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七色の星、想い届けて
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マーチングバンドの演奏が鳴り響くなか、隠し味的なシンセサイザーが浮遊感をかもしだしている。
七音侑は舞う。腕を回しバトンを回し、高く足を蹴り上げて舞う。舞う。パッキーバトンを真上に放り投げ側転、着地のタイミングでバトンを受け止めた。さらに回転し跳躍し、助走したかと思いきや、ふわりと空中に浮遊した。
「すごい……!」
工藤耀は目を奪われていた。もう座ってはいられない。無意識のうちに立ち上がっている。
けれど感心するにはまだ早い。侑が着地したとたん、音楽はスキャット混じりのミュージカル調へと一変したのだ。電飾がぱっと落ち、舞台は真っ暗になる。
「うん?」
戸惑ういとまもあらばこそ、たちまち灯がついたとき、ステージ上はニューヨーク近郊の下町のようなセットに変わっている。
変わったのはステージだけではなかった。
侑もまた衣装を一変させていたのだ。
活動的な赤いカットソー、タイトなショートパンツ、頭にはグレーの猫耳……灰と黒の尻尾までつけているではないか。
「にー」
と猫のポーズで一声あげて、キャットな侑は煉瓦塀に飛び移った。
「おおー!」
手拍子したくなる楽しい曲だ。煉瓦塀から煉瓦塀、跳躍する侑キャットの動きにつられ、耀の体も動いてしまう。
だしぬけに稲妻! もちろんステージ上の効果だが、真に迫った雷光と雷鳴に、耀はギョッと身をすくめる。
感覚としては数秒の短い暗転、これが解けたときまたステージには、装いを変えた侑の姿があった。
小悪魔というコンセプトにちがいない。ゴスロリ調の衣装、黒いニーソックス、頭に被ったパーカーも、なにやら悪げなデビル風、侑の見せる笑顔も心なしかワル(悪)である。
黒白の衣装を翻し侑は踊る。これまでとは違う攻撃的な動き。かかるBGMはインダストリアルバンド、ドイツ語の硬い響きがよく似合う。
赤い光がステージを包む。悲鳴がBGMを切り裂く。
侑はステージ壁に背を押しつけ両腕をひろげた。追い詰められたような格好だ。表情も真に迫っている。
これが演出だとわかっているのに、耀は飛び出していって彼女を救いたいと衝動的に思った。
されどそれもわずかなこと、壁はぐるりと一回転した。すると今度は書き割りながら、学校の教室が出現したのだった。
BGMは、学校のチャイムをアレンジしたようなポップなものになっている。
「よいしょ」
ステージ下手から侑が現れた。耀はほっとした。いつもの制服、夏服姿の彼女だったから。抱えた机と椅子を、とことこと運んでいる。音楽に乗りつつもペンギンみたいで可愛い。
ステージ中央に机椅子を置くと侑は着席……すると思いきや、たたたと走って戻って舞台袖に姿を消した。
「どういうことだ?」
耀は目をぱちくりするしかない。
だがすぐに理解した。はははと笑ってしまう。
舞台上手から、またも侑が現れたのだった。しかし今度はタイトな黒いパンツスーツ、眼鏡もかけて知性的、オーケストラ指揮者みたいな白い棒まで手にしている。教師の扮装だと一目で分かった。露出の少ない扮装なのに、なんとも色っぽいではないか。
パントマイムのような無言劇が展開された。
侑が書き割りの黒板を指す、そして机のほうを向き直る。
ぱっと教師侑が姿を消すと、今度は下手から生徒の侑が現れる。
はい、と言うように元気に生徒侑が答えるも、つづいて教師として再登場した侑は、腕組みし首を振って不満げな様子、たちまち生徒に戻った侑がさらに答え、またも教師の侑がダメ出しする……このやりとりがポップなミュージックに乗ってテンポ良く展開されたのだ。
ところがだんだんごちゃごちゃになってきて、生徒の侑が眼鏡になったり、教師侑のスーツの下が、チェック地の制服スカートになったりするのだった。最後はドタバタと滑って終わる。耀は手を叩いて笑ってしまった。
さらに衣装の披露は続いた。コルセットがポイント、ビアホールの店員風、このときの音楽は愉快なヨーデルだ。そして、ちょっとレトロなアイドル風、音楽もちゃんとそれっぽくなっているのが素敵だ。
アイドルのダンスが終わったとき、いま一度舞台は暗転した。今度は、少し長く。
やがてひとつ、ぽつんと丸い脚光が侑を照らし出した。
「工藤君」
楽しんでもらえた? と彼女は訊く。
「もちろん! 最高のダンスだった」
ずっと興奮しっぱなしだったと耀は大声で返した。
「じゃあ……じゃあね……」
スポットライトがひろがって、侑の全身を浮かび上がらせた。
ロングドレス。夜会服というべきか。うっとりするような薄紫の。同じ色をした薔薇の髪飾りもよく似合っている。
侑は耀のほうに手を伸ばして言った。
「ラストのダンスは、一緒に踊ってもらっていい……?」
にへへへ、と照れくさげに笑っている。頬が桜色だ。
彼が応じてくれるだろうとは思っている。わかっている。だけどもちょっぴり不安だ。緊張もしている。
もちろん、耀に否やはあろうはずもない。
「よしきた!」
と壇上に駆け上がると、映画のダンスシーンみたいに大仰に一礼して、
「それではお手を拝借、ってね」
耀は侑の手を取ったのだった。
流れ出す音楽、それは流麗なワルツだ。
制服のままの耀。
ドレスを着た侑。
左右の手を取り合い、氷の上を滑るようになめらかに舞う。
興に乗って耀が右手を離した。残る手をつないだまま、すうっと侑が体を伸ばす。このときするりと耀のリストバンドがずれて、ふたりの結び合った手の位置に、舫(もやい)のようにかかったのである。
くるくると回りながら戻ってくる侑のドレスから、紫の色が蒸発していく。変化はそれにとどまらない。丈はもっと長く、レース飾りはもっと多く、そして色は、無垢の白へと変わりゆく……そう、ウェディングドレスへと。
しっかり抱きとめた侑の顔には、白いヴェールが飾られているのだった。
耀の制服だっていまは、黒がベースのタキシード、ところどころ赤のワンポイントがさしてあり、胸に飾る薔薇もまた燃えるような赤なのだった。
ふたりとも、少し大人になっているような気がした。
見つめ合い抱き合う。
「工藤君」
「侑……」
唇と唇の距離が、限りなくゼロに近づいていく。
ため息とともに、耀は夜空を見上げている自分に気がついた。
最後の流れ星の尾が、西の空に消えてゆく。
夢――だったのだろうか。
だとしても、いい夢だったと思う。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年06月11日
参加申し込みの期限
2019年06月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年06月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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