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七色の星、夢追い求めて
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【向日葵の歌】
頭のてっぺんからちりちりと焦げてしまいそうな、底抜けの陽気でした。
「少し暑いですけれど。でも、このくらいのほうが、この子たちにはピッタリかもしれませんね。んふふ」
夏らしく涼やかに麦わら帽子などかぶり、両手にひまわりの花を抱えて、
胡乱路 秘子
ははにかむように微笑みます。いつもの含み笑いもやわらかく思えました。
彼女のこんなふうに自然な笑みを太陽の下で見られるだなんて、いつかの
ロベルト・エメリヤノフ
は想像もしていなかったことでしょう。
「すごいね。ひまわりの迷路だ」
「エメリヤノフさん、わたくしを置いていかないでくださいね? んふふ。迷ってしまいますから」
「あはは、大丈夫だよ。ちゃんといるよ」
見渡すかぎり、ひまわり畑。ふたりの背たけよりノッポなひまわりたちが、ずらずらずらり! もう、数え切れないくらいです。
青い夏空の向こうには、おおきなおおきな入道雲が、もくもくと浮かんでいます。
このひまわり畑へ、ロベルトは秘子を誘いました。
理由はいくつもあるけれど……一番は、こんなふうに明るく晴れやかな空の下が、まぶしいほどの太陽の光が、彼女には似つかわしいと思ったから。
「嬉しいです。エメリヤノフさん」
「うん?」
「わたくしの、
ほんとうの名前
。覚えていてくださって」
お礼を告げた彼女の顔は麦わら帽子のつばが落とす影の下、ちょっぴり照れくさそうにも見えました。
彼女はウロンジヒメコでありながら、決してそうではありません。学校の名簿にも、今住んでいるなんてことのないアパートの表札にだってそう書いてありましたけれど、違うのです。ほんとうの彼女の名前は。
「今の名前も気に入ってはおりますけれど。やっぱり、自分の名前ですから」
「うん……もう、戻る気はないの?」
少しだけ控えめにロベルトが尋ねると、秘子は口角を上げたまま大きくうなずきました。
「そっか」
すっかり日の暮れた深夜、怪しい笑みでオカルトな番組を引き立てる彼女も、彼女らしくはありましたけれど。
新緑の山々に囲まれ、力強く咲き誇るひまわりたち。尽きることなく地球の全てを照らし続ける太陽。
そんなイメージこそが彼女にふさわしいのだと、ロベルトは考えたのでしょう。
「僕は、忘れてないよ。忘れないよ。だから胡乱路は、胡乱路らしく生きていったらいいと思う」
「……はい♪」
どちらの彼女も、ロベルトにとっては友人に違いないのですから。
「本当は」
ひまわり迷路の最奥にもうけられたベンチへ並んで腰かけて、ひと休み。ペットボトルのお茶を含んでから、秘子はぽつり、口を開きました。
「本当は。もう、ダメかもしれないって……思いました。
あの時
に」
「……うん」
ロベルトの記憶はすぐにも、あの夜のワンシーンを再生します。記憶は鮮明で、いまだ色あせてはいません。
必死に、ただ真っすぐに、夢を叶えようとした少女。それを応援する人たち、止めようとする人たち。あの夜、最後の夜には本当に、さまざまな思惑や感情が渦を巻きうねっていたように思います。
ロベルトもその真っただ中で、彼女に寄り添いました。引き裂かれ、さらけ出され、好奇の目の中へと放り出された彼女へと。
おさえきれないほどに震え、わけもわからずに涙をこぼすばかりのちっぽけな少女は、もう二度とは立ち上がれないんじゃないだろうかと。ロベルトも確かに、そう思ったのです。
「何日も閉じこもって、泣きました。頭がぐちゃぐちゃで。なにも考えられなくて。ただただ泣いていたんです。小さい頃のように」
不思議な番組は、彼女の子どもの頃をもロベルトに見せたことがありました。本が好きで、歌が好きで、けれどそのことを誰にも覚えてもらえず、忘れ去られてしまった女の子。
戻ってしまったなら、二度と再び歩き出すことはかなわないのだと。
「でもまた、歩き始めたんだね。胡乱路は」
んふふ、と彼女はおかしそうに笑います。
「泣き続けていたら、ある時ふっと、皆さんの顔が浮かんできたんです。んふふ、エメリヤノフさんの困ったようなお顔も」
「ええ? 僕、そんな顔だった?」
「はい、眉毛をこーんなにされて、心配そうにわたくしを覗き込むお顔を」
へにょりと下がった眉を人さし指で表現する彼女に、ロベルトもくすり。
「自分がもう孤独ではないのだと、一度気づいたら……ふしぎですね。わたくし、もうなにも怖いものがなくなってしまったんです」
「そういうものかな」
「そういうものみたいです」
やっぱり強いな、とロベルトは思います。
同時に、その強さが少なからず、自分が彼女へと分け与えた自信が裏打ちするものだと思うと、ちょっとばかり誇らしくも感じます。
「だから……ありがとうございます。エメリヤノフさん。いつもそばにいてくださって」
彼女が夢を抱き続けるなら、これからも困難は絶えないことでしょう。辛いことだって、たくさんあることでしょう。
けれど彼女なら、乗り越えていけるはず。がんばっていけるはず。
その強さを、信じたい。ロベルトはそんなふうに思うのです。
「うん。必ずね」
ひまわり畑の真ん中に、彼女がふと口ずさむ鼻歌が響きます。
ロベルトの浮かべた笑みは、青空のように晴れやかでした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年06月10日
参加申し込みの期限
2019年06月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年06月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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