あおいの冷たい手を必死に掴む。真摯な表情で見つめる。
「初めて出会った秋の海辺の日から少しずつ君に惹かれていきました」
伝えるのは、あの日から胸に膨らみ続けた己の想い。
「君が、好きです」
押し迫る暗闇に抗い夢の灯火を高く掲げる。片手であおいと己を照らし出しながら、もう片手であおいの小柄な身体を抱きしめる。
(いつかは君にこう伝えたいとは思っているんだけど……)
いつか、自分に自信が持てるくらいに強くなれたら。
それよりも何よりも優先したいのは、
(君自身のこと)
腕の中で守られているだけでなく、彰尋と一緒に闘おうとするかのように繋がれた足を踏ん張るあおいを見遣る。
彼女の悩みが晴れた暁には、──きっと。
もしこの夢の中での出来事を覚えていなくても、
(俺は、君の力になりたい)
そう強く思っている人間が傍に居ると、心の片隅にでも留めておいていてくれたら。
(そうしたら、嬉しいかな)
星が砕け散る。夢の灯火たる眩い光がふたりを照らし、迫りくる暗闇を打ち払う──
目が覚めたのは、居間のソファの上だった。
(うたた寝を……)
身を起こして時計を見遣る。日付がもうすぐ変わる時間であることを確かめて、けれどすぐには眠れそうになかった。
家族が起きだしてくる気配はない。そっと家を出れば、散歩の道を白い月が煌々と照らし出していた。
(まだ起きているかな?)
携帯電話をそっと取り出す。月明りの下、いま伝えられるものならば。いま言えるものならば。
小さく鳴った呼び出し音の向こう、ついさっきまで夢で逢ったひとの声が聞こえる。
「月が綺麗だね」
小さく深呼吸してそう伝えれば、電話口であおいは微笑んだようだった。
「そうね、綺麗」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
バトル
定員
50人
参加キャラクター数
50人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年07月13日
参加申し込みの期限
2019年07月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年07月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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