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「……あれ、」
羽生 碧南
は栗色の瞳を瞬かせる。大抵のひとより高い位置にある頭をぐるりと巡らせてみれば、白い月を背負った白い城が見えた。
数十はありそうな尖塔に、幾重にも連なる暗蒼色の屋根に、数百もあろうかと思える窓。大理石を積み重ねた壁には濃緑の蔦が這い上っている。軒には赤ん坊の大きさはあろうかという巨大な蝙蝠が何百匹とぶら下がっている。
シンデレラのお城というよりもドラキュラのお城に思える退廃的な雰囲気の古城を前に、碧南は立ち尽くす。
(確か、私は)
桜花寮の自室で寝ていたはず。
立ち尽くして瞬くばかりの碧南の前、星型の角灯を持った黒いドレスの女が立った。不意をつかれて短く息を呑む碧南に、女悪魔はひどく穏やかに微笑んで見せる。『夢の灯火』と呼ぶランプを手渡し、夢から醒めるための条件を碧南に伝える。
(自分が大切に想う人……?)
女悪魔に背を押され、碧南は角灯の光を頼りに黒い城門を潜り抜ける。
城の後ろで白々と輝く月を仰ぐ。自分の心の奥を探るでもなく、自分が想いを伝えるべきひとの顔は容易く思い浮かんだ。
(鷹取先輩)
猫鳴館に起居する、変わり者と名高い
鷹取 洋二
先輩。いつでも自分のことが大好きなナルシストでいつでも自信満々、音楽と絵画に才能を発揮しているすごいひと。天然パーマをワカメヘアーと称されても一向に気にしないつよいひと。碧南にとっての洋二先輩は、どんなところだって素敵に見える。どんなところだって好きで好きでたまらない、そんなひと。
何故好きになったのかなんて、碧南自身にも分からない。
気が付いたら好きになっていた。恋をしていた。
(恋なんて、理屈だけで話せないもの、……よね)
幽閉されているのが洋二先輩であるのなら、探しに行くことに迷いなんてない。
大好きなひとを助けるのに理由なんていらない。
光を片手に、何が飛び出して来ても驚かない心構えと咄嗟に飛び退く準備を怠らずに扉を開ける。室内に蠢く暗闇を角灯の光で退かせながら、大切なひとを探して城内に踏み込む。
かつん、とどこまでも響いて行く自分の足音に思わずドキリとする。暗闇を纏って覆い被さって来る静寂に負けぬよう、碧南は胸のうちに大好きなひとのことを考える。
(鷹取先輩)
出来るならいつだって隣に居て話がしたかった。それなのに、いつも気づけば擦れ違った後だったり、掛けた言葉が届かなかったり。
仲が悪いわけではない。普段は先輩と後輩というかたちでそれなりに親しく付き合ってはいる。けれど碧南が求めるのは、そこから一歩進んだ関係性。
たとえば先輩に壁へ追い詰められて覗き込まれてしまうような、乙女ゲームのような展開だっていいかもしれない。
(乙女ゲーならいくらでも手は思いつけるのに)
恋愛ゲームならたくさんプレイして、それこそ百戦錬磨なのに、リアルの恋愛となるとどうしても臆してしまう。
(……だって)
失恋は怖い。経験があるからこそ、一歩進むにも臆病になってしまう。
(でも、……でも!)
洋二先輩の顔を思い浮かべながら、これまでに交わした会話を思い浮かべながら、碧南は暗闇の城を進んで行く。幾つもの扉を開いて開いて、空っぽの部屋に落ち込むこともなく次の扉に手を掛けて、
「……鷹取先輩?」
何十回めかの先輩の名前を呼ぶ。部屋を埋める真っ暗闇を夢の灯火で照らし出して、──暗い部屋の隅、古めかしいソファに横たわるワカメ頭を見つけた。
「鷹取先輩!」
夢の灯火が激しく揺れるのも構わず、大切なひとのもとへ駆け寄る。寝ぼけ眼を擦り擦り起き上がる先輩の呑気な姿に安堵しつつ、先輩の前に膝をつく。
「先輩。よく聞いてください」
神託を告げる巫女の如く、真剣な眼差しを先輩に向ける。
(あの女のひとが言っていたように、これが夢なら)
そうして目の前に確かに居る先輩が、この夢の中で伝えたことを現実には忘れてしまうかもしれないのなら。
自分の気持ちの何もかもをさらけ出してしまっても構わないのではないか。
「一度しかいいません」
「うん、なんだい?」
碧南は洋二の切れ長の瞳を覗き込む。現実ではきっと出来ないかもしれないと思って、洋二の膝に両手で触れる。胸の中で湧き続ける洋二への想いを告げる。
「……先輩のことが好きです。愛しています」
「うん」
ナルシストのナルシストたる由縁か、洋二は事もなげに頷いて見せた。
「知っているよ。でも、君は僕のどこがどう好きなんだい?」
「……先輩の何もかもが、です!」
「僕よりも?」
重ねて問われ、碧南は告白の恥ずかしさに頬を染めながら必死に続ける。
「はい、……きっと、鷹取先輩よりも鷹取先輩のことが、好きです!」
そうか、と洋二は少し考える風をして後、立ち上がった。胸に手をあて、ひどくロマンチックなお辞儀をしてみせる。ありがとう、と笑う先輩の笑顔が夢の灯火の光に遠くなって、碧南は嘆息する。夢から覚めてしまう。夢でもいいから、先輩と話をしていたいのに。今は返事なんて聞かせてくれなくてもいいから、傍に居させて欲しいのに──
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
バトル
定員
50人
参加キャラクター数
50人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年07月13日
参加申し込みの期限
2019年07月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年07月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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