this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
夢の終わりの夢を見る
<< もどる
1
…
5
6
7
8
9
つぎへ >>
【手蔓】
なぜ? どうして?
いいや。
どうしたら?
黒い影がばたばたと目まぐるしく動き回っています。影たちはむき出しの機械に組み込まれた歯車のようにつつがなくなにかを進行し続け、止まることはありません。
千歳飴 楓子
はそれをぼんやりと眺めて、ぴくりと指先を動かすこともできず、佇んでいます。
鼻をくすぐる白檀の香りは、どこから?
目の前に、オーロラが揺れています。ゆったりと身をくねらせる肺魚のように。楓子の瞳は虹色を帯び、ともすれば指先から風化して解けてしまいそうな感覚に、虹彩はちらちらと延焼のような輝きを灯しました。
壇上へ鎮座する細長い長方形の箱へ黒い影たちは特にまとわりつき、くるり、くるりと次々にやってきては長い首をもたげ、箱の中を覗き込んでいます。
影たちがひっきりなしに上げる風の音めいた声が、楓子の胸へ不安をすべり込ませます。
影たちは口から隙間風を吹かせ、くるり、くるりと落ち着かず、小刻みに震えている者もあれば、隅でじっと動かず箱を眺めつづける者もありました。
影たちのひとつが自分のところへやってきて、長い首をぐいと目の前へ垂れたところで、楓子は自分が泣き濡れていたことを思い出しました。
肺魚が尾をくねり、ゆらり、ひらひら。
虹色揺れる空は遥か遠く、楓子は底へ。底へ。
(なにも)
式が進みを止めることはありません。時の歩みは常に一方通行で、後退することはかなわないからです。
(なにも、分からないんだぞ。私には)
人も同じ。喪服の人々は彼らの信じる教義、というより定められた作法に従って、粛々と手順を進めるのみです。誰も、ちょっと待った! なんて遮るものもありません。
けれど。棺に眠る彼とは近しい間柄でありながら、楓子には彼を弔う手続きのひとつとても分かりません。
(これから……どうしろというんだ)
だから、楓子は動けません。ぼんやりとして、白昼夢めいた妄想でお茶を濁す始末です。
(これから……どう生きていけばいい)
失って初めて理解する、相手の存在……だなんて、まるで三文小説の陳腐な語り出しのよう。けれどまさしく、この胸にぽっかりと空いた喪失感とするり入り込んだ絶望は、どうしようもなく彼の存在を際立たせました。
思えばひどく、彼へ依存していたようです。分からないことは彼が教えてくれるか、言葉にせずとも彼がこなしてくれました。望めば望んだだけ、応えてくれました。
彼は楓子を好きだと言います。あのとらえどころのない飄々とした物言いのまま。
惚れた弱みといえばそうであったのかもしれません。けれど今にして思うのは、彼が楓子のために骨を折る時、浮かべたのはいつだって笑顔でした。
(なあ。どうしたらいいんだ。楓子は、これから)
いくら呼びかけようと、無論のこと返事はありません。
(ああ。罰、なのかもしれないな。ずいぶんと、待たせてしまったものな)
彼の好意へ、楓子は弾けば鳴る鈴のように答えを返すことはできませんでした。恋や愛だなんて、ゲームの中でしか分からなかったから。
あるいは、怖かったのかも。踏み出すことで、なにかが変わることが。
スマートフォンをタップすればなんでもできるし、なんにだってなれるというのに。返事ひとつ口にできないのは、自分が臆病であることすら知らなかったから?
(すまない)
そうしてまごまごしているうち、機会は永久に失われました。
あらためて自覚し、ずきりと痛んだ胸。目尻からは再び雫が漏れ出して、
「すまない。すまない……楓子は……本当に……すまない……」
楓子は女児に還り、とめどなく肩を揺すり続けるのみ。
カーテンの隙間から差し込む月明かりを、楓子を愛おしく思います。
水底へすら届く光条が、現実へと引き戻してくれるから。
「……イヤな夢だった」
安堵と同時に、うしろめたい気持ちが胸をちくりと刺しました。
「夢とはいえ、幼なじみを殺してしまったな。九割だな。申し訳なさが九割」
残りの一割は?
楓子の片手はあたたかく心地よいぬるま湯で満たされた胸元を押さえ、もう片方の手は人さし指を立て、やわらかく唇をなぞります。
「会いたいな……」
楓子の中で、なにかが変わったのかもしれません。あるいはピースが動き、正位置へかちりとはめ込まれたのかもしれません。
『いとおしい』。
言葉として楓子が想起したのかどうか。けれどそれも些末なことです。
会いに行こうか。
会って、抱きしめてやろうか。
彼の背へ手を回し、あたたかい身体で自分を満たすように。自分のぬくもりが、彼をあたためるように。
「ああ。会いたいな」
夢がもたらしたのは、啓示か。あるいは、曖昧でおぼろげな予兆に過ぎないのか。
どちらにせよ……時はもはや、動き始めました。やがて楓子は知るでしょう。
オーロラの襞に秘匿された、少女の真実を。
<< もどる
1
…
5
6
7
8
9
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
夢の終わりの夢を見る
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年07月02日
参加申し込みの期限
2019年07月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年07月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!