ドネルケバブ『Gule gule!』｜リアクション

ドネルケバブ『Gule gule!』

●新鮮な気分でランチを

　天気がいいので、公園のベンチで食べようか、ということに。
「あまりこういった外食はしないので新鮮だ」
「軽食なら、公園もいいよね。大好きなの、買い食い♪」
　葉月朱真は基本お嬢様なので、高級レストランとかの方が行き慣れている。
　古苗木美姫は、学食かお弁当を作ってくることがある。
　買い食いが好きな美姫は、朱真と一緒に買ったものを外で食べることがすごく嬉しかった。

　溶けないうちに、と２人はまずドンドルマから食べることに。
「ふむ、話には聞いていたがたしかによく伸びるな」
　スプーンで練って伸ばし、その様子をじっくり見て、特殊な材料を使っているのか。
　あるいは製法に秘密があるのか、と朱真はドンドルマをじっくり見て考える。
　食感にも影響があるようで、なかなか興味深い食材だった。
　美姫は見たところ普通のアイスに見えると思ったが、伸びるアイスを不思議そうに見つめている。
「あら？　あららら？　このアイス、伸びるんですね。お餅みたいです」
　暑さを忘れるくらい驚いた。
「食べるのがもったいないくらいですが、いただきます」
　一口食べると、食感がふんわりしていた。
「ふんわりしていて、おいしいです。見た目と食感が楽しめますね、このアイス」
「ふむ、そうだな。原材料が何なのか、帰ったら調べてみよう」
　溶けないように、ドンドルマを伸ばすのと食べるのと交互にする２人は、またこのお店のアイスを食べたいと思った。

「いい香りだ」
　ドンドルマを食べ終えた朱真は、ガーリックソースのケバブを食べることに。
「8月31日に私は20歳の誕生日を迎えたのでアルコールが飲めるようになったのだが、こういう味はアルコールにも合うのかな？」
　アルコールの味はまだよくわからないので、試してみる価値はありそうだと朱真はケバブを一口。
「どんなお酒に合うんだろう？　私はまだ先になるけれど、朱真ちゃんとなら是非、飲んでみたいな」
「ああ、そうだな」
　美姫の誕生日は10月なので、あともう少し待てば一緒に酒が飲める。
「美姫もアルコールを飲めるようになったら、二人で飲みに行くのも楽しそうだ」
「そうですね。20歳になるのが楽しみです」
　お酒が飲めるようになるのを期待しながら、美姫はスペシャルソースのケバブを食べる。
「スペシャルソース、トマトとはどう違うんだろう？」
　ケバブを注文する時、バルシュがヨーグルトは身体を冷やしてくれる。
　ヨーグルト＋トマトソースのイスケンデル風ソースだ、と説明したことを思い出した。
　スマホで検索すると、トマトのソースとヨーグルトのソースをかけたドネルケバブのことだとわかった。
「これもケバブなんですね。おいしいです」
　ざく切りのトマトを煮込んだソースに野菜感たっぷりのケバブを食べると、美姫の表情が自然と緩む。
「スペシャルソースのケバブ、おいしいかい？　ガーリック、うまいぞ」
「はい、おいしいです。朱真ちゃん、今度買いに行くときはスペシャルソースにしたら？」
「じゃあ、美姫はガーリックソースだな」
　次、買いに行くのが楽しみだと朱真と美姫は笑った。