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調印式、というと大げさかもしれないが、当の二人にとってはそれくらい大きな意味があったのではないか。
紅
(くれない)は意外なほどの達筆でさらさらとしたためた。
ノートに、『イモニ クミ』と。
これでいいでしょ、とペンを置き、キャップの鍔を引いて下ろした。
芋煮紅美
(いもに・くみ)というのが彼女の本名だ。たいへん珍しい苗字ではあるが、字面は『芋』を『煮』るとなるわけで、『紅』の文字が入ったファーストネームとあいまって、サツマイモ汁を呑気に作る光景が想像できてしまうのは致し方ないところであろう。
紅はこの本名を気に入っていない。むしろ積極的に嫌っていた。
ノートというのは、このところ人気急上昇中のトレーディングカードゲーム『TOS(Tales of the Sky)』の予約台帳だった。新作ブースターの発売前予約である。最近のTOS人気を考えると、新作は店頭に並ぶより前に予約で完売しそうな勢いだった。
この店、ゲームショップ『クラン=G』はネット予約を基本的に行わない。かわりに手書きのノートという、この時代からすればなかなかオールドファッションな予約の方法を採用しているのだ。
「……これでいい?」
紅はいささか不服そうだが、それでもカタカナで署名が認められたためこれ以上の言葉はないようだった。
「結構です。ご予約ありがとうございました」
能面を思わせる無表情っぷりで、
三佐倉 千絵
(みさくら・ちえ)はうなずいた。しかし千絵も内心では妥協できてほっとしているらしく、息づかいには安堵の色が見え隠れしている。
予約記入は本名で、という千絵の要求に紅は反発、オーナーだったらハンドルネームでも予約に応じてくれたと主張し、台帳を挟んでふたりは、あわや紛争勃発という状態になっていたのだった。
このとき提出された妥協案『漢字ではなくカタカナ記名』は、両者にとってある種の福音だったといえよう。
千絵は店のオーナーの娘である。まだ小学六年生という幼さだが、ゲームの買い付けだとか模型の展示会だとか言ってすぐ店長業務をさぼる父親の代理として、しばしば店長代理(無給!)として店を任されている。そのせいか、年齢のわりに大人びたところがあった。二歳くらい年長の紅のほうが、よっぽど子どもに見えるくらいには。
パチパチパチ、とこの調印式の見届け人が拍手を送り、かくて紅の予約は完了したのだった。
予約手続きという名の署名が終わって、なおも無言で向かい合い、小さな火花を散らしている紅と千絵、その間に、
「こんにちはー。今日も遊びに来たよー」
明るい声がさし挟まった。
「あ、千絵ちゃんに紅ちゃんだ、こんちゃー」
なおも残る緊張状態を、一掃するかのような明るい声だった。
白 真白
だ。キッズタレントにしたいくらいの美少女、とろけるような笑顔、場を和ませずにはおれぬ明るい声。一見、うっかり小中学生と見間違えそうな背丈だが、『巨』という文字ではなく『爆』の文字を迷わず進呈したくなるほどのバストぶりは、高校生であることの証明だった。
「白さん、いらっしゃいませ」
「おっすー」
うやうやしく頭を下げる千絵と、ひょいと手をあげるだけの紅、対応はそれぞれ違うが、それでもふたりとも、真白の登場を歓迎している様子である。雪解けムードをもたらした春の風、真白の来店を、そう表現しても過言ではあるまい。
「お待ちしておりました。白さん、TOSの新弾ブースター、本日から予約開始となります」
予約特典として追加カードもお付けしますよ、と千絵は嬉しげに言う。紅に向けていたポーカーフェイスとは大違いだ。
「うん、メルマガで知ってね。せっかくの新弾だしちゃんと予約しないと、って思って来たんだよ」
もともと広くて清潔感もあり、明るく賑やかな店内ではあるのだが、真白が来るとたちまち『クラン=G』は、その明るさ賑やかさも増したかのように見えた。常連の何人かは真白に手を振っているし、顔見知りではあっても彼女と話をしたことのない隠れファンらしき男子たちは、にわかに肘をつつきあい目をハート型にしたりして色めき立っている。
「予約台帳、これだから」
紅が厚手のノートを指さした
「紅ちゃんも新弾予約しに来たの?」
「まあね。こうやって買い支えとかないといつ終わっちゃうかわかんないし」
「次の弾面白そうだよねー」
カラフルなタピオカをうかべたヨーグルトドリンクのように、真白の言葉はきらめいている。
「とと、予約表書いちゃわないとだね……紅ちゃんお先にどーぞ」
「私もう書いたから」
どうぞ、と紅はカウンターを譲った。
「あ、千絵ちゃん、ないとカウンターに届かないから台借りるねー」
そう真白が断ったときにはすでに、千絵は足元にステップ台を置いてくれていた。
「こちらをお使いください」
ありがとう、と真白は台を上がってボールペンを取る。よく見ると、ペンのノック部分はアメコミキャラクターの頭部になっていた。
「数量は2boxでマシロっと、これでいいかな?」
このとき真白の背後で、じろりと紅が千絵に視線を投げかけていた。
千絵は恐縮気味に言う。
「申し訳ありませんが本名のフルネームでお願いします。カタカナで結構ですので」
ちょっと店長代理、あたしが相手のときとはずいぶん対応が違うじゃない――とでも言いたげに紅は苦い表情をしていた。
「あいあい、それじゃ『ツクモマシロ』っと……」
えっ、とこのとき紅が驚いたような声を上げた。
「ん? どうかした紅ちゃん?」
「それ本名だったの?」
紅はしげしげと台帳を見ている。
「あぁ、うん。マシロって本名なの。登録名とかに使っても違和感ないからそのまま使ってたけどねー」
いいなあ、と思わず紅はつぶやいていた。ペンでひとつ上の枠を指して、
「あたしなんてこれよ。芋の煮っころがしと書いて『芋煮(イモニ)』」
悪目立ちしっぱなしだし、とぶつくさ言っている。
「あら? 可愛いじゃない。私は好きだけどなー。温かみがあって」
「そ……そう?」
真白に褒められると、紅も悪い気はしないようだった。
それより、と真白は人差し指を立てて紅に告げた。
「紅ちゃん、予約終わったならちょっと対戦しない? 今いろいろとデッキの調整中なんだよね」
望むところよ、と紅はニヤリとした。
「あたしも今日は、新しいデッキを試したかったところなんだ」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年05月27日
参加申し込みの期限
2019年06月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年06月03日 11時00分
参加キャラクター一覧
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