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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
運気ＵＰ！？ あやかり待ち受け！ 幸運の猫を探せ！
住宅街から日当たりのよい公園へとやってきた刀と海は、移動販売車や屋台にも猫を見なかったか尋ねたが、残念ながらこれといった情報は得られなかった。
尋ねたついでにクレープとアイスを買ってしまったのは、少し蒸し暑かったからだし、お腹が空いたからだ。
それで２人で並んで公園のベンチに腰掛けたのも、歩き疲れたのだから仕方ない。
『おいしいね』
海がスケッチブックに書く。
「そうだな」
刀が応える。
２人が心地の良いのんびりとした空気を満喫していると、刀の足元に猫が寄って来て食べ物をねだる。
「これはダメだぞ。猫には…」
そこまで言って、刀は友人の猫にあげる為に常備している煮干を思い出し、カバンから取り出した。
「ほら、これなら食べていいぞ」
（かわいい）
刀の手に前足をかけ、煮干を食べる猫に目を奪われた海は思わず携帯で写真を撮る。
ぱしゃり。
音に気付いた刀が、海の方を見て笑った。
「本当に小山内は猫が好きだよな」
ぱしゃり。
写真には、猫と遊ぶ笑顔の刀。
「小山内、あれ」
刀が示した先には、噂の模様の猫２匹がいた。
「小山内、後ろからそっと近づいて写真を撮ろう」
刀の言葉に頷き、海は携帯のカメラを起動して猫達に近づいた。
写真を撮ろうとして、海が躊躇う。
「どうした？」
『やぶれたハートもようのネコをとると、ふこうになるっていわれてる』
海が浮かない顔で書く。
見れば、錦鯉の模様を、破れたハート模様が遮っている。
「じゃあ俺が撮るよ。そういうの気にしないしな。ハートの方が写ってない写メが撮れればいいんだろ」
刀は携帯を取り出し、煮干で猫を挑発した。
錦鯉猫が動いて模様が現れたところを写そうとするが、その度に破れたハート模様の猫が邪魔をする。
刀と猫の戦いはだんだんと熱を帯びて行った。
「いい根性じゃないか。この俺の撮影スピードについて来るとはな…」
闘争心に火がついた刀は素早く動き、錦鯉模様を狙う。
だが、猫の方も負けてはいない。
しかし、破れたハート模様の猫の一瞬の隙をついた刀が、撮れる！と思った瞬間、海が猫の前に立ち塞がった。
パシャ。
カメラは、猫ではなく海を写していた。
「小山内、なんで！？」
刀の言葉に、海はおずおずとスケッチブックを差し出す。
『カタナくんがふこうになるのは、わたしがいやなの』
不幸の猫の主な効果は、特に恋愛方面に発揮されるらしい。
茂みから、空気を読まずに利平が飛び出してきた。
「三毛猫を見なかったか？」
問われて見れば、猫は利平達に驚いて立ち去ってしまったようで姿が見えない。
「あっちだよ」
向かいのベンチから、タルトが言う。
「こっちか！」
利平はタルトの示すでたらめな方向へ走り出した。
刀と海が顔を見合わせ、残ったタルトに視線を移す。
カップル大好きなタルトが、によによと意味深な笑顔でこちらを見ていた。２人のやりとりをずっと見ていたらしい。
海と刀は慌ててタルトに背を向けた。
「か、帰るか」
『そうだね、そろそろ、くらくなるもんね』
刀に言われて、海がぎこちない文字をスケッチブックに書いた。
「桜花寮まで送っていく」
『ありがとう』
歩きながら刀が海を気遣う。
「写真、撮れなくて残念だったな」
海は首を横に振った。猫よりも刀の笑顔の写真の方がよっぽど貴重だ。
「へんなやつ」
あれほど撮りたがってた写真が取れなかったのに、にこにこと嬉しそうに笑う小山内を見て、刀の頬も緩む。
海が楽しかったのなら、刀の苦労も無駄ではなかったのだろう。
公園を逃げ出した猫達は、一緒に塀を飛び越えた。
「おっと！」
突然、自分目掛けて飛び降りてきた猫達を、とっさに支えて受身を取った博美は、腕の中のもふもふを見る。
背中には、噂の模様。
「ようやく会えたな」
博美は２匹を一度抱きしめてから、そっと地面に下ろした。
「会えて嬉しかったぜ。その様子じゃ、追われてるんだろ？ 早く逃げな。幸運はみんなのものだ」
幸運は独り占めするようなものではない。まして、幸運に頼るようになってしまっては、その運に見放された時、転落するしかないではないか。常にそういう先を読んで行動しなければと、武道家の博美は思う。
猫達は博美に見送られて、路地を走って行った。
そこへサオラ姿のシダがやって来た。思わず博美が呟く。
「鹿？」
「シカ じゃない シダだよ 猫を追いかけている男 みたか？」
シダの言葉に、博美が首を傾げる。
「男？ 猫じゃなくてか？」
「そう 猫おいかける 悪いやつ シダ こらしめる」
シダの言葉に、博美の表情が引き締まる。
「なるほど。そいつに追われていたのか。いいぜ、俺も協力する」
利平の知らない所で、追っ手が増えた。
尋ねたついでにクレープとアイスを買ってしまったのは、少し蒸し暑かったからだし、お腹が空いたからだ。
それで２人で並んで公園のベンチに腰掛けたのも、歩き疲れたのだから仕方ない。
『おいしいね』
海がスケッチブックに書く。
「そうだな」
刀が応える。
２人が心地の良いのんびりとした空気を満喫していると、刀の足元に猫が寄って来て食べ物をねだる。
「これはダメだぞ。猫には…」
そこまで言って、刀は友人の猫にあげる為に常備している煮干を思い出し、カバンから取り出した。
「ほら、これなら食べていいぞ」
（かわいい）
刀の手に前足をかけ、煮干を食べる猫に目を奪われた海は思わず携帯で写真を撮る。
ぱしゃり。
音に気付いた刀が、海の方を見て笑った。
「本当に小山内は猫が好きだよな」
ぱしゃり。
写真には、猫と遊ぶ笑顔の刀。
「小山内、あれ」
刀が示した先には、噂の模様の猫２匹がいた。
「小山内、後ろからそっと近づいて写真を撮ろう」
刀の言葉に頷き、海は携帯のカメラを起動して猫達に近づいた。
写真を撮ろうとして、海が躊躇う。
「どうした？」
『やぶれたハートもようのネコをとると、ふこうになるっていわれてる』
海が浮かない顔で書く。
見れば、錦鯉の模様を、破れたハート模様が遮っている。
「じゃあ俺が撮るよ。そういうの気にしないしな。ハートの方が写ってない写メが撮れればいいんだろ」
刀は携帯を取り出し、煮干で猫を挑発した。
錦鯉猫が動いて模様が現れたところを写そうとするが、その度に破れたハート模様の猫が邪魔をする。
刀と猫の戦いはだんだんと熱を帯びて行った。
「いい根性じゃないか。この俺の撮影スピードについて来るとはな…」
闘争心に火がついた刀は素早く動き、錦鯉模様を狙う。
だが、猫の方も負けてはいない。
しかし、破れたハート模様の猫の一瞬の隙をついた刀が、撮れる！と思った瞬間、海が猫の前に立ち塞がった。
パシャ。
カメラは、猫ではなく海を写していた。
「小山内、なんで！？」
刀の言葉に、海はおずおずとスケッチブックを差し出す。
『カタナくんがふこうになるのは、わたしがいやなの』
不幸の猫の主な効果は、特に恋愛方面に発揮されるらしい。
茂みから、空気を読まずに利平が飛び出してきた。
「三毛猫を見なかったか？」
問われて見れば、猫は利平達に驚いて立ち去ってしまったようで姿が見えない。
「あっちだよ」
向かいのベンチから、タルトが言う。
「こっちか！」
利平はタルトの示すでたらめな方向へ走り出した。
刀と海が顔を見合わせ、残ったタルトに視線を移す。
カップル大好きなタルトが、によによと意味深な笑顔でこちらを見ていた。２人のやりとりをずっと見ていたらしい。
海と刀は慌ててタルトに背を向けた。
「か、帰るか」
『そうだね、そろそろ、くらくなるもんね』
刀に言われて、海がぎこちない文字をスケッチブックに書いた。
「桜花寮まで送っていく」
『ありがとう』
歩きながら刀が海を気遣う。
「写真、撮れなくて残念だったな」
海は首を横に振った。猫よりも刀の笑顔の写真の方がよっぽど貴重だ。
「へんなやつ」
あれほど撮りたがってた写真が取れなかったのに、にこにこと嬉しそうに笑う小山内を見て、刀の頬も緩む。
海が楽しかったのなら、刀の苦労も無駄ではなかったのだろう。
公園を逃げ出した猫達は、一緒に塀を飛び越えた。
「おっと！」
突然、自分目掛けて飛び降りてきた猫達を、とっさに支えて受身を取った博美は、腕の中のもふもふを見る。
背中には、噂の模様。
「ようやく会えたな」
博美は２匹を一度抱きしめてから、そっと地面に下ろした。
「会えて嬉しかったぜ。その様子じゃ、追われてるんだろ？ 早く逃げな。幸運はみんなのものだ」
幸運は独り占めするようなものではない。まして、幸運に頼るようになってしまっては、その運に見放された時、転落するしかないではないか。常にそういう先を読んで行動しなければと、武道家の博美は思う。
猫達は博美に見送られて、路地を走って行った。
そこへサオラ姿のシダがやって来た。思わず博美が呟く。
「鹿？」
「シカ じゃない シダだよ 猫を追いかけている男 みたか？」
シダの言葉に、博美が首を傾げる。
「男？ 猫じゃなくてか？」
「そう 猫おいかける 悪いやつ シダ こらしめる」
シダの言葉に、博美の表情が引き締まる。
「なるほど。そいつに追われていたのか。いいぜ、俺も協力する」
利平の知らない所で、追っ手が増えた。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2013年08月06日
- 参加申し込みの期限
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- 2013年08月13日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2013年08月13日 11時00分
