寝子島八百万大宴会｜リアクション

寝子島八百万大宴会

●酒盛りはまだまだ続く

　追加のおつまみを持って来た八神修は、神々に合ったお酒を作ってみた。
「天之丸尾猫神様、またたび葉入りカクテルはいかがですか？」
「かくてる？」
「他のお酒やジュースといった飲み物を混ぜたお酒です。ささ、どうぞ」
　空になった盃に注ぎ、飲むのを勧める。
　一気に飲み干した天之丸尾猫神は「美味い！」と上機嫌。ゴロゴロと喉を鳴らし始めた。
「猫さんな神様も可愛い……可愛いにゃー……」
　恵御納夏朝は「お魚とか……好きかにゃー……？」と天之丸尾猫神に聞いてみた。
「魚でござるか？　拙者の好物でござる」
「そうなんだにゃー……それじゃあ、魚料理を作ってくるにゃー……」
　大急ぎで魚料理を作り、出来上がったものから順番に運んでいく。
　夏朝が作った魚料理を美味い！　と上機嫌で食べる天之丸尾猫神。
　大皿に盛られた料理だが、少しでも早く届けたいので、こっそり皿の裏にねこシールを貼って持ってきたのだった。
（皆、酔ってるなら……ろっこん使っても大丈夫かにゃー……）
　ダメ元で軽くしてみようとしたが、ろっこんが使えたので軽々と持ち上げることができた。

　龍の神にはEndless Bacchus Service凸凹コンビ、酒浸朱蘭とトワ・E・ライトフェロゥが交代で大きな口に酒を一気に注ぐ。
「飲みねえ、飲みねえ！」
「どんどんー飲むのレス！」
　俺も注いでいいか、と修は朱蘭とトワに訊ねる。
「いいぜー、皆で注ごうぜー！」
「やろー、レス！」
　３人でお酒を注いでも満足しないだろうと思い、七夜あおいも手伝う。
「龍の神さまには日本酒でいいかな？」
「何でもいいんだぜー」
　龍の神は、酒が飲めれば何でもいいようだ。早くしろ！　と催促している。
「それじゃあ、日本酒を飲ませよう」
　１人増えたことで、龍の神の飲酒量がどっと増えた。たくさん飲めて嬉しいのか、立ち上がって吼えた。
「大きな声だぜー！」
「うるさいー、レス！」
　龍の神はお酒が切れると、もっと飲ませろと要求するタイプのようだ。
（龍の神さまには……お酒を切らさず大量に提供しないとだにゃー……）
　樽でも瓶でも、とにかく軽くして運ばないと……！　と急いで追加の酒を持ってくる夏朝。
　追加分を持ってくると、大きな口に次々と酒を注ぎ始めた。それに続け、と朱蘭達も一斉に酒を注ぐ。
　５人ががりで飲ませた甲斐があったのか、龍の神は酔っぱらって眠ってしまった。

　他の神にもお酒を勧めようと、修はマンボウ姿の神や麦穂毛玉の神の集団といった他の神々にも勧める。
「酒ジュースでいいか？」
　マンボウの神はコップで飲めないようなので、盃のような器に注ぐ。
　麦穂毛玉のような神々も器に群がり、チビチビと酒を飲み始めた。

「そこな小僧、拙者達と飲まぬか？　肴を作るだけではつまらんであろう」
　ご陽気な天之丸尾猫神の一緒に飲もうと誘われたので、修はあおいとありがたく頂戴することに。
　差し出された盃には、酒がなみなみと注がれていた。
　天之丸尾猫神には丁度良いサイズだが、普通の人間には大きすぎる。
　修ひとりでは飲めそうもないサイズなので、あおいと一緒に飲もう、と勧めた。
　盃に唇を落とし、２人で顔見合わせたら自然と笑みも零れる。
（天之丸尾猫神様、ありがとう！　おかげであおいと急接近できた！）
　心の中で、天之丸尾猫神の無茶振りに感謝する修だったが、顔が赤くなり、頭がポーッとしてきた。
「良い飲みっぷりだのう。もっと飲むが良いぞ」
「も、もう結構です」
　飲み干せませんと言えないので、修は「先ほどの一口だけで満足しましたから」と丁重にお断りした。

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