ドネルケバブ『Gule gule!』｜リアクション

ドネルケバブ『Gule gule!』

●未知なるケバブ実食

「ありがとう！　ソースは４種類あるけど何にするかい？」
　メニューを見ると、ざく切りのトマトを煮込んだ野菜感たっぷりのトマトソース。
　ヨーグルト＋トマトソースのスペシャルソース。
　ヨーグルトベースにニンニクが香るガーリックソース。
　辛いのが好きならこれ！　のチリソースがあることがわかった。
「店主さんのおすすめは何ですか？」
「そうだな……おっさんのおすすめはスペシャルソースだ！」
「おすすめはスペシャルソースですか。では、それでお願いします！」
　今、作るからな！　とバルシュ・コルテュルクはリリエル・エーテライトが注文したスペシャルソースのケバブを作り始めた。

　どんな風に作るのか興味津々な見帰り沼のコトコは、じーっとバルシュがケバブを作るところを見ている。
「……とまちょ、やーれす」
　トマトが苦手なのか、ピタパンの中に入っているトマトを見て嫌そうな顔をする。
「パンの中に削げ落したお肉とお野菜がたっぷり。サンドイッチみたいに手で持って食べる食べ物なんですね」
「屋台では肉と野菜をパンで挟んで食べるんだ。もうちょっとで出来上がるから待っててくれ」
　出来上がるのを真剣に見ているリリエルを見ていると、コトコも食べたくなってきた。
（とー、おこじゅかいあったかにゃ？）
　園児バックの中をゴソゴソしていると、５００円玉が入っていた。
　その間に、リリエルが注文したスペシャルソースのケバブが出来上がった。
「ごじゃくえんだまー！」
　お金が見つかったので、さっそくケバブを買うことに。
「てんいんしゃん、てんいんしゃん、これでかばぶー、かえましゅか？」
「ああ、買えるよ。何にするかい？」
「かばぶー、くらしゃい！　とまちょなし！　からくにゃいのがいーれす！」
　トマトが苦手、辛くないのがいい、というコトコに合うケバブは何だろう？　とバルシュはしばし考える。
「スペシャルソースのケバブはどうだい？　そんなにトマトの味はしないと思うんだけど」
　特別にトマト抜きで作ってあげると言うので「それ、くらさーい！」とバルシュおすすめのものに。

「それでは、いただきまーす♪」
　リリエルはできたてのケバブをさっそく一口。
「パンの中に削げ落したお肉とお野菜がたっぷり。サンドイッチみたいな食べ方をする食べ物なんですね……」
　おいしい！　と食べながら、ソースにトマトの味の他に何か酸味が……と推理を。
「これ、ソースを何にするか話してくれた時に教えてくれたヨーグルトの酸味ですね！　トマトとヨーグルトを合わせるとこんな味になるんですね。びっくりです！　お肉も下味がついてておいしいです！」
　肉は味付けしたものを肉焼き器に巻き付けたものをじっくり焼くからな！　とバルシュは教えてくれた。
「そうなんですか。お肉と瑞々しい野菜のアクセント……食べる手がとまりません！」
　食レポ風に感想を思い浮かべながらも、もきゅもきゅと一心不乱に食べているリリエル。
「かばぶー、おにくにゃのね。おいしーれす、おいしーれすお、てんいんしゃん！」
　特別にトマト抜きスペシャルソースのケバブを食べるコトコも大満足のようだ。
　リリエル同様もきゅもきゅと食べたので、あっという間に完食。

「もーたびちゃった。そいじゃ、とー、かえうにぇー。みなしゃん、さおーなら！」
　おいしかったれす、と満足したコトコは交易所へテッテコ歩いていった。
「ふう、とってもおいしかったです！　これを参考にして新しいサンドイッチメニューを増やすのもよさそうですね！」
「うちのケバブが参考になったようで嬉しいぜ！　また来てくれよ！」

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