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七色の星、想い届けて
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夏の雨上がりが、
見帰り沼の コトコ
はとても好きだ。
だって水たまりがいっぱいで、いきものもみんな嬉しそうで、空にはきれいな虹がかかっているから。
雨の匂いがするところも好み。少しずつ乾いていく水が、もやもわと空にのぼっていくところも。
浅い水たまりをスニーカーで踏むのが楽しかった。ぴしゃんと立つ音も気に入っている。はじけ跳んだ水が、七色に輝いている。
虹の色だ。
これほどきれいな色をほかに知らない。
たくさんの色が混じり合うことなく、くっきりと別れたまま弾けている。
あじさいの花が咲いている。いくらか枯れかけているものの、雨を浴びたおかげか元気を取り戻し、青紫の笑顔を向けてくれている。
やや猫背のひまわりも、やあ! と声けてくれるような朝顔も、みんなみんな大好きだ。
「とーは、たのしーのれす」
コトコは黄色い帽子をかぶり、水色のランドセル姿で歩いていた。この姿は彼女にとっては寝子島での『人がた』、ちょっと背伸びして今日は小学一年生風だ。桃色の上着と赤いスカート、おろしたてのスニーカーで水たまりを踏む。上履き袋には、にっこり笑うカエルちゃんのアップリケが縫いつけられている。カエルちゃんの赤いほっぺが、なんとも嬉しいではないか。さりげなく、スカートから尾がのぞいているけれど気にしない。
空は青、気持ち的にはどしゃぶり雨も好きなのだけれど、雨上がりの午後は格別だ。
「あめのおうた、うたいたくなるれすね」
ひとりの道行きなのだけど、問わず語りに語り出す。いまは必要のない傘も、折りたたんだレインコートも、この気分を盛り上げるアイテムだ。
一口に雨の歌といったところで、たくさんのレパートリーがある。雨よりも傘を喜ぶ歌、しとしと降る詩情を抱きしめるような歌、雨中にひらく花をたたえる歌……どの歌も、わけへだてなくコトコのレパートリーだった。
雨と蛙の歌を歌いながらしばらくゆくと、
「あれー?」
嬉しさのあまりコトコは足を止めた。
「かたつむりさんがいるれすー」
街路樹の葉の裏、分速一センチにも満たない速度で、じわりじわりと移動しているカタツムリを見かけたのだった。
「こんにちはー」
しゃがんであいさつする。今朝軽く雨が降ったせいだろうか。カタツムリは、のったりのったりと葉っぱを這い進んでいる。
「ろこいくれすかー?」
カタツムリは答えない。ただのったりとしているだけだ。
「でんでん虫はねー、でんでん虫の国にかえるんだよー」
「かえる?」
声をかけられコトコは顔を上げた。
もっちりと白い肌をして、それでいて眉毛はうんと濃い少年が、ぼく知ってるもんね、と言ってニコリと笑った。主張の強い眉が、笑うと立派な八の字になる。
だれれすかね?
はじめてみる、おかおれす。
半ズボン、アニメのキャラクターらしき絵がプリントされたTシャツを着ている。小柄な体格からすれば大げさなほどのランドセルを背負っていた。今の姿のコトコよりは少し歳上のようだ。小学校二年生くらいだろうか。胸に付けた名札には『桐太(とうた)』とある。
「れんれんむしのくに、れすか?」
「そうだよ。だって、冬になったら見ないもん。でんでん虫」
桐太少年によれば『でんでん虫の国』はカタツムリの避寒地で、ずっと雨が降っていて温かい。高度な文明があって、カタツムリの王様が統治している……らしい。
「ちがうれすよ」
コトコはあっさりと否定した。
「かたつむりさんは、ふゆのあいだはとーみんしてるのれす」
「とうみ……なに?」
「とーみん。さむーいふゆのあいだは、おねんねしてすごすのれす」
「うそだい! でんでん虫の国だい」
桐太はふくれ面で否定した。しかしコトコは読書家なので、そのあたりは科学的だ。
「れんれんむしのくに、おはなしとしてはおもしろいれすけろ、ありえるないようれはないのれす」
ふんすと鼻息して語るのだが、桐太には通じていないらしい。
「え? なに? いみわかんないんだけど」
「らからー、ふぃくしょんとしてはありれすけれろ……」
「けろけろうるさいなあ」
「モガー! とーはとーらから、けろけろはあたりまえなのれす!」
コトコは両手を振り上げ『Y』の字みたいなポーズをとった。
わっと桐太少年はたじろいで、
「そんなおこんなくたっていいだろ……わかったよ、その『とーみん』とかいうのにしとく」
と自説をひっこめた。我の強い方ではないらしい。
「わかればよろしいのれす」
コトコは胸を張る。
「でもさあ、『でんでん虫の国』のはなし、おばあちゃんにもらった絵本に書いてあったんだぜ。お前、うちに絵本、見にくるか?」
意外なお誘いだ。いく、と言いかけたコトコだが、先に桐太のほうが言った。
「あ、だめだ。あれ、お母さんが古本やさんってとこにもっていったんだった……なんかね、本を買ってもらえないようなかわいそうな子に本をあげるばしょなんだって」
かわいそうな子にあげるんだったらいいよな、ぼくガマンできるから――と言う桐太の表情は、言葉とはうらはらに沈んでいた。
なんだか放っておけないような気がして、
「なら、とーとあしょびするれす?」
コトコは声を掛けるも、
「ううん、またな」
短くそう返して少年は手を振り、虹のアーチをくぐるようにして離れていった。
「またねー」
あ、とーのなまえ……『みぬまことこ』って、いってなかったれすね。
れも、またのときにいえばいいれすかね?
なんだかくすぐったい気持ちだ。
さよならじゃなくて、またね。
いいことばなのれす。
そんなことを思ったりする。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年06月11日
参加申し込みの期限
2019年06月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年06月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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