this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
shine a light
<< もどる
1
…
21
22
23
24
25
…
28
つぎへ >>
来た道を戻りながら、七夜あおいは空を見上げていた。
「やんだみたい」
雨、と、傘の外に手をのばす。
「本当だ」
空は、一時的にでも泣き止むことにしたのだろうか。それとも、太陽をのぞかせる気持ちが固まったのだろうか。
鴻上彰尋は傘をたたむことにした。あおいも同様にしている。
「夏休み、もうじき終わるね」
何気なく彰尋は言ったのだが、そうだね、と返すあおいの声は明るくない。
「はじまるときは永遠に終わらないような気がするのに、終わってみればあっという間……いつものことだけどね」
そういえば、神社行きを誘ったときも彼女の声には浮かぬものがあった。最初、断られるのかと思ったほどだ。
まだ悩みが解決できていないのだろうか。
将来のことが考えられない、という重しがあおいの心にのしかかっているらしい。休み明け早々に提出する進路希望調査票も、まだ書けていないのかもしれない。答を自分で出さなければ、という焦りがあるのかもしれない。
神社に手を合わせたとき、彼女には自分のことを祈ってほしかった。『せっかくだから、なにかお願いしてみないか』と呼びかけるつもりだった。
進路のことじゃなくたっていい。俺や他の人にも打ち明けられない悩みがあるのだとしたら、神様に明かしてみないかと。
なのにあおいさんは、俺の願いが叶うようにと、手を合わせてくれたんだ。
『彰尋くんの願いが叶えば、私だって嬉しいから』
きっとあの言葉は本心だ。いつだってあおいさんは、自分のことより他の人を優先する――。
それが彼女の長所なのは間違いない。
でもそのせいで、悩むことになっているのだとしたら、ジレンマというにしても哀しすぎると彰尋は思う。
「宿題」
池に丸石でも投じるように、あおいは言った。
「終わった? 夏休みの」
「大まかにはね、でもまだ残ってる」
「本当? 彰尋くんなら終わってると思った」
「そういうあおいさんは?」
「私もね……あと少し」
気恥ずかしげにあおいは言う。
「世界史のね、レポートがあるんだけど。どうにも上手い書き出しが思いつかないんだ。資料の本は読んだし、どこでも書けるように、って資料とかレポート用紙とか持ち歩いてるんだけど」
今も、ということらしい。
驚いて彰尋は自分のリュックを前にして叩いた。
「俺もなんだ。描きかけのレポート用紙を持ち歩いているところまで同じ」
「彰尋くんはどんな題材?」
「シェイクスピアの『真夏の夜の夢』、この作品の現代演劇への影響について」
「さすがは」
あおいはまぶしそうに目を細めた。好きな演劇について語る彰尋を見ていると、彼女も気分が良くなってくるくるのだろうか。
「よかったら一緒に残りを消化しないか、長居や勉強ができるカフェが近くにあるんだ。実は、よく行ってる」
「いいね、そうしよう!」
花が咲くような笑顔があおいの顔に浮かんだ。
もともと彰尋はあおいに誘いの電話をかけたとき、神社にお参りに行くことと、宿題を一緒にしようという話をともにするつもりだった。ところがあおいの沈んだ口調を聞いて、後半は出せずじまいに終わっていた。結果としては同じことになったといえよう。
なお彼女のレポート題材は、クレオパトラの生涯についてだという。あおいとクレオパトラ……意外な組み合わせだが、それだけに読んでみたいと彰尋は思う。
鳥居をふたたびくぐり、神社の敷地から出る。
今だろ、と彰尋は心の声を聞く。
渡すなら、今だろ。
お祈りした直後に渡すのはいささか場違いな気がしたし、待ち合わせ場所ですぐ、というのも緊張してしまう。かといって帰路では、うっかり渡しそびれる可能性もあった。
だから今、このタイミングなのだ。
「そういえば先日、この神社であったほおずき市で」
と言いながら、彰尋は前にしたままのリュックをさぐる。
「彰尋くんと偶然会ったよね。あのときはありがとう、寮まで送ってくれて」
「どういたしまして。あの夜、幽霊騒ぎとかあったせいで渡せなかったものがあるんだ」
少し時期遅れになっちゃったけど、と彰尋が取り出したのは組紐ブレスレットだった。ディップアート製のほおずき飾りがついている。
「これ、あおいさんに、って買ったものなんだ。もらってくれないか?」
「私に? いいの?」
あおいは受け取って、彰尋にうながされ左手首に通す。
「とても綺麗、ミニほおずきも可愛いな。ありがとう」
あおいは腕を振った。しゃらしゃらと飾りも揺れる。
「ちょっとしたお守りになるかな、って思って。鬼の灯、って書くよね、『ほおずき(鬼灯)』は。だから、もしあおいさんが道を見失ったときには、このあかりが足下を照らして迷いから抜けだせるように」
「詩人だね、彰尋くん」
うふふとあおいは笑った。
「詩人? そんなに洒落たものじゃないよ」
照れ隠しのように彰尋は頬をかいた。彼女の言葉もだが、あおいの顔に血色が戻ってきたこと、それがなによりも嬉しかった。
良かった。あおいさんに喜んでもらえたようで。
これが今の俺にできる、君への精一杯のことだから。
<< もどる
1
…
21
22
23
24
25
…
28
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
shine a light
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年05月27日
参加申し込みの期限
2019年06月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年06月03日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!