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周囲の建物が改装工事中で、コンクリート製の袋小路になっている場所だった。
灰色の壁三方に囲まれたその場所で、短パン姿の大柄な男が誰かを組み伏せていた。街灯のおかげで、男が履いているのが穴の空いたナントカというサンダルであることまでよく見えた。
男の背後にはもう二人、やはり短パンの男が立ち、手術中の名医を見学するような姿勢でこれを見守っている。うち一人は、火のついた煙草を右手指に挟んでいる。
優木遥斗は、組み伏せられているのが女性であると気がついた。
薄いグリーンのワンピース。乱れた茶色の髪。顔を伏せ観念したように身じろぎひとつしない。
顔は見えない。しかし遥斗は彼女が、泰葉であると確信した。
まだ誰も気がついていない。男たちはいずれも異様な興奮状態にあったからだ。女性のほうはきっと、それどころではなかっただろう。
泰葉を押さえつけていた男が立ち上がり、もどかしそうな手つきで自分の腰ベルトを外そうとしていた。カチャカチャと音は立つがなかなか外れない。ええっ、とかクソっ、とか男は独り言をわめいた。二の腕に彫られた頭蓋骨のタトゥーが、泣き笑いのような表情になっていた。
遥斗は、この状況下で取り乱さぬ自分の冷静さに気がついた。
やるべきことはわかっている。
遥斗は背中の袋に手を伸ばすと、試合用の軽い竹刀を音もなく抜き出していた。
残った竹刀入れは、やはり音を立てぬように背後に置いた。
両手で握り構える。手にしっくりと馴染む。
普段重い竹刀で鍛錬しているのは、試合用を手にしたときに素早い動きをするためだ。
恐怖はない。非日常の世界の怪異との戦闘に比べれば、物の数ではない。
声は出さない。
一刀、真上から振り下ろして見物男の一人を倒した。男は声すら出せなかった。そいつが持っていた汚い煙草が、ころりと落ちて赤い火の粉を散らせた。煙は上がったままだった。
うえぃ!? というような奇妙な声を上げて、見物男の二人目がコンクリートに膝をついた。遥斗はたじろぐとことなく、首筋にもう一撃を下して男の意識を奪った。今度は、おげ、というような声を上げて男は地面に崩れ落ちた。
ベルトいじりを放棄し、金髪の男が振り返った。顔が青ざめている。汗でびっしょりだ。金髪に見えたが頭頂は地毛らしく黒で、いわゆる『プリン頭』だとわかった。
「コラァ!」
それが知っている唯一の日本語であるかのように、男は唾を飛ばした。
だがそのときにはもう、自分の取り巻き二人がたどった運命を知っていたようで、声にはあまり勢いがなかった。
「……やめ……て!」
泰葉が立った。
頬が赤い。額からは血も出ている。目からは涙がこぼれているではないか。
それでも彼女は重心を崩すことなく、両腕をひろげプリン男をかばうようにして遥斗の前に立ちふさがった。
「何してるの……遥斗くん! 何しているの、こんなところで……!」
強烈な怒気だ。間違いなく泰葉は遥斗に怒っている。
助けてくれてありがとう、そう言ってほしかったわけではないが、遥斗にとっては予想外の反応だった。
「
答えて! こんなところで何してるのよ!
」
それはこちらの台詞です、と言いたい気持ちもあったがそれより、遥斗は泰葉を押しのけてプリンを叩きのめそうとした。
「どいてください。こいつのしたこと、しようとしていたこと……決して許せるものじゃない」
「
馬鹿ッ!
」
泰葉がやったこと、それは遥斗の頬を張ることだった。
「子どもが大人の世界に足を踏み入れるものじゃないわ! この人、赤沢さんは私の友達よ!
帰って……
帰って!
」
嘘だ。
友達なものか。嘘にしても下手すぎる。
泰は涙を流しているじゃないか。怪我も、顔の汚れも本物だ。
「そればかりは聞けません」
遥斗は首を振った。怒気こそ前面にはしないものの、この場で赤沢とかいう男を、殺したってかまわないと思っていた。
しかし泰葉はその場を動かなかった。
「聞いて遥斗くん、あなたは選手なんでしょう? 将来有望な子なんでしょう? こんなところで、私みたいな汚い女にかかわって将来を棒に振らないで! 黙って帰って……お願いだから……自分の人生を大切にして……」
遥斗は声を荒げない。しかし厳然と告げた。
「泰葉さん、聞いて下さい。
ここで引き下がることこそ、俺にとって、人生を捨てることにほかなりません
」
泰葉を突き飛ばしたのは、赤沢のほうだった。
「黙って聞いてりゃおめぇ、大学生かなんか知らんがオイ……」
自分に勝ち目があると思ったのか前に出てきた。
少しは腕に覚えがあるようだった。空手の構えのようなものを取るも、赤沢が見栄を張れたことといえばそれくらいだった。
赤沢の前髪がばさりと宙に舞った。
金色をした下品なネックレスがごとりと落ちた。
前ポケットの携帯電話がケースごと吹き飛んだ。
さらにはシャツのボタンが一気にはじけ飛び、前がはだけたのである。
すべて竹刀の切っ先が、またたくまに起こしたことだった。
「そこの連中にも、外傷が残るような一刀は与えていない。気絶させただけだ。連れて行け。そしてすぐにこの島から出ていけ。今度はこの程度では済まない
……俺は怒っている
」
赤沢は後じさり、壁に背中を付けた。しばらく紙のような顔色で二人の取り巻きを順番に眺めていたが、遥斗がもう一歩近づくと見るや、ヒイっと声を上げて横たわる男たちを順番に蹴りつけ、二人に肩を貸してその場から去って行った。
男たちが見えなくなると、泰葉は遥斗に駆け寄った。
「どうして」
これが、このとき彼女が言った唯一のことだ。
「理由なんて、説明できません。ただ胸騒ぎがして――」
遥斗には、この言葉しか頭に浮かばなかった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年05月27日
参加申し込みの期限
2019年06月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年06月03日 11時00分
参加キャラクター一覧
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